プランタン銀座でも好評だった「イタリアワイン周遊フェア」。
その中から6本を選んで、私のワイン講座でも生徒さんにご紹介してみました。
ワインリストは次の通りです。
品種とアルコール度数、生産者についても記してみました。
左から、
2006 マクリーナ ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ
DOC クラシコ・スペリオーレ
品種 ヴェルディッキオ100% 13.0%
ガロフォリ社(マルケ州)
2006 ルナータ ファランギーナ IGT
品種 ファランギーナ85% グレコ15% 12.0%
ムスティッリ社(カンパーニャ州)
2005 ヴァンナ ドルチェット・ダルバ DOC
品種 ドルチェット100% 12.5%
ヴァンナ・アンセルマ(ピエモンテ州)
2007 カザマッタ・ロッソ
品種 サンジョヴェーゼ100% 12.5%
カンティーナ・マッタ(トスカーナ州)
2006 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC
品種 モンテプルチアーノ100% 13.0%
マッシャレリ(アブルッツォ州)
2006 デュカ・ディ・マンダス モニカ・ディ・サルディーニヤ DOC
品種 モニカ90%、パスカーレ、カリニャーノ 13.0%
カンティーナ・トレセンタ(サルディーニヤ州)
白2種類と赤が4種類です。
生徒さんには、「どれが好みですか?」とお聞きするのですが、
白2種類は、ちょうど半々くらい。好みが分かれました。
ガロフォリ社は、1871年創業。トスカーナ州の東側、アドリア海に面したマルケ州の真ん中あたり、モンテカロット地区に畑があります。
この地方生まれの土着品種を使って素晴らしいDOCワインを造ることに尽力しているファミリー。白はヴェルディッキオ種、赤はモンテプルチアーノ種が中心。
名前のイェージは、古代ローマ時代から続く古い街です。
フレッシュな柑橘系の香りが広がります。まったく嫌味がなく、さわやか。「夏はぎんぎんに冷やして、ぐびぐび飲めそう!」と、頼もしいコメントをいただきました。
ファランギーナ種は、私のかなり好きな品種です。
ムスティッリ社というのは、マストロベラルディーノ、フェウディ・ディ・サングリゴリオと並ぶ、ナポリのあるカンパーニャ州の3大ファミリーメーカーの一つ。創業は16世紀初頭にさかのぼる老舗です。
特に、この土着品種を掘り起こし、単一品種で醸造したのはムスティッリが初めてとか。
醸造コンサルタントを務めるのは、キャンティの名門ルッフィーノのマオロ・オルソーニ氏。これも土着品種のグレコ種がブレンドされているタイプです。
酸のきれもよく、あと味にちょっとグレープフルーツの皮をかんだ時のような柔らかな苦味が残り、余韻を楽しめます。魚介類のカルパッチョやパスタなんかと合いそうです。
さて、赤4種類もそれぞれに美味しかったのですが・・・
票が集まったのは、モニカとカザマッタでした。
サルディーニヤ州は、住民の独立心が強いことでも知られていますが、興味深い品種がたくさんあります。
白のヴェルメンティーノ、マンゾーニ・ビアンコ、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、赤のカンノナウ、カリニャーン、パスカーレ、そして、今回のモニカなどがあります。
プラム、ドライフルーツの果実味が豊かですが、酸は穏やかでどこまでも優しい印象。「ところを選ばず、飲みやすい!」との声が上がりました。
カザマッタは、人気コミック「神の雫」ですっかり有名になったワインです。
上級クラスのテスタマッタ(世界最大のワイン見本市2003年に、赤ワイン部門トップ受賞)にはちょっと手が出ないという人に、「僕のワインを少しでも知ってもらいたい」と、生産者のビービー・グラーツ氏がコストパフォーマンスを考えて造ったワイン。
新樽にブドウがを直接入れて発酵させる彼の手法は、いま、ボルドーでも話題になっているようです。
いきいきとした果実味、凝縮感もあり、酸とタンニンのバランスもいい。
2000円でお釣りがくるのだから、日常飲み用として重宝しそうです。