米カリフォルニアアーカイブ

2010.10.10

久しぶりにカリフォルニア

毎月1回担当しているワイン講座で、久しぶりにカリフォルニアを取り上げてみました。

セレクトポイントは、コストパフォーマンスの良さ!です。

 

まずは白ですが・・・

 


 

2010100801.JPG2008 ポメロ ソーヴィニヨンブラン(メイゾン・セラーズ)

 

エチケットがキュートで、女性の生徒さんは皆、「かわい~い!」と声を上げました。

ポメロ(Pomelo)とは、マレー半島原産、「チャイニーズ・グレープフルーツ」とも呼ばれ、いまはカリフォルニアで作られているミカン属の果物。大きくて、厚めの緑色の皮の中に淡黄色または淡紅色の果肉がプルンと入っています。

ちなみに、スウィーティーはこのポメロとグレープフルーツを掛け合わせたもの、日本のザボンや文旦もポメロの改良系だそう。

こんなに果物の説明を詳しくしたのは、このワインの第一印象が、豊かな柑橘系の果実味のいきいきとした爽やかさにあったからです。それでいて、余韻もあって、心地よい苦味のフィニッシュで締めくくられます。エチケットのキュートさにひかれてカジュアルな雰囲気を連想して飲み始めると、意外と骨格がしっかりしていることに驚かされました。


カリフォルニアフリークのワイン仲間の一人がこのワインにほれ込み、輸入したものです。オーナーのランディ・メイソン氏は、数々のカリフォルニアのスターを育てている「ナパ・ワイン・カンパニー」でCEOを務めたこともある人で、ソーヴィニヨンブランの名手とも評されているそうです。

 

 

もう1本の白は・・・


 

2010100802.JPG2006 ロビンソン・クリーク シャルドネ(マクナブ・リッジ・ワイナリー)
 

こちらは、カリフォルニア州北部のメンドシーノ産。

メンドシーノは、比較的気候が涼しく、繊細な味わいのブドウができます。イタリア人入植者が多いこの地で、マクナブ・リッジを開いたのはスコットランド人。

味わいは、最初は西洋ナシのような果実のフレッシュな香りが先行しますが、時間の経過とともに、ハチミツやトロピカルフルーツの芳醇な香りに包まれ、ミネラルもしっかり。いや、余韻も長い・・・。

 

 

 

 

 

赤ワインは・・・


 

2010100803.JPG2006 カベルネソーヴィニヨン(ジラソーレ・ヴィンヤーズ)


これも、ポップなエチケットと、ボトルの首のあたりに止まっているハチさんのアップリケに注目! 

やはりメンドシーノの生産者、チャールズ・パッラ氏。「ブドウの自然なおいしさそのままに消費者に届ける」が彼の哲学で、この地の有機栽培の畑をリードする存在。

 

繊細なタンニンが溶け込み、酸味とのバランスもよく、満足のいく味わいです。

 

 

 

 

 

 

ほかに、飲んでおいしかったのは・・・


 

2010100804.JPG2008 アルザス・リースリング(ドメーヌ・ジョルジェ・エ・クロード・フレイブルジェール)


 

1963年から続く小さな家族経営の元詰め生産者。

2001年からビオデナミを実践。

 

 

白い花や青リンゴの爽やかさに、ワイン初心者も抵抗なく飲める一品でした。

 

 


 

 

  

2010100805.JPG2007 ゴーツ・ド・ローム(ゴーツ・ド・ローム・ワインカンパニー)

 

南アフリカの生産者で、シラーズ40%、ピノタージュ18%、サンソー17%、カリニャン13%、ムールヴェドル10%、ガメイノワール2%。

 

「Goats do Roam」は、さまよえるヤギ・・・ブドウの収穫期に、いたずらっこの息子がヤギたちを小屋から出したら、一番おいしく熟したブドウを全部食べてしまったそうで、そんなエピソードからワイナリー名が決まったそうです。「コート・デュ・ローヌ」を意識した遊び心いっぱいのワインは、赤い果実の豊かな香りとクローブやシナモンのスパイスが溶け合って、飲みやすいです。 


ユニークなエチケットも見逃せませんね。

 

 

いずれのワインも3千円以内で買えて、コストパフォーマンス抜群です。

プランタン銀座のワイン売場でセレクトしましたので、ぜひのぞいてみてください。

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2010.10.04

「ラ・ボンバンス」で初秋のワイン会

皆様、ようやく秋風が吹き、赤ワインも飲みたくなる、そう、ワインがますます美味しくなる季節になりました。


岡元料理長の料理にほれこんで、私が勝手に「口コミ広報」を行っている西麻布の「ラ・ボンバンス」で、ワイン好きな仲間とワイン会を開きました。


幹事役の私がこの日アペリティフ用に用意したのは、プランタン銀座のワイン売場スタッフにすすめられた、シャンパーニュ。


10100112.JPG1996 フレネ・ジュイエ スペシャル・クラブ

 

写真ではよくわからないかもしれませんが、これ、マグナムです。通常のシャンパーニュよりも倍の大きさ! ワイン会で仲間と一緒の時でないと、なかなか開けられません。

シャンパーニュは、マグナム瓶が一番美味しく熟成するともいわれています。それに、1996年は、素晴らしいグレイトヴィンテージ!

