前回に続いて、ジャン・ヴェッセルのメーカーズディナーのお話です。
ディナーで供された4番目は、「ブリュット ウィユ・ド・ペルドリ」。
彼らの真骨頂ともいえるシャンパーニュです。
私は半年ほどこの泡に魅せられて、とうとう箱買いしてしまったほどの熱烈ファンです。
「ウィユ・ド・ペルドリ」とは、ヤマウズラの目の意味。ほんのりとピンクがかったロゼ色です。ヤマウズラは、こんなに美しい色の目をしているんですね。
黒ブドウのピノノワールを100%使ったブラン・ド・ノワールで、白ワインと赤ワインをブレンドして作るロゼ・シャンパーニュとは異なります。
現オーナーのデルフィーヌさんによれば、ピノノワールの果実の色と味わいを生かしたシンプルな作り方は、100年以上前から同家に伝えられていたものとか。先代の父親が復活を試みたものの、一時は市場の支持が得られず途絶えた時期もあったらしいのです。
あえてフランスを飛び出し海外で修行を積んだデルフィーヌさんは、この伝統の手法と味を見直し、改めてブランドの再生を果たしたというわけです。
繊細な口当たりで、ローストしたリンゴ、カシス、サクランボなどの熟成した果実の香りと味わいが楽しめました。酸味はまろやかで、蜜の濃厚さも感じられ、広がりのあるシャンパーニュ。
仔牛フィレ肉のローストを合わせましたが、中華でも和食でも、どんな料理にも合いそうです。デルフィーヌさんからは、「食事のコースで、ブルゴーニュのワインからボルドーに移るとき、その間に挟んで気分を切り替えるのにもいいですよ」と、アドバイスをいただきました。
さて、最後の5番目のワイン「ドゥミ・セック ロゼ フリアンディーズ」は、ヴェッセルが新たに取り組んだ甘口ロゼです。デザートの赤い果実のサヴァランといただきました。
ロゼ作りは、デルフィーヌさんが学生時代にさかのぼります。
大学卒業間近のデルフィーヌさんが休みで実家のメゾンを訪れた時、先代のもとに日本のインポーターが来ていて、英仏語通訳をかってでました。
そこから日本とのビジネスが始まったそうで、日本人がロゼ・シャンパーニュを好むとの情報から、いろいろ研究し、4年前に甘口ロゼを完成させました。
ピノノワールを用いて赤ワインと同様の工程で作られるので、赤みが強く、味わいには渋みやスパイシーさも感じられます。
ラズベリーのようなやさしい甘さが特徴で、ホイップクリームのデザートとよく合いますし、フォア・グラなどとも相性よさそうですね。
ちなみに、プランタン銀座で現在取り扱いがあるのは、「エクストラ・ブリュット」「ブリュット・ロゼ」「ウィユ・ド・ペルドリ」の3種類。
お値段は、4千円台で、コストパフォーマンス抜群です。店頭では、時々スペシャルセールで、3千円台で買えることもあるんですよ!
まずは、オンラインショッピングで、試してみるのもおすすめです。