毎月1回担当しているワイン講座で、久しぶりにカリフォルニアを取り上げてみました。
セレクトポイントは、コストパフォーマンスの良さ!です。
まずは白ですが・・・
2008 ポメロ ソーヴィニヨンブラン(メイゾン・セラーズ)
エチケットがキュートで、女性の生徒さんは皆、「かわい~い!」と声を上げました。
ポメロ(Pomelo)とは、マレー半島原産、「チャイニーズ・グレープフルーツ」とも呼ばれ、いまはカリフォルニアで作られているミカン属の果物。大きくて、厚めの緑色の皮の中に淡黄色または淡紅色の果肉がプルンと入っています。
ちなみに、スウィーティーはこのポメロとグレープフルーツを掛け合わせたもの、日本のザボンや文旦もポメロの改良系だそう。
こんなに果物の説明を詳しくしたのは、このワインの第一印象が、豊かな柑橘系の果実味のいきいきとした爽やかさにあったからです。それでいて、余韻もあって、心地よい苦味のフィニッシュで締めくくられます。エチケットのキュートさにひかれてカジュアルな雰囲気を連想して飲み始めると、意外と骨格がしっかりしていることに驚かされました。
カリフォルニアフリークのワイン仲間の一人がこのワインにほれ込み、輸入したものです。オーナーのランディ・メイソン氏は、数々のカリフォルニアのスターを育てている「ナパ・ワイン・カンパニー」でCEOを務めたこともある人で、ソーヴィニヨンブランの名手とも評されているそうです。
もう1本の白は・・・
2006 ロビンソン・クリーク シャルドネ(マクナブ・リッジ・ワイナリー)
こちらは、カリフォルニア州北部のメンドシーノ産。
メンドシーノは、比較的気候が涼しく、繊細な味わいのブドウができます。イタリア人入植者が多いこの地で、マクナブ・リッジを開いたのはスコットランド人。
味わいは、最初は西洋ナシのような果実のフレッシュな香りが先行しますが、時間の経過とともに、ハチミツやトロピカルフルーツの芳醇な香りに包まれ、ミネラルもしっかり。いや、余韻も長い・・・。
赤ワインは・・・
2006 カベルネソーヴィニヨン(ジラソーレ・ヴィンヤーズ)
これも、ポップなエチケットと、ボトルの首のあたりに止まっているハチさんのアップリケに注目!
やはりメンドシーノの生産者、チャールズ・パッラ氏。「ブドウの自然なおいしさそのままに消費者に届ける」が彼の哲学で、この地の有機栽培の畑をリードする存在。
繊細なタンニンが溶け込み、酸味とのバランスもよく、満足のいく味わいです。
ほかに、飲んでおいしかったのは・・・
2008 アルザス・リースリング(ドメーヌ・ジョルジェ・エ・クロード・フレイブルジェール)
1963年から続く小さな家族経営の元詰め生産者。
2001年からビオデナミを実践。
白い花や青リンゴの爽やかさに、ワイン初心者も抵抗なく飲める一品でした。
2007 ゴーツ・ド・ローム(ゴーツ・ド・ローム・ワインカンパニー)
南アフリカの生産者で、シラーズ40%、ピノタージュ18%、サンソー17%、カリニャン13%、ムールヴェドル10%、ガメイノワール2%。
「Goats do Roam」は、さまよえるヤギ・・・ブドウの収穫期に、いたずらっこの息子がヤギたちを小屋から出したら、一番おいしく熟したブドウを全部食べてしまったそうで、そんなエピソードからワイナリー名が決まったそうです。「コート・デュ・ローヌ」を意識した遊び心いっぱいのワインは、赤い果実の豊かな香りとクローブやシナモンのスパイスが溶け合って、飲みやすいです。
ユニークなエチケットも見逃せませんね。
いずれのワインも3千円以内で買えて、コストパフォーマンス抜群です。
プランタン銀座のワイン売場でセレクトしましたので、ぜひのぞいてみてください。