6月のわが「誕生日月間(?)」に開けようと思って用意していたボルドー・グランヴァンの誕生年ヴィンテージを、とうとういただきました!
シャトーマルゴー 1956
そう、あの小説「失楽園」ですっかり有名になってしまったワインです。
お願いしたのは、私のお気に入りのフレンチレストラン、東京・白金の「シェ・トモ」で。
市川知志シェフの料理は、西麻布の「レストランW」時代から大好きでした。
まだバブルの泡が消えていない時代、キャビア・ナイトを懐かしく思い出します。
市川シェフは、エコールプランタンでも料理レッスンをお願いしたことがあり、男前の風貌に女性ファンも多いのです。
入手してから、かれこれ10年たつでしょうか。
最初は「人生半世紀」を記念してと思っていたのですが、それから、1年、2年・・・。
今年は、食事する3日前くらいにお店にワインを届けて、ソムリエの大芦一人さんが、静かに状態を整えてくれたんです。
2回の引越しをはさみ、ワインの保存状態にいささか不安があったのですが、大芦さんの「いいですよ」の一声にホッと安心。
抜栓はもちろん完璧!
デカンタ後、グラスに注がれた落ち着いたレンガ色の色調、バニラや木、熟したイチジクなど、複雑でエレガントな香り。
マルゴーはどちらかというと、「やさしく女性的」と評されることが多いのですが、グラスに注がれた液体には、エネルギーがみなぎっていて、活力を感じました。
その印象は、最後のチーズをいただく時まで変わりませんでした。
実は、1956年というのは、どのヴィンテージ・チャートを見ても、不作の年。ブルゴーニュなど、話にならないということか、点数さえついていないチャートもあるんです。
でもでも、今回のマルゴーは◎。
まろやかに熟成しながらも力強さの残る「同い年」のワインに、背筋がピンと伸びました。
料理はまず、豚のリエットにタプナードでおいしいバゲットをいただき、お得意定番の「ウニの貴婦人風」。
前菜はブータンノワール、続いて、季節の有機野菜30種盛り(カボチャとズッキーニのあいのこのようなコリンキィが珍しかったです)。
季節のポタージュのあと、イタリア・ロンバルディア産の仔豚ちゃん。
きょうは、チーズもしっかりいただきました。木炭粉をまぶしたサント・モール・ド・トゥーレーヌは甘いコンフィチュールが組み合わされて、デザート感覚で。
大好きなショコラのケーキ。やさしい音色のオルゴールの「ハッピーバースデー」に、ステキなひとときを過ごせました。
皆さんも、誕生年のヴィンテージワイン、チェックしてみてはいかがでしょう。