日本アーカイブ

2010.01.24

大分由布院・亀の井別荘で

先週末、仕事で大分・別府に出掛けたので、由布院まで足を延ばしました。


宿は、一度は泊まってみたいと思っていた「亀の井別荘」です。


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加賀の国出身の現ご主人の祖父、中谷巳次郎氏が、亀の井バスなどの創業者でカリスマ実業家ともいわれる油屋熊八翁と出会い、大正初め、由布・九重連山に囲まれた水の由布院盆地に「VIP招待用の森の別荘」を建てる「夢」を実現したのがこの旅館のルーツ。


現在は、本館・洋間6室、和風の離れ15室。

3万平方メートルの森の庭園を楽しみながら、透明な天然掛け流しの大浴場露天風呂でほっこり温まりました。

 

さて、この日、お部屋でいただいたお食事ですが・・・

まず、ワイン、
2008キュヴェ三澤 甲州鳥居平畑 プライベートリザーヴ

 

10012401.jpg以前もグレイスワインの「甲州鳥居平」はご紹介しましたが、これは、社長自らの名を冠した甲州種のトップキュヴェ。

 

三澤茂計氏がぶどう栽培からこだわった限定ワインで、中でも「プライベートリザーブ」シリーズは、気候に恵まれた優良年のみに造られるそうです。


輝きのある淡いレモンイエローの色調、柑橘系のフレッシュな香りに、ぷうんと豊かなバニラのニュアンスが加わって、 ミネラル感もあり、なかなかエレガンス。

 

 

 

 

 

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冬の酒肴いろいろ

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一番手前になるクリームチーズの燻製は、オリジナルの手作り。おいしかったあ!

 

旬の魚お造り

10012404.jpg手前にある粘りの強いヤマノイモで、新鮮なタイなどをくるんで口に運ぶと、もう絶品です。

 

地鶏スープ小鍋仕立

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一番人気のお鍋だそうです。

これをめがけて、夏でも特別に注文なさるお客様が多いのだとか。

いや、コクのある鶏スープは、とってもやさしい味。ずうっと食べていたい気持ちになりました。

てづくりのコンニャクとネギがたっぷりで、アクセントに!

 

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牡蠣柚子釜焼

10012407.jpgワインは、特にこの柚子釜焼とよく合いました。冬の味覚ですね。

 

猪大根 菜花

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10012413.jpgせっかくなので、焼酎もいただきました。

オリジナルの「吟醸糟採」。


大分県久住町の佐藤酒造のもの。規模は大きくないけれど、精米所を持つ、つまり自家精米している酒蔵とか。香りはかなり強烈でしたが、猪肉との相性がよかったように思います。


「亀の井別荘」には、「鍵屋」という素敵な和雑貨を置いているお店が併設されていますが、そこで扱っていました。

 

 

 

 

黒毛和牛薬研堀焼

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とろけるような和牛です。

大分はやはりシイタケがおいしい!

 

柿なます

10012410.jpg油っぽくなった口の中が酸味でさっぱり。

 

特製のおそばをいただきました。

そばつゆは、江戸前よりも若干薄め。

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ご飯は、もちもちしたミルキーウェイをいただき、

 

冷たいデザートも・・・

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おなかにちょうどいいくらいの、旬の献立でした。

老舗旅館でも、最近は、厳選したワインを適正な価格で置いているので、うれしいです。

 

また、1月22日付けのGINZA通信には、亀の井別荘と並んで、由布院御三家の一つといわれる、「山荘無量塔」について書きましたので、興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!! 

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2009.11.29

日本ワインとペニンシュラの中華

このところ、日本の産地で栽培・収穫したブドウを使い、その土地の特徴を生かして造った「日本ワイン」の評価が高まっています。


「日本ワインを愛する会」事務局長の遠藤誠さんの案内で、日本ワインの有名どころ5社のワインがそろったメーカーズディナーが開かれました。合わせる料理は、日比谷のザ・ペニンシュラ東京の「ヘイフンテラス」の中華という、ユニークでゴージャスな企画です。

 

遠藤さんは、ワイン評論家として著名な山本博さんと一緒に2001-2002年に国内のワイナリーを集中的に訪問し、2003年、「日本のワイン」の著作出版と同時に、「日本ワインを愛する会」を設立しました。
輸入原料をブレンドして造るものもある「国産ワイン」と差別化するため、あえて「日本ワイン」と名づけたそう。
日本の土壌の個性を表した、日本の醸造家による世界に通用するワインが「日本ワイン」というわけです。


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ワインリストは次のとおりです。


2005ドメーヌ・タケダ キュヴェ・ヨシコ
2008グレイス甲州鳥居平
2008ドメーヌ・ソガ シャルドネ・ムラサキヴィンヤード
2007ココファーム&ワイナリー 第一楽章
2005シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー

 

