10月9日付けのブログに、「無類のダリオッシュ好き」というカタヤマ様から、素敵な情報がコメント欄に寄せられました。
初来日されたダン代表を迎えての他のイベントが報告されていますので、気になる方はぜひ10月9日付けのコメント欄もチェックしてくださいね。
というわけで、「ダリオッシュ」の話題をもう一つご紹介しておきましょう。
9月の初め、北カリフォルニア・ナパのシルヴァラードにあるダリオッシュのゲストセンターを訪ねたときのことです。
センターのオペレーション・マネジャーのライアンさんとグローバルセールス担当のドーンさんがまず案内してくれたのは、映画「サイドウェイズ」で、ワインアドバイザーとして活躍する鈴木京香が、顧客から結婚パーティーのワインセレクションを任され、やって来たセラーのある場所。
とっても落ち着いた雰囲気。
美しく並べられた様々なワインに、ただただ感動、です。
樽を寝かせているセラーも、とってもゴージャス。
隅々まで手入れが行き届いていて、その場に立つだけで、清清しい気持ちにさせてくれます。
「ダリオッシュ」のテイスティングルームには、いくつかのタイプがありました。(すべて有料。詳細はダリオッシュのWEBサイトの「unique experiences」で)
まず、ゲストセンター1階正面に広がるカウンター。
それから、少人数のグループでプライベートルームを予約するタイプ。
そして、私が体験したのは・・・
「The Quintessential Wine Experience」という、まさにダリオッシュの真髄を楽しむものでした。
ダリオッシュの素敵なコレクションに囲まれた部屋で、
ボルドースタイルの料理を得意とするシェフ、ケン・フランクさんのメニューでマリアージュ を味わいました。
オーナーのダリオッシュ氏については先のブログでもご紹介しましたが、ボルドー好きで、素晴らしいコレクターとしても知られています。
そこで、テーマは、「ボルドーとダリウスⅡ」です。
今回テイスティングしたのは、右から、
2006 ダリウスⅡ
2006 シグネチャー カベルネソーヴィニヨン
1988 シャトー・オー・ブリヨン
ダリオッシュの珠玉の1品、「ダリウスⅡ」2006年は、
カベルネソーヴィニヨン95%、メルロ5%のブレンド。タランソー製フレンチオークの新樽100%で20か月熟成しています。
ダリオッシュの所有畑の中でも、古樹が残る2エーカー足らずの区画から手摘み、2度の選果で厳しくセレクトしたブドウのみを使用して造られます。わずか18樽しかリリースされていません。エチケットは伝統的なペルシャの文様で、どこかエキゾチック。
ブラックベリー、リコリス、濃厚なエスプレッソ、エキゾチックなハーブや土のニュアンス・・・。新樽率100%なので、甘いヴァニラの香りも心地よくて。そして、滑らかなタンニンが舌の上を転がります。
「シグネチャー カベルネソーヴィニヨン」2006年は、前にもご紹介しましたが、最初はよく熟れたブルーベリーなど果実味の印象が前面に出てくるのですが、味わいはまろやかでエレガント、シナモンやナツメグのスパイシーさがアクセントに。
さて、ダリオッシュ氏のプライベートセレクションから今回サービスされたのは、ボルドーのグラン・ヴァン、1988年の「オー・ブリヨン」。ジョン・ロックやトーマス・ジェファーソンも愛した伝統のグラン・ヴァンです。
それにしても、テイスティングに「オー・ブリヨン」とは、あまりにも太っ腹??
「ワイン・コレクターには2つのタイプがある。利殖のためという人と、分かち合うためという人と。私は後者のタイプ。素晴らしい友人と美しいボトルを開けて楽しい時間を過ごすことほどの喜びはない」というのが、ダリオッシュ氏の持論のようです。
とってもパワフルで、ミントやベリーの複雑な香り、そして洗練されたタンニンの味わいも。言うことありません・・・。
さて、こうして比べると、「ダリウスⅡ」を寝かせて、10年後、20年後がほんと楽しみになってきます。
そうそう、合わせた一口サイズのお料理は
上から順に、
ブリオッッシュに載せた鴨とフォアグラのリエット
カルダモン風味のかりかりバナナ・チップスに載せた鴨胸肉、イチジクの赤ワイン・コンポート添え
ライ麦パンに載せたオーストラリア牛のたたき アイオリソースで味付けたトランペット茸とケネベック・ポテトの賽の目切りを飾って
私にとって、忘れられないテイスティングルーム体験になりそうです。
ちなみに、私は記念にと思い、奮発して2005年の「ダリウスⅡ」をプランタン銀座で購入しました。税抜き価格で35000円。ホームセラーで大事に寝かせてみます。