 


フレネ・ジュイエは、1952年、ジェラール・フレネ氏によりヴェルジー村で創業されたドメーヌ。


「スペシャル・クラブ」とは、大手メゾンのシャンパーニュが主流を占めていた1970年代、小規模の有力ドメーヌが集まって、自らの畑とセラーで造り上げた個性あるヴィンテージ・シャンパーニュを広めようと、共通のボトルとラベルを作成し、使い始めたもの。最低3年以上の瓶熟成を義務付けられています。現在26の生産者が「クラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュ」という組織をつくり、瓶詰め前とリリース前に厳しい検査をして、合格したものだけが「スペシャル・ックラブ」として認証されるそうです。


シャルドネ60%、ピノノワール40%。果実のフレッシュな味わいを残しながら、こんがりトーストしたパンのような香り、コクのある熟成感があり、余韻も長くて、とっても美味しかったです。どんな料理との相性も楽しめそうですし。

 

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自信をもって、おすすめです。

ご興味ある方は、プランタン銀座・ワイン売場のスタッフにお尋ねくださいね。

 

 

さてさて、初秋の「ラ・ボンバンス」の料理ですが・・・

相変わらず、岡元料理長のおやじギャグ的(失礼!)メニューのネーミングがさえています!!

 

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サワラのまえ(サゴチの焼き物にゆずコショウが添えてありました)

 

 

10100102.JPGぷーすれひかふ たいやき(ふかひれのスープにマツタケがいっぱい。たいやきは、アマダイでした)

 

 

10100103.JPG萩の花に見えますか?(秋の演出にも趣向をこらしています。ゴマ豆腐にエビ、アズキ、ギンナンをあしらって。ウニのわさび醤油が効いています)

 

 

10100104.JPG焼松と秋田産きゃびあ 波紋伊部理子桃子 29ぎり 焼茄子オクトパスフォールド(イベリコ豚と桃の組み合わせが面白い。お肉の握りは新潟の村上牛、タコは静岡産で、土佐酢ゼリーがアクセント)

 

 

10100105.JPGフォアグラソテーと百合根の茶碗蒸し 木の子あ~ん さらに秋トリュフ乱れ打ち(トリュフがこれでもかって、うれしいです)

 

 

10100106.JPG3マ(サンマです、いい加減の焼き具合)

 


10100107.JPG秋の宝石箱や~(いまが一番美味しい北海道産のイクラ)

 


10100108.JPG牛鍋 牛蒡 水菜 焼豆腐

 

 

10100109.JPG831(野菜の盛り合わせ ダイコンの皮のきんぴらが私のお気に入りです)

 


10100110.JPGブーそば(みゆき豚が入った付け汁)

 

 

10100111.JPGデザート3種(白いコーヒーブラマンジェ、黒ゴマシャーベット、月見武道=長野ファーストというブドウを使用)

 

さて、今回のワインリストは各人が1本ずつ持ち寄り、以下のようでした。

 

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2007 シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・シャン・ガン(ドメーヌ・ベルナール・モロー)
1996 ムルソー アラン・コルシア・コレクション(ドメーヌ・ボートアジー)
2006 シャトー・シャス・スプリーン
1996 ムーラン・ナ・ヴァン グランド・ガルド・レニャー
1999 エシェゾー グラン・クリュ(ドメーヌ・クードレ・ビゾー)
2002 シャンベルタン(ドメーヌ・カミュ)
2003 ホスピス・オブ・ソノマ ピノノワール ロシアンリバーヴァレー(ロキオリ)

 

 

 

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ブルーゴーニュを中心に、皆、メニューを知っていたかのような、素晴らしいセレクションを楽しみました。。
最後のロキオリは、カリフォルニア好きの仲間のセレクト。チャリティ限定のオークションボトルで、世界にわずか60本。シリアルナンバー入りでした。

 

秋の夜長、大いにワインを楽しみましょう!!

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2010.04.06

メリー・エドワーズさんのピノノワール

米カリフォルニアを代表する女性ワインメーカー、メリー・エドワーズさんが3月末、夫とともに初来日。

東京・神田の学士会館のフランス料理店「ラタン」で、メーカーズディナーが開かれました。


メリーさんは、30年前に買ったクールな黒羽織をコートのようにふわっと羽織って現われました。

 

彼女がワインと出会ったのは、幼い頃の思い出にさかのぼるそう。母親のお手伝いをしている時に、料理に一味添えるエッセンスとしその存在を知ったというわけです。


カリフォルニア大学バークレー校で生理学を修め、その後、デーヴィス校で醸造学を専攻、醸造家としての道を歩み始めました。

カリフォルニアワインにクローンを導入する先駆的な役割を果たし、コンサルタントとしての地位を確立、現在は自社畑を所有し、何種類かのピノとソーヴィニヨンブランを造っています。1997年から造っているピノには、格別の思いと自信があるようでした。

ワインスペクター誌では、いつも上位にランクされる彼女のワインですが、なかなかお目にかかる機会がありませんでした(デプトプランニングさんが輸入されています)。
 

今回、いただいたのは、


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2000メリー・エドワーズ メレディス・キュヴェ レイト・ディスゴージド スパークリングワイン
2008メリー・エドワーズ ソーヴィニヨンブラン ロシアン・リヴァー・ヴァレー
2007メリー・エドワーズ ピノノワール ソノマ・コースト
2005メリー・エドワーズ ピノノワール ロシアン・リヴァー・ヴァレー
2007メリー・エドワーズ ピノノワール メレディス・エステート
2004メリー・エドワーズ ピノノワール クーパースミス ロシアン・リヴァー・ヴァレー

 

スパークリングワインは、少量生産で日本未入荷。きめ細かな泡とすっきりした酸がマイルドにまとまっていて、これは、とっても美味しかった!


