2009.11.07

美味しいカリフォルニア その2~メンドシーノ「マッカラム・ハウス・イン」

北カリフォルニアのワインカントリー最北端に位置するメンドシーノ郡。ニューイングランド地方の移民によって建設されたこの街は、古きよき時代のアメリカの空気が残っています。

 

メンドシーノの話題は、11月6日付けのヨミウリオンライン「GINZA通信」でも、詳しく取り上げていますので、合わせて読んでみてくださいね。

中心街にほど近い、ヴィクトリア調の建物「マッカラム・ハウス・イン」には、北カリフォルニアのオーガニックな地消地産にこだわった話題のレストランがあります。

 

09110601.jpg

 

エグゼクティブ・シェフのアラン・カンター氏は、カリフォルニアのセレブリティにも大人気。

もちろんワインは、メンドシーノをはじめ、ナパやソノマ産。

レストランの内装は白が基調で、肩の凝らない雰囲気です。

デザートを入れて5品目が並ぶ「テイスティング・メニュー」は、それぞれにセレクトされたワインが付いて、135ドル。 

09110602.jpg

最初のお皿は、セサミシードをまぶしてさっとあぶった、レアなイエローテール。
アメリカではおなじみの魚です。ハマチと思わされているようですが、高級魚のヒラマサです。日本でいただくよりも脂ののりが少なめな感じはしますけど。sushi riceに海草サラダ、ポン酢ソースとワサビ・アイオリ(ニンニクが利いたアイオリーソースにワサビでアクセント)を添えて。日本の食材を意識してますねえ。

09110603.jpg

0911060301.jpg アペリティフから飲み始めていたのは、

NVロデレール・エスエート ブリュット(アンダーソン・ヴァレー)

「フレンチランドリー」の項でもご紹介しましたが、フランスのルイ・ロデレール社がカリフォルニアで初めて造ったスパークリングワインです。

自社畑のブドウを使用。ピノノワール30%、シャルドネ70%。

3年ほどオーク樽で熟成されたリザーヴワインをブレンド。

明るいゴールドで、洋ナシのようなフレッシュさを残しながらも、ナッツやスパイスの香りに包まれてエレガント

 

2皿目は、コマンチェ・クリーク産昔ながらのトマトを使ったBLT。

ホームメイドのモツァレラチーズ、リンゴの木でスモークしたベーコン、バターレタスの大好きな黄金トリプル・コンビネーション。オリーブ油とバルサミコでアクセント。

09110604.jpg

0911060401.jpg ワインは、
2006メアリー・エルク シャルドネ(アンダーソン・ヴァレー)

少量生産で一般的に入手が難しいエルク・ファミリーのシャルドネです。

ピノノワールが有名で、東海岸にもファンが多いそう。

 

オーク樽を使っていないので、果実のフレッシュさとしゃきっとした酸味が伝わってきます。

 

 

 

3皿目は、リバティ・ファームの鴨のコンフィ。
ウォルナッツ入りの焼いたパン・プディングを添えたアメリカ的な料理。

メンドシーノ産ブラックベリーを赤ワイン(シラー)で煮たソースがベストマッチでした。

09110605.jpg

そうなるとワインは、
2007スパイスラック「パンチダウン」シラー (ソノマ・コースト)

深いルビー色で、カシスや黒コショウ、ローズマリーの香りが広がります。タンニンも柔らかで、エレガントなスタイルでした。

 

 

 

 

 

 

マンゴのソルベでお口直しをして、

4皿目はメインディッシュで、ニーマン・ランチのフィレ・ミニヨン・グリル。

ホースラディッシュを加えたフレッシュクリーム入りのマッシュポテト、チェリーとブラック2種類のペッパー入りのバター、赤ワイン(カベルネ)を加えたデミグラソースで。
 

09110606.jpg  

0911060601.jpg ワインは、
2003シャトー・モンテリーナ エステート・カベルネソーヴィニヨン (ナパ・ヴァレー)

カリフォルニアワインがボルドーを差し置いて高い評価を独占、ワイン史に残る事件として刻まれている1976年の米仏ブラインド対決「パリ・テイスティング」。その対決でも主役を演じたのが、このシャトーです。この時は、1973年のシャルドネがトップに。

設立は1882年とふるいのですが、禁酒法時代に長らく放置され、蘇ったのは、弁護士のジェームズ・パレット氏が買い取った1970年代以降です。

エステート・カベルネは、同社の最高峰カベルネ。果実味もリッチでボリューム感たっぷり。あと10年は熟成させたい、印象でした。

 

さて、デザート。チョコレート尽くしです。
ビタースイートチョコのbudino(イタリアンプディング)には、カラメル味のピーカンナーツ、そしてホイップクリームも。チョコレートプラリネのアイスクリーム、それに、トリュフ。

 

09110607.jpg  

 

0911060701.png ワインは、
2006ブルトカオ ポート(メンドシーノ)
ジンファンデルを使ったポートワイン。熟したプラム、そしてチョコレートのカカオ風味がいきいき。

 

 

 

 

 

 

 

このレストラン、朝食もとても美味しかったです。

エッグベネディクトの一皿。テラスからは太平洋を見渡せるし、窓から差し込む陽光もほどよくあったか。

09110608.jpg        

庭の向こうには離れもあります。
 

09110609.jpg       

食後の散歩をしながら、いつのまにか花の写真をたくさん撮っていました。

カリフォルニアを訪ねる機会があれば、ぜひメンドシーノまで足を伸ばしてみることをおすすめします。

のんびりゆったり、時の流れに身を任せるとはこういうことか・・・って、再発見がありますよ。

 

09110610.jpg 09110611.jpg 

 

  09110612.jpg 09110613.jpg  

 

09110614.jpg 09110615.jpg

Trackback(0) | Comment(0)

トラックバック(0)

このページのトラックバックURL
http://www.nagamine-yoshimi.com/mt/mt-tb.cgi/560

コメント(0)

新規にコメントを投稿する
※当ブログに投稿いただいたコメントは、表示前に管理者の承認が必要になります。投稿後、承認されるまではコメントは表示されませんのでご了承下さい。
<コメント投稿用フォーム>
(スタイル用のHTMLタグを使えます)
ニックネーム
メールアドレス
URL
  上記の内容を保存しますか?
コメント内容
 

永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)