09112601.jpg蔵王連峰のふもと、山形県上山温泉郷近くにあるタケダワイナリー。タケダワイナリーは、1920年(大正9年)からワイン造りをはじめ、現在の岸平典子社長で5代目。開園以来、ワイン製造には自社畑か山形県産のブドウのみを使用することにこだわってきたワイナリーです。


また、カベルネソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネなどのヨーロッパ系品種を日本でいち早く栽培を始めたことでも知られています。


20年の土壌改良を経て、15ヘクタールの自社農園ではいま、自然のサイクルを最大限に生かした減農薬、無化学肥料の自然農法栽培を行っています。

 


「キュヴェヨシコ」は、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。シャンパーニュと同じ製法で造られた本格的なスパークリングワインです。12月1日にいよいよ発売とのことでしたが、予約で完売。今回は熟成試験用に取りおいていたものを特別にいただきました。「ヨシコ」は、経営に尽力した岸平社長のお母様の名前だそうです。

泡立ちがきめ細かく、とってもクリーンな味わいでした。最初は閉じていた印象でしたが、2時間余の食事の最後には、まろやかでクリーミーなニュアンスも出てきて、変化が楽しめました。数年置いて飲むと、またとても美味しくなるのでしょうね。日本でも、こんなに潜在力を秘めた泡ができるなんて、素晴らしいですね。 

 

 

料理でまずサーブされたのは、ヘイフンテラス特製焼き物入り盛り合わせ前菜。

ナツメと豆腐の香料煮、特製釜焼きバーベキューミート、バイ貝の辛味ソース煮が盛られていました。

 

 

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09112603.jpgマスター・オブ・ワインのジャンシス・ロビンソンさんが2000年、「グレイス甲州」を「私が飲んだ一番美味しいワイン」と英字紙で紹介してから世界でも注目されている中央葡萄酒。

ボルドー大学のデュブルデュー教授の指導で造ったキュヴェは、アジア初のパーカーボイントを取得、2007年、EU基準を満たした日本ワインとしての輸出認定第一号にもなり、話題でした。


「祖父から教えられた地ブドウ、甲州種にこだわり、これからも大事にしていきたい」というのは、ワインメーカーの見澤彩奈さん。4代目三澤茂計社長の娘で、ボルドー大学ワイン醸造学部で学位を取得。「透明感のある甲州種は、どこか日本の文化を象徴しているようでユニークな品種。世界に広めたい」と夢を語ります。


鳥居平畑は、勝沼でも標高が高い山路地帯にあり、日照量、昼夜の寒暖差、水はけのよさなど恵まれた栽培地域。ホワイトオークの小樽を使用。
三澤さんが表現するように、本当にガラスのように透き通った色が魅力的です。果実の凝縮感もあり、さわやかな味わいです。

 

待っていました! ふかひれです。

特選気仙沼産ふかひれ姿入り極上蒸しスープ 菊の花茶の香り。

 

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09112605.jpg「ドメーヌ・ソガ」の小布施ワイナリーは、以前9月28日のブログでも紹介しました。長野県で最も古い歴史をもつ須高地区で、フランス系品種を中心に栽培しているワイナリー。ヨーロッパ式垣根仕立てを採用、低農薬栽培を実践しています。


遠藤事務局長が5年前、初めて最高栽培・醸造責任者の曽我彰彦さんに会ったとき、あまりに真っ黒な日焼けした顔だったのでびっくりしたそうです。時間さえあれば畑に出ているのが大好きな曽我さん。「愛車はトラクター」とワイナリーのパンフレットにありました。

 


今回いただいたシャルドネは、繊細で複雑で、樽からくるパワフルさとは違った、果実の風味がまろやかで、ちょっとくぐもった印象。曽我さんが何かで、「ブルゴーニュのルフレーヴ女史を尊敬している」と語っていたのを思い出しました。

ご本人は、「まだまだシャルドネは勉強中で、発展途上。もう少し時間がたてば樹も大きくなり、皆様に喜んでいただけるものが造れると思うのですが」と、謙虚でした。

 

 

活伊勢エビの特上スープ炒め煮。

ぷりぷりした歯ごたえの伊勢エビは旬の千葉県産。ネギやショウガの香りがやさしかった一品。

 

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09112607.jpg栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーは、サミットにも登場したワインとして有名になりました。


1950年代、特殊学級の中学生たちが山を開墾し、600本あまりのブドウの苗木を植えたのが始まりでした。やってもやってもやりつくせない自然相手の作業・・・知恵遅れと呼ばれている若者たちが、きょうも急斜面で汗を流しています。

 


日本の赤ワイン用品種といえば、まず思いつくマスカットベリーA。赤い果実のフルーティーな味わいです。

 

  

 

 