ソーヴィニヨンブランは、メロンやライム、トロピカルフルーツの甘い香り、ほどよい樽の香りが相まって、芳醇です。米国では2007年が大人気で完売だそうです。

ピノは、それぞれの畑の特徴が表れて、面白いですねえ。
しなやかな重量感があるロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノは長い余韻が楽しめましたけれど、私は、自社畑のメレディス・ヴィンヤードで造ったピノが一番気に入りました。エレガントで、バラやリコリス、ジャスミンティなど、複雑性のある香り、凝縮した味わいが広がって。魅力的です。

「この畑は、私が醸造家から栽培・醸造家への道を歩み始めるきっかけになった記念すべき場所」と、メリーさんの説明でした。

 

最後のクーパースミスは、まだ若すぎる印象でした。
 
合わせた料理をご紹介すると、


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10040603.JPG生ハム、そして一口のお楽しみ

 

 

 

10040604.JPG長崎産新鮮白身魚と生ウニの春仕立て

 

 


10040605.JPG北海道産ホタテ貝のココット焼き

 

長崎産アマダイの伊勢海老とサフランのソース

(写真を撮り忘れました!)

 

 

 

 

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骨付き仔羊のロティ 森のキノコ添えトリュフの香り

 

 

 

 

10040607.JPGデザートは、新潟産洋ナシの赤ワイン・コンポート


 
久しぶりに、しっかりしたクラシックなフレンチをいただきました。

良質なピノだと、楽しめますね。

 

女性ワインメーカーらしい(?)エチケットも目を引きました。

 

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とっても気さくなメリーさんと一緒に。


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「女性先駆者として、苦労したことは?」と伺ったら、「今が素晴らしいので、ネガティブなことは言わない。私には、ゲイ・サポーターチームがいて、親切に丁寧に、時に厳しく指導してもらいました」とか。


「女性の方がテイスティング能力が高いともいわれていますよね」と水を向けると、「そうそう、それは、研究者によっても裏づけられているデータがありますもの。女性そしてアジア系の中に、スーパーテイスターが生まれるようです」ですって。
 

女性のテイスティング能力の高さは、ワイン評論家のジャンシス・ロビンソンさんも指摘するところ。2月にジャンシスさんをインタビューしたのですが、その内容は、5月発売の日本ソムリエ協会誌「ソムリエ」に掲載の予定です。

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2010.02.04

リニューアルした新生「ラ・ボンバンス」で

10日間ほどのご無沙汰です。
お酒はいろいろいただいていたのですけれども、年末、突発的に左肩周辺に痛みが走りまして。

あらら、四十肩?五十肩? 十数年前に患ったムチウチ症の悪化? それとも・・と、整体やら整形外科の病院やらをいろいろ渡り歩いた結果、現在、電気鍼治療でようやく快方に向かっている次第です。

 


ブログを書き始めると、どうも根をつめてしまうので、しばらくお休みしようかなとも思ったのですが、美味しいニュースをぜひお伝えしたい衝動に駆られました!


1月半ばにリニューアルオープンした西麻布の「ラ・ボンバンス」のお料理です。


部下の送別会で予約をしたら、忍者部屋みたいに「ええっ! この壁の奥にこんな空間があるの!」といった驚きの個室に通されて、最初から参加者のテンションも上がりっぱなしでした。


1月最後の週末のメニューは、


新酒粕のスープ野菜の沢煮仕立て

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紅白胡麻豆腐 車エビ山葵醤油和え

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・豆(天豆でしょうか?)の塩茹で+カワハギ肝すし+紅白まゆ玉飾りtheピーナツ~墨(カラスミです!)+子持ち若布と生うに+牛ロースの焼きおにぎり+ケヅリブノドサ(逆から読んでください!)


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1月30日の茶碗蒸し

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ユリネが入ったふんわり茶碗蒸し。フカヒレ、フォアグラ、それに黒トリュフがいっぱいです。

 

寅福

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トラフグを無駄なく使ったさっぱりサラダです。

 

29料理 伏見唐辛子と新じゃがふぃー

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じゃがふぃーは、ジャガイモのコンフィだそうです(料理長の駄洒落はますます乗ってきた感じ!!)

