ジャパニーズSAKEアーカイブ

2009.12.16

久しぶりの西麻布「ラ・ボンバンス」

数か月ぶりに、お気に入りの西麻布「ラ・ボンバンス」に行きました。


シェフの岡元信さんとは、開店以来のお付き合い。

プランタン銀座のエコールプランタンでも定期料理講座を開いていただいています。読売新聞土曜夕刊の料理ページも好評のようです。

料亭「福田屋」で修業した岡元さんの料理は日本の素材を十二分に生かした新日本料理とでもいうのでしょうか。ミシュランで星を獲得してから、なかなか予約が取れなくなって、ご無沙汰していたのでした。

 


今回は、ブルゴーニュの白を持ち込ませていただきました。


 

09121601.jpg2006ピュリニー=モンラッシェ プルミエ・クリュ ル・カイユレ(ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドール)


 

19世紀には当時のロマネ・コンティのオーナーが所有していたことでも知られる名門ドメーヌ。

1960年代半ば、名醸造家ジェラール・ポテル氏が受け継ぎ、97年から実業家のパトリック・ランダンジェ氏が新オーナーに。設備を一新し、化学肥料の類を一切使用しない栽培法で改革、深みのあるワイン作りに成功しています。コートドールの中で、畑の区画の取得にも積極的なようです。


プス・ドールといえば、本拠地のヴォルネイ村のモノポール(独占所有畑)が有名ですが、モンラッシェの畑に接している「カイユレ」を手に入れ、2004年からリリースしているピュリニーもなかなかです。


トロピカルフルーツのような果実味にあふれ、白い花や新樽のトースト香もあって華やか。ミネラルもしっかり、引き締まった酸も感じられるのですが、全体的にしなやかでエレガントな世界観にまとめているように感じられました。

 


さて、お料理は・・・

(お品書きにはシェフの駄じゃれ(?)も入っています!)

 

09121602.jpg京都加茂茄子と巻き湯葉 ずわい蟹とキノコの餡かけ

 

 

 

09121603.jpgいくらのお浸し、牛ロースの焼きおにぎり、カワハギの寿司とネギフリット、あぶった白子

 

 

09121604.jpgふぉあぐらチーズ勝Let's トリュフソース リーフbaby

トリュフを一枚一枚はがしていくと、ふぉあぐらカツが顔を出します!

 


09121605.jpgタイガー (トラフグ?のたたきなど)

 

 

09121606.jpg地鶏の炭火焼 マロンゾーラ(マロンとゴルゴンゾーラチーズの組み合わせ) 自家製からすみ最強焼き

 

 

09121607.jpgクエの鍋 豆腐、水菜と焼きネギ、そしてアゲ↑海老芋

 

 

 

09121608.jpg旬野菜の一皿

 

 

09121609.jpg29雑炊 (肉ではなくフグでした!) 

 

 

 

09121610.jpgそして、定番の白いコーヒーゼリー


こちらでは、岡元さんの指南で、日本酒もよくいただきます。

 

09121611.jpg御湖鶴 山田錦 純米酒(長野県・菱友醸造)


諏訪の新星といわれるお酒。兵庫県産の山田錦を65%まで磨き上げた純米酒。

 

大正7年創業の蔵元を、6年前から杜氏で現社長の近藤昭等氏が引き継ぎ、再生しました。

黒曜石の産地、和田峠の天然水を仕込み水として使い、キレのよいさわやかな酸が感じられます。蔵元からのメッセージには、「透明感のある酸味がテーマ」とありました。

新鮮な魚料理と相性がよさそうです。

 

 

 

09121612.jpg開運 吟醸酒(静岡県・土井酒造場)

「開運」の名にひかれていただきました。

能登流杜氏、波瀬正吉氏の技が生きたお酒です。こちらは山田錦を50%まで磨き、長期低温醗酵でじっくり醸された香りが特徴。

果実香がパワフルで、男性的な辛口の印象でした。

 

 

最近の日本酒、特に吟醸酒は、本当にきれいに仕上がっていて、ついつい飲みすぎてしまいます・・・ 

この記事のURL | Trackback(0) | Comment(0)

2009.10.14

江戸料理の「なべ家」で初秋の味覚

ヨミウリオンラインで連載している「GINZA通信」の取材を兼ねて、先日、東京・大塚の「なべ家」さんに、初秋の味覚を味わいに出掛けました。

 

10月2日付けの「GINZA通信」では、銀座8丁目にある江戸スローフードのセレクトショップ「銀座・三河屋」の話題をご紹介しましたが、

ここで扱う江戸食の料理監修をなさっているのが、「なべ家」のご主人、福田浩さんなんです。

 

福田さんは、古い料理書の研究や江戸料理の再現者としても有名な方。

銀座三河屋本店の神谷修社長が、江戸食の店に挑戦するきっかけになったのも、福田さんがまとめた「江戸料理百選」がきっかけだったそうです。

 

さて、初秋の味覚は、松茸・落ち鮎・秋鯖のデラックスなコース。


09100201.jpgまずは、名物の玉子焼き。

酒だしで甘辛~く焼き込んだ江戸の味です。


 

   

 

 

旬の素材で白和え、

そして、今日は日本酒をいただきましょう。

宇都宮酒造の「四季桜 秋」を冷酒で。まろやかな芳香が秋の気配を運んでくれます。

 

09100202.jpg 09100203.jpg

 

 

09100204.jpg大根をからっと素揚げして大根おろしでいただきます。

なかなか見かけない一品。

 

 

 

 

 

 

09100205.jpg江戸っ子が昔から大好きだった豆腐とナメコのお吸い物。

「豆腐百珍」は、江戸・天明期にベストセラーになりました。

 

 

 

 


09100206.jpg旬まっさかりの松輪の鯖を和がらしで。

三浦半島の南端、剱崎灯台の袂にあるのが松輪地区。

江戸料理には欠かせません。

大根おろしにアサツキ、ミョウガ。

薬味が脂ののった秋鯖の味をさらにおいしく演出してくれます。

 

 

 

09100207.jpg 焼き松茸(岩手産)が登場。

 

 

 

 

 

 

09100208.jpgそばは、池波正太郎も愛した神田「まつや」から。

辛味大根がアクセントに。


 

 

 

 

 

09100209.jpg落ち鮎の煮びたしは、頭からかぶりつきます。

あふれんばかりの卵を味わいます。


 

 

 

 

 

09100210.jpg

またまた、松茸がご飯と一緒に登場。

 

 

 

 

 

 

 

 
09100211.jpg 09100212.jpg 

 

レディスフィンガーというブドウとおろしたナシの組み合わせ。


最後は、これも人気の江戸のデザート、玲瓏(こうり)とうふ。

黒蜜でいただきましたが、練り辛子と酢醤油でも。

このデザートの説明は「GINZA通信」をご参照ください。

 

からだにやさしく、季節の旬にこだわった江戸のスローフード。

ちょっと江戸にタイムスリップして、初秋を楽しむのも粋なものではないでしょうか。

この記事のURL | Trackback(0) | Comment(0)

永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)