09112608.jpg標高700メートル、ブドウ成熟期の9-10月の寒暖差が大きいシャトー・メルシャンの長野県塩尻市桔梗ヶ原地区。国際コンクールの金賞受賞の常連です。

日本の「フィネスとエレガンス」を追求している日本のリーディング・ワイナリー。

 

明るめのきれいなルビー色。熟した果実にコーヒーのニュアンスなどが加わり、果実の力強さと新樽の風味のバランスのよさはさすが、です。

 

「日本ワインの全体的なレベルアップのために、技術データもできる限り公開している。それが、大企業の責任」と、担当者からが力強い言葉が・・・。

 

 

 

お肉は、和牛のアスパラ巻き煎り焼き オリジナルXOソースです。

XOソースはアミの風味にシャープな辛味が加わり単体ではおいしいのですが、個性が強すぎて、ワインの香りや味わいがよくわからなくなりました。XOソースとワインの組み合わせは、ちょっと難しいのではないでしょうか。中華料理に詳しい方、教えてください。

 

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水で口を洗いなおして、

最後の料理、金華ハム煎り卵白チャーハン干し貝柱添え。

 

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デザートは、マンゴープリン。

 

 

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今回この会のために、東京店以外にも、香港や上海、北京のザ・ペニンシュラからシェフが集結。

 

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とってもレベルが上がっている日本ワイン。今後ますます注目ですね。

 

 


 

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2009.08.26

過ぎ行く夏を名残惜しむときの白ワイン

東京では、初秋の風を感じる日が増えてきました。

湿気の多い蒸し暑い日本の夏はあまり得意な私ではありませんが、過ぎ行く夏はちょっと寂しい・・・。


09082601.jpgで、6月に北海道・奥尻島に行ったときに気に入って買った「奥尻ワイン」の白を開けました。


品種はケルナー。

キレのいい酸、グレープフルーツのような柑橘系の爽やかな香りが楽しめました。

ちょっと塩味を感じたのは、やはり海の恵みでしょうか。


 

1993年、200人を超える犠牲者を出した北海道南西沖地震で、奥尻島は最大の被災地。

現在は復興が進み、随分と島も元気になっていました。

 

「奥尻ワイン」は、20ヘクタールほどの畑で育てる奥尻島産のブドウを使用。

「島の新たなブランドに育てよう」と、復興の公共工事を請け負った海老原建設のグループ会社がワイナリー経営に挑んでいます。


10年前に島に自生するヤマブドウの苗木栽培からスタート、2001年にヨーロッパの品種を中心にワイン用ブドウの栽培も開始。昨秋、ワインの製造工場も完成しました。


2007年産ブドウで1万5千本を生産、2008年産ブドウでは5-7万本に増産する予定といいます。


北緯42度10分に位置する奥尻島は、25メートルという透明度の高い海に囲まれた離島。

果実を厳しく鍛える風が島を駆け抜けます。もちろん雪も降りますが、北海道本島と比べればまだまだ温暖。

道産ワインに多いドイツ系品種だけでなく、シャルドネやメルロー、ピノノワールなどフランス系品種が栽培できるのも 島の気候がなせる業なのでしょう。

 


09082602.jpg現地に行ったときは、島の人たちが魚介類のバーベキューでワインを振舞ってくれました。

 

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そう、旅には、メディアパーソナリティの芳村真理さんもご一緒で、場を盛り上げてくださいました。


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そのとき気になったのは、ノースレッドという品種。

広島の農業試験場が交配に成功したもので、セネカとキャンベルアーリーを掛け合わせたものだそうです。糖度が18度前後と高く、寒冷地で育てやすいらしいのです。

もともと食用でしたが、独特のケモノっぽい香りがあり、ワインとしても注目品種! 

「ね、綿菓子みたいなやさしい甘みがあるでしょう」と、醸造責任者の菅川仁さんは言っていました。これから、どんな風に育つのでしょうね。


 
09082606.jpg菅川さんの自信作は、こちらのスペシャル・キュヴェの白。

 

ミューラートラウガウ、シャルドネ、ピノ・グリのブレンドです。柔らかな口当たりです。

 

「赤はまだ試行錯誤」なのだそうです。

 

奥尻島の訪問記は、読売新聞のヨミウリオンラインで連載している「GINZA通信」に詳しく書きましたので、チェックしてみてください。

 

 

「奥尻ワイン」は、7月に開催した私のワイン講座でも人気でした。


このときは、白ワイン尽くしで臨んだのですが、

 

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中でも、好評だったのが・・・

2007ヴィオニエ・サント・フレール(ドメーヌ・ド・トリエンヌ)


 

09082608.jpgドメーヌ・ド・トリエンヌは、以前もご紹介しましたが、

ロマネ・コンティのオベール・ド・ヴィレーヌ氏とデュジャックのジャック・セイス氏という、ブルゴーニュの2人の巨匠が南仏で手がける夢のデイリーワイン。

 

このおいしさで2千円前後は、ほんとにお買い得。

プランタン銀座でも最近人気が急上昇の注目ワインです。


ヴィオニエで造ったこの白は、白い花のような爽やかな印象が残る若々しいワインでした。

過ぎ行く夏を感じるには、いま飲みどきではないかしらん。


それから、カリフォルニアの
2006クロ・デュ・ヴァル クラシック・カネーロス シャルドネ  も好評でした。


09082609.jpg1972年に誕生した「小さな谷の小さなブドウ畑」という意味のワイナリーです。

カリフォルニアなのになんでフランス語名?