切り干し大根と刻んだ奈良漬と一緒にお肉をいただくと、後味がさっぱり。

 

佐渡ヶ島のアンコウ鍋 

 

10013007.JPG下仁田ネギと白菜・春菊、それに嫉妬(やきもちと読みます!)入り。とってもあったまります。


旬野菜の一皿

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ギンナン、ニンジンなど「ウン」がつく野菜たち、メが出るクワイ、熊本の塩トマト、シントリ菜と干しえびのお浸し、わさび菜、そしてチヂミホウレンソウ。

 

福福福福福・・・・・・・・∞

 

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お待ちかねのフグの雑炊。無限大に続く「福」に、参加者それぞれがお願い事を託しました。

 

定番の白いコーヒーゼリーと黒ゴマいっぱいのソルベ

 

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さて、合わせたワインですが、


10013011.JPGNVル・レーヴ ブラン・ド・ブラン(ドメーヌ・カーネロス)
2006シャサーニュ・モンラッシェ レ・シャリエール (ドメーヌ・ルネ・ルカン=コラン)
2006マガーリ(ガヤ)
1999アロース・コルトン(ルモワスネ)

泡と赤2本を持ち込ませていただきました。

 

最初の泡は、「ル・レーヴ」=夢。シャンパーニュの名門テタンジェがカリフォルニアで造る限定発売のブラン・ド・ブランです。テタンジェ社長が若きころに抱いていた夢を実現させた一品で、今回の主賓の新たな旅立ちをお祝いして、選びました。ライチやパッションフルーツなど南国のフルーツの香りにトースト香が加わって、繊細かつエレガント。

白のシャサーニュは、岡元料理長からのプレゼント。小規模家族経営のドメーヌで、とっても丁寧に造られたきれいな白でした。

さて、主賓の「赤ワインが飲みたい!」とのリクエストにこたえ、旬の和食素材を邪魔しない2本をセレクト。
「マガーリ」は、イタリア語で、「そうだったらいいのに!」という願望を表す言葉。メルロ50%、カベルネソーヴィニヨン25%、カベルネフラン25%。酸はやわらかく、程よい渋みがあって、さすがバランス重視のガヤのワインでした。
飲み頃を迎えるまで巨大なカーブで寝かせてから出荷しているルモワスネ。適度な深みのあるピノが、和牛にもアンコウにも、ほんとよく合いました。


ちょっとセンチメンタル気分になる送別会ではあるけれど、夢と希望がいっぱいの旅立ちを皆でお祝いする楽しい会になりました。

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2009.12.24

銀座にニューオープンの「NAPA」で

銀座5丁目に12月初めニューオープンした「NAPA」に行ってきました。

女子だけで忘年会、なので、飲んで食べて、また食べて・・・。

数々のレストランを仕掛けるスティルフーズの鈴木成和社長が「ナパな気分」(?)でつくった店で、私も最近はまっている、カリフォルニアイタリアン。

 

ワインは、カリフォルニアを中心に、オーストラリアやニュージーランドなどコストパフォーマンスのいいニューワールド系がそろっていました。リストも、シャルドネ、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨン、シラーズ、ジンファンデルなど、品種別に整理されているので、とっても見やすい!
トレフェッセン、シルバーオーク、ダリオッシュ、グレースファミリー、ボンドなど、ちょっと背伸びして飲みたいなと思うカリフォルニアも充実かつ価格がリーゾナブルなところ、気に入りました。

 

今回いただいたのは、
2005アーガイル・ヴィンテージ・ブリュット(米オレゴン州・ウィラメットヴァレー)
2007ミルトン シュナンブラン(ニュージーランド・ギズボーン)
2007カレラ ピノノワール キュヴェV(米カリフォルニア・セントラルコースト)


 

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最初の泡は、米オレゴン州産で、ワインスペクター誌年間世界最高のヴィンテージ・スパークリング。熟した洋ナシなどの果実味いっぱい、クリーミーな仕立てで、香りの広がりに幅がありました。「アーガイルのスパークリングを初めて飲んだ時、この分野でのオレゴンの将来性を確信した。新世界で造られるスパークリングの中で、最も美味しくて出来の良いものである事は確かである!」と、ロバート・パーカーもべたほめのよう。泡好きな私は、どんな料理がきても、ずっとこのスパークリングを飲み続けたいと思いました。ロデレールのカルテットブリュットが品切れだったので、こちらにしましたが、当たりです。
 
白は、ニュージーランドのシュナンブランを選びました。1984年にミルトン夫妻が設立したヴィンヤーズ。フランスとドイツで修行した夫妻は、シュタイナーのバイオダイナミックス理論に出会い、89年、ニュージーランド初のオーガニックの公的認証を取得。シュナン・ブランと遅摘みリースリングが特に有名で、高い評価を得ています。パイナップルなどトロピカルフルーツやハチミツの風味が広がり、フォアグラのソテーなども美味しくいただけました。

 

「きれいな赤ワインが飲みたい!」という女子たちのリクエストで・・・入門編のカレラを。ラズベリーの香り、ハーブのニュアンス、まとまりのある酸、滑らかなタンニン。同じカレラの、ジェンセンやミルズのように、枯れた大地の味覚の広がりは望めないものの、日常飲める「きれいなピノ」のお手本のような気がします。シンプルなパスタやポークのグリルなど、よく合いました。

 

さて、料理を一気にご紹介しましょう。

 

まず、アミューズとして、貝の形のお皿でサービスされたミルキーなモッツァレラ。


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田舎風パテ・ド・カンパーニュ(写真を撮る前にだれかがナイフで切り分け! 肉食系女子が多いもので)

 

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生タコのカルパッチョ

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ロメインレタスとベーコンのシーザースサラダ ベーコンが迫力です。

 

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トリッパのトマト煮 ペコリーノチーズとともに

 

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クリスピーな薄焼きマルガリータ

 

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インカのめざめとインゲンのジェノバ風

 

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フォアグラのソテーと舞茸のフリット 白インゲン豆のピューレ添え

 

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ワカサギのカルビオーネ

 

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パルミジャーノと黒コショウのカッチョ・エ・ペペ

 

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福島県産キラキラポークのグリル

 

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最後、グラスに残ったピノで、チーズをいただきました。

 

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それにしても、よく食べたなあ。

 

ワインのサービスで、こちらが合図しないと気がつかないなどややぎこちなさを感じましたが、恐らくニューオープンで、スタッフがまだ慣れていなかったのでしょう。

素材の個性を生かしたシンプルな料理をわいわいと、楽しく美味しくいただきました。

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2009.11.23

白金にニューオープンの「AWキッチン」で

銀座の"V"de Bistro Vionysがこの夏閉店して、ソムリエの斉藤さんが白金高輪にニューオープンした「AWキッチン」に移られたと聞き、早速出掛けてみました。


「AWキッチン」は、オーナーシェフの渡邊明さんが契約農家の新鮮な野菜と手打ちパスタにこだわって展開しているお店。白金以外にも都内に4店舗あります。店名の由来は、お客様をシェフの台所に招いておもてなしをしているイメージから。

 

まずは、モエのシャンパーニュをグラスで。アミューズは、ヴェジタブルコルネ。

 

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カリフォルニア・ナパの「フレンチランドリー」の演出に似ていますね。

外側のパリパリの生地がセサミ風味で、ちょっと甘みがありました。

 

 

店のイチオシ定番メニュー、AW農園バーニャ・カウダ。プレゼンテーションが素敵です。


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前菜は、秋野菜と幻の「鮭児」のテリーヌ 柿のビネグレット。

 

09112203.jpg鮭児は、11月上旬から中旬にかけて主に知床から網走付近でとれる脂ののった若いシロザケ 。1万本に1-2本しか獲れないともいわれる貴重なお魚。

 


09112204.jpgオーナーがカリフォルニアワイン好きだそうで、白は、ナパのソーヴィニヨンブランをいただきました。
2008ターンブル ソーヴィニヨンブラン 

ナパのオークヴィル地区、「オーパス・ワン」の北側の一等地に1979年設立されたワイナリーで、オーナーはパトリック・オデル氏。93年にジョンソン・ターンブル・ヴィンヤードを購入し、「ターンブル・ワイン・セラーズ」という名称に。90年代後半からカベルネソーヴィニヨンの評価が高まり、人気ワイナリーになりました。


エチケットにも「エステート・グロウン」と記しているように、ブドウはすべて自社所有の畑からまかなっています。


このソーヴィニヨンブランは、ターンブル唯一の白ワイン。オレンジやレモン、それに白いバラの香り、すっきりした酸のまとまりに加えて、トロピカルフルーツのリッチなニュアンス、後味にわずかにほろ苦さが残り、カジュアルすぎないところが気に入りました。

 

 

パスタの種類が多いので、とても迷いましたが、青森の長イモとウニ、岩海苔のクリームソース・パッパルデッレを。

 

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長イモがパスタのように太く薄く長くなって、柔らかい味のクリームソースの中で出番を待っていました! 岩海苔のグリーンもとってもさわやか。ウニもたっぷり入っていて満足です。

 

 

お肉は、北海道から届いたばかりのとっても歯ごたえがやさしい蝦夷鹿です。ローズマリーの一枝が味わいにアクセントを加えてくれます。

 

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09112207.jpg赤ワインは、
2005ブラウン・ブラザーズ メルロー(オーストラリア)

19世紀末、ヴィクトリア州ミラワに創立したオーストラリアで最も古い家族経営のワイナリーの一つ。2代目のジョン・チャールズ・ブラウンの時代、豪州初のリースリングの貴腐ワインを造るなど、ワイナリーが発展する基盤を作りました。

 

現在では、ミラワ以外にも広大なブドウ畑を所有し、ピノノワールやシャルドネ、オーストラリアでは珍しいバルベーラやピノグリージョも栽培しています。


州北部の温暖なカンガルー湖畔には妻の名前にちなんで名付けられたパトリシアというプレミアムワインを生み出す畑があって、メルロはその畑から。ブラックベリーやチョコレートの香り、タンニンは柔らかでミディアムボディの味わいでした。

 

できれば、赤はブルゴーニュを飲みたかったなあ。フランスワインもこれから充実させていただければうれしいなって、思いました。

 

 

 

デザートは、栗のスフレとラムレーズンアイスクリームに、

 

09112208.jpgもう一つ、長野パープル、セトジャイアンツ、信濃スマイルの3種のブドウを使った寒天テリーヌ。


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ハーブティーも充実していました。葉っぱを小皿に載せてプレゼンテーション。私は、ユーカリやジャスミンフラワー、ペパーミントがブレンドされたデトックス効果のあるお茶を選びました。


 

プティフールの演出もユニークです。

 

09112210.jpg手前のアクセサリー入れのような木箱にかわいらしく収まっています。向こう側のスティックはギモーブの花畑。

演出につられて、たくさんいただいてしまいました。 

 

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2009.11.14

美味しいカリフォルニア その4(最終回)~はずせないB級(?)グルメ

カリフォルニアのワインカントリーを巡って、はずせないのはやはりB級グルメでした。
今回の旅で印象に残ったものをいくつかご紹介したいと思います。

 

まず、ナパの北、間欠泉がある街、カリストーガのカフェのパンケーキ。


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現在上映中の映画「サイドウェイズ」で、菊地凛子演じるところのミナが働く店「カフェ・サラフォルニア」は実在します。


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ⓒ2009 Twentieth Century Fox and Fuji Televesion 

 

店の奥にこんなサインも見つけたりして、かなりミーハーしてきました。


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このカフェ、100年以上の歴史をもつ古い店。

19世紀にニューヨーク州で人気のあったリゾート地、サラトガ・ホットスプリングスの噂を聞きつけた実業家のサム・ブラナン氏は、「西海岸にだってそれに匹敵する温泉地はあるぞ」と、この地に目をつけました。

カフェの名前は、サラトガ+カリフォルニア・・で、サラフォルニア!

 

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いわゆるアメリカのダイナーのメニューです。

ストロベリーとバナナがたっぷりで、甘~いパンケーキ。


09111406.jpg野菜とチーズのペンネはオリーブオイルにニンニクが利いていて、驚くほどあっさり味。

地元のスパークリングウォーターがとても美味でした。

 

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ナパのオックスボウ・パブリックマーケットは、10月30日付けの「GINZA通信」でも取り上げましたが、ここは歩いているだけでも楽しいです。


オーガニックな地元野菜に、


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オリーブオイルの専門店ではテイスティングもできます。

 


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スパイス屋さん

 

09111410.jpgかわいいカップケーキの専門店


09111411.jpgチーズも地元産が中心で


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地ビールも充実


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もちろん、ワインコーナーも


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ほかに、古道具屋さんもありました。


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ここでご紹介するのは、テイラーズのバーガー。

ナパ発祥ですが、サンフランシスコにも進出しているバーガー専門店。

 

 

09111416.jpg7-10ドルもする高級ハンバーガーは、肉汁ジュワッでブルーチーズがとろり。セレブたちにも大人気だとか。
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私のおすすめは、マグロをさっと炙って、ハーブ味のコールスローサラダとともにはさみ、ジンジャー・ワサビマヨネーズを添えた「アヒ・バーガー」(左)。

東洋的な味わいが卵たっぷりトーストされたバンズとよく合うのです。

特産のスイートポテトを使ったフレンチフライがほくほくして、表面にアメなしの大学イモみたいでした。

 

 

ソノマのケンウッドにある小さなレストラン「Doce Lunas(ドセ・ルナス)」では、素敵な家庭料理に出合いました。

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スペイン系のアレックス氏と日系3世のジャッキーさん、仲良しのプロイ夫妻が営むお店です。

 

09111419.jpg 09111420.jpg有名ホテル勤務時代に出会った2人は、料理の武者修行で世界中を放浪しました。

なぜか世界中のチリソースのコレクションがずらり。


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最初は、蒸篭に載せた蓮華でフルーツのサービス。

 

09111422.jpgスパイシーシュリンプに小さな俵型のおにぎりライスが添えられた一皿や

 

09111423.jpgハチミツの甘みがやさしいポークチョップ

 

09111424.jpgは、ジャッキーさんのお母さんのレシピ。店でも一番人気のメニューだそうです。

ちなみに、店の名前は、アレックス氏がおばあちゃまに、「ハイウェイ12号線の月の谷のそばに店舗用の土地を購入した」と報告したところ、おばあちゃまが「12個のお月様(ドセ・ルナス)を買った」と勘違いしたところから付けたそうな。

「僕の下手なスペイン語のせいで、素敵な名前になった。グランマ、ありがとう!」と、アレックス氏はにこやかに説明してくれました。

 

 

最後は、サンフランシスコ・フェリービルディングにある「ホグアイランド」のオイスター。


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サンフランシスコの北西80キロにあるトマレス・ベイのオイスターを中心に、東海岸のロングアイランドやワシントン州のものなどが揃っていました。


6種類を選んで盛り合わせに。

 

09111427.jpgトマレス・ベイの「スイートウォーター」はミルキーでリッチな味わい。

「クマモト」は、小ぶりだけれど繊細で複雑な味わい。


たっぷりグリーンサラダとクラムチャウダーもいただきました。


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オイスターに合わせたのは、モントレー産のスパークリングワイン、Me Intyre L'homme qui ris Brut。

酸味すっきりの爽やかな味わいでした。

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2009.11.12

美味しいカリフォルニア その3~メンドシーノの街中で

北カリフォルニア・ワインカントリーの最北端にあるメンドシーノは、ニューイングランド地方からの移民によって建設された街です。


「その2」では、「マッカラム・ハウス・イン」のレストランをご紹介しましたが、

街のメインストリートには、美味しいスポットがいくつかあります。

このメインストリート、レトロな雰囲気を残しているためか、ハリウッド映画のロケ地としてよく利用されているそうです。古くは、「エデンの東」にも登場、ジェームズ・ディーンの宿泊したホテルの部屋は今も残されています。


 

「パターソンズ」は、アイリッシュ・パブ。

 

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80種類以上の地ビールが並びます。 

 

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ここのランチは地元でも美味しいと評判でした。
店のスタッフのおすすめで、Scrimshowというビールと、クラムチャウダー、

 

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それに好物のBLTサンドを食べました。

カリカリベーコンの脂がほどよく口に広がります。

 

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街には、中国移民が作ったお寺やら、


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ローズピンクの教会風建物は、オーガニック専門のマーケット。

 

 

09111206.jpg二階にはスパイスやハーブ、ティーなどが充実。買い物客は、スタッフのアドバイスを受けながら、自分で好みのブレンドを調合していました。
 

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ジェリー夫妻が営むオーガニック・コーヒー専門店は、街の人々の憩いの場。


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ニューマイヤー夫妻が経営する「メンドシーノ・マーケット」は、地産地消にこだわったサンドイッチが20種類近くも揃う人気店。

 

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ダンジョネスクラブミートと炙りサーモン、どちらもフレッシュな大地の恵みに感謝です。


 

09111212.jpgワインも、もちろんオーガニック。


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そして、KOMBUCHA BOTANICAというドリンクを発見。

 

09111214.jpg昆布茶ではありません。

 

アダム&エイシャー・グッドマン夫妻が造っているヘルシードリンク。カリフォルニアのオーガニック大好きピープルの間では、結構有名みだいです。

 

ラベルにデザインされているのは曼荼羅で、エネルギー、女性性、美、ミステリーなど様々な意味が込められているそう。

哲学的な飲み物?? 

漢方薬系ハーブにオレンジやザクロなどで自然な果実風味もつけてあります。

でも、私はちょっと苦手でしたけど。

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2009.11.07

美味しいカリフォルニア その2~メンドシーノ「マッカラム・ハウス・イン」

北カリフォルニアのワインカントリー最北端に位置するメンドシーノ郡。ニューイングランド地方の移民によって建設されたこの街は、古きよき時代のアメリカの空気が残っています。

 

メンドシーノの話題は、11月6日付けのヨミウリオンライン「GINZA通信」でも、詳しく取り上げていますので、合わせて読んでみてくださいね。

中心街にほど近い、ヴィクトリア調の建物「マッカラム・ハウス・イン」には、北カリフォルニアのオーガニックな地消地産にこだわった話題のレストランがあります。

 

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エグゼクティブ・シェフのアラン・カンター氏は、カリフォルニアのセレブリティにも大人気。

もちろんワインは、メンドシーノをはじめ、ナパやソノマ産。

レストランの内装は白が基調で、肩の凝らない雰囲気です。

デザートを入れて5品目が並ぶ「テイスティング・メニュー」は、それぞれにセレクトされたワインが付いて、135ドル。 

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最初のお皿は、セサミシードをまぶしてさっとあぶった、レアなイエローテール。
アメリカではおなじみの魚です。ハマチと思わされているようですが、高級魚のヒラマサです。日本でいただくよりも脂ののりが少なめな感じはしますけど。sushi riceに海草サラダ、ポン酢ソースとワサビ・アイオリ(ニンニクが利いたアイオリーソースにワサビでアクセント)を添えて。日本の食材を意識してますねえ。

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0911060301.jpg アペリティフから飲み始めていたのは、

NVロデレール・エスエート ブリュット(アンダーソン・ヴァレー)

「フレンチランドリー」の項でもご紹介しましたが、フランスのルイ・ロデレール社がカリフォルニアで初めて造ったスパークリングワインです。

自社畑のブドウを使用。ピノノワール30%、シャルドネ70%。

3年ほどオーク樽で熟成されたリザーヴワインをブレンド。

明るいゴールドで、洋ナシのようなフレッシュさを残しながらも、ナッツやスパイスの香りに包まれてエレガント

 

2皿目は、コマンチェ・クリーク産昔ながらのトマトを使ったBLT。

ホームメイドのモツァレラチーズ、リンゴの木でスモークしたベーコン、バターレタスの大好きな黄金トリプル・コンビネーション。オリーブ油とバルサミコでアクセント。

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0911060401.jpg ワインは、
2006メアリー・エルク シャルドネ(アンダーソン・ヴァレー)

少量生産で一般的に入手が難しいエルク・ファミリーのシャルドネです。

ピノノワールが有名で、東海岸にもファンが多いそう。

 

オーク樽を使っていないので、果実のフレッシュさとしゃきっとした酸味が伝わってきます。

 

 

 

3皿目は、リバティ・ファームの鴨のコンフィ。
ウォルナッツ入りの焼いたパン・プディングを添えたアメリカ的な料理。

メンドシーノ産ブラックベリーを赤ワイン(シラー)で煮たソースがベストマッチでした。

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そうなるとワインは、
2007スパイスラック「パンチダウン」シラー (ソノマ・コースト)

深いルビー色で、カシスや黒コショウ、ローズマリーの香りが広がります。タンニンも柔らかで、エレガントなスタイルでした。

 

 

 

 

 

 

マンゴのソルベでお口直しをして、

4皿目はメインディッシュで、ニーマン・ランチのフィレ・ミニヨン・グリル。

ホースラディッシュを加えたフレッシュクリーム入りのマッシュポテト、チェリーとブラック2種類のペッパー入りのバター、赤ワイン(カベルネ)を加えたデミグラソースで。
 

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0911060601.jpg ワインは、
2003シャトー・モンテリーナ エステート・カベルネソーヴィニヨン (ナパ・ヴァレー)

カリフォルニアワインがボルドーを差し置いて高い評価を独占、ワイン史に残る事件として刻まれている1976年の米仏ブラインド対決「パリ・テイスティング」。その対決でも主役を演じたのが、このシャトーです。この時は、1973年のシャルドネがトップに。

設立は1882年とふるいのですが、禁酒法時代に長らく放置され、蘇ったのは、弁護士のジェームズ・パレット氏が買い取った1970年代以降です。

エステート・カベルネは、同社の最高峰カベルネ。果実味もリッチでボリューム感たっぷり。あと10年は熟成させたい、印象でした。

 

さて、デザート。チョコレート尽くしです。
ビタースイートチョコのbudino(イタリアンプディング)には、カラメル味のピーカンナーツ、そしてホイップクリームも。チョコレートプラリネのアイスクリーム、それに、トリュフ。

 

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0911060701.png ワインは、
2006ブルトカオ ポート(メンドシーノ)
ジンファンデルを使ったポートワイン。熟したプラム、そしてチョコレートのカカオ風味がいきいき。

 

 

 

 

 

 

 

このレストラン、朝食もとても美味しかったです。

エッグベネディクトの一皿。テラスからは太平洋を見渡せるし、窓から差し込む陽光もほどよくあったか。

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庭の向こうには離れもあります。
 

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食後の散歩をしながら、いつのまにか花の写真をたくさん撮っていました。

カリフォルニアを訪ねる機会があれば、ぜひメンドシーノまで足を伸ばしてみることをおすすめします。

のんびりゆったり、時の流れに身を任せるとはこういうことか・・・って、再発見がありますよ。

 

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2009.11.02

銀座にニューオープンした「シェ・トモ」で

大好きなフレンチレストラン、以前にもご紹介したことのある白金の「シェ・トモ」が、銀座に新しい店をオープンしました。


 

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銀座1丁目の新ポーラ銀座ビルの11-12階。プランタン銀座からも近いところ。

 

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銀座に進出すると、料金設定が上がるかまたは料理の量が控えめになるか、といった店が多い中、料金は、ランチコース2890円、ディナーコース5780円と、今まで展開していたリーゾナブル価格をキープ。オーナーシェフの市川知志さんの心意気が感じられます。


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11階は気軽にワインを楽しめるカウンターが中心。12階は落ち着いたダイニング・スペースです。おしゃれでかつ バランスのいいカラトリーは、イタリアブランドのサンボネでした。
 

ハウス・シャンパーニュには、アヤラを採用。

いきいきとした味わいの中にも、アーモンドのような香りのニュアンスが広がり、最初にいただく、豚のリエット(昔から大好物!)や定番の「ウニの貴婦人風」との相性もなかなか。バゲットは、プランタン銀座内に店舗があるビゴさんのを使っているそうです。

 

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今回の料理で一番感動したのは、森のキノコ三昧、セップ茸、ジロール茸、ムースロン茸、トランペット茸などの寄せ造り。

肉厚な歯ごたえ、フルーツのような香り、まろやかな味わい。これ、キノコの旬のうちにもう一度食べたいなあ。


 

お得意の野菜30種類の盛り合わせ。


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ワインは、特別に、カリフォルニアで買って来たものを持ち込ませていただきました。

2000アロウホ カベルネ・ソーヴィニヨン(アイズル・ヴィンヤード)


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久しぶりに飲みました!

力強い色調でしっかりしたタンニンを感じますが、口に広がる味わいは、とってもエレガント。

ソムリエの大芦一人さんも一言クールに、「美味しいですね」。

 

ワイナリーは、ナパの最北部、温泉地としても有名なカリストーガ地区にあります。
醸造施設は木造でとてもシンプル。

 

 

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9月に訪問したときは、ちょうどブドウの収穫期。

ヒスパニックのブドウ摘みが、陽気に歌いながら一粒一粒手摘みしていました。

 

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オーナーは、1990年からバート&ダフネ・アロウホ夫妻。2000年から、ミシェル・ロランがコンサルタントとして参加し、自然界のリズムでブドウを育てるビオデナミを実践しているので、1990年代と2000年代のリリースで、比べてみるのも面白そうです。

 

次のメニューは、ムラサキイモのポタージュ。お芋のスイートパワーが広がります。
 

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メインのお肉のプレート。いつもながらおいしい!

 

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チーズもしっかりいただきます。

 


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それに合わせて、ボルドーのメドックとソーテルヌを勧められました。

 

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私は、左のメドックを選びましたが・・・

1996 シャトー・ラ・ゴルス

 

メドックのクリュ・ブルジョワですね。

シャトー・マルゴーやレオヴィル・ラスカーズなども手がけるエリック・ボワスノ氏が醸造コンサルタントを務めているそうです。

オーク樽18か月熟成で、結構樽の香りがしました。青カビチーズやウォッシュタイプの、おいしさが倍増です。

 

さて、デザートは、素材をテーブルまで見せに来てくれます。

 

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グレープフルーツやパイナップル、それに旬のフルーツがあるときにはその味を生かして作られる、市川シェフのオリジナリティ全開の「大地の恵デザート」なんですよ。果物を焼いたり焦がしたり、ジェリーやソルベとの組み合わせが楽しいのです。

ハーブティーは、ペパーミントとジャーマンカモミール、ベルベーヌをブレンド。 

ごちそうさまでした!

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)