イタリアアーカイブ

2012.08.18

南イタリアの旅から(