それは、フランス・ボルドーにルーツを持つ米国人実業家のジョン・ゴレが「世界最高のワインを造る」ための新天地を求め、ボルドー出身の醸造家ベルナール・ボーテに2年間調査させた結果に見つけ出した土地だったから。フランスと縁があるのですね。


目指すは、「カリフォルニア・ナパヴァレーの傑出した果実味とヨーロッパ伝統のワインメイキング手法の融合」。

 

フランスワインとカリフォルニアワインの熟成後の味わいを競った、有名な「パリ・テイスティング」では、このワイナリー、優勝したこともあるのです。

さて、シャルドネは、トロピカルフルーツの凝縮した果実味があり、濃厚でボリューム感もありました。「ガツンときますね」と、シャルドネ好きの講座の生徒さんの感想です。


 

そして、女性の生徒さんに人気だったのは、


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2007シャスラ ヴァン・ド・ペイ(ウヴァヴァン)=左

2007コレクシオン ピクブル・ド・ピネ(ダニエル・ベシエール)=右


シャスラは、スイス・ヴォー地方、ピクブルは、南フランスのラングドック地方のもの。

軽やかな甘みが女性好みで、「どんな料理とも合わせやすそう」とのことでした。

 

過ぎ行く夏を、ワインとともに楽しみましょう。

 

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2009.05.25

日本のワイン再発見

このところ、日本のワインがとてもおいしくなったという話を聞きます。
そこで、私が主催するワイン講座でも試してみました。白3種類、赤1種類です。

 1.シャトーマルス 甲州穂坂収穫2007
    品種 甲州
   本坊酒造・山梨マルスワイナリー(山梨県笛吹市)
 2.シャトーマルス 甲州白根シュール・リー2007   
   品種 甲州
   本坊酒造・山梨マルスワイナリー
 3.ミュゼ・ドゥ・ヴァン 桔梗ヶ原マスカットベリーA2006    
   品種 マスカットベリーA
   アルプス (長野県塩尻市)
 4.グレイスケルナー2008 レイトハーヴェスト
   品種 ケルナー
   中央葡萄酒 (山梨県甲州市)

 

これが、どれもなかなか好評でした。

中でも、女性の生徒さんたちに評判がよかったのが、4番目のグレイスケルナーの甘口タイプ、レイトハーベストでした。


 

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レイトハーベストとは、遅摘みのことで、ドイツのアウスレーゼのように過熟したブドウを使った甘口です。
ケルナーは、ドイツで人気の品種で、赤のトロリンガーにリースリングを掛け合わせたもの。栽培地は北海道余市町。暖流の影響、日照時間の多さなど、北海道内でも恵まれた条件を備えた地域です。

まずグラスに注いでまもなく、ふんわりと広がりのある熟れた果実の香りに圧倒されます。味わいは、芳醇な果実味とともにミネラルが凝縮されていて、十分な甘みの中に引き締まった酸味も感じられます。ほんのり上品な貴腐香も・・。
「チーズケーキなどのデザートと合わせてもおいしくいただけそう」と、女性陣の感想は一致しました。

 

 

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1番目と2番目は、日本を代表する固有品種の甲州種です。栽培の歴史は古く、修行僧行基の時代、今から1300年ほどさかのぼる説もあります。1番目の栽培地は山梨県韮崎市の穂坂地区。フランス産のオーク樽で熟成されており、ふくらみのある味わい。


2番目の栽培地は、同じ山梨県でも甲府盆地の西の白根地区。「シュール・リー」とは、フランスのロワール地方のミュスカデで用いられる製造法で、発酵が終わった後、酵母菌などから成る澱(おり)をすぐには取り除かないで、しばらくの間タンクの中でワインと接触させる方法。清涼感のある酸味に独特のコクが加わります。微発泡がみられました。


3番目の赤は、先日長野に旅行した時に購入しました。マスカット・ベリーAは、明治時代に開発された日本固有の交配種。ジャムのようなやさしい甘みに滑らかなタンニンが合わさり、なかなか複雑な味わいです。和食とも相性のよさそうな赤ワインでした。

 

4種類とも千円台という買いやすさ。白ワインに関しては、プランタン銀座のワイン売場でも取り扱っています。

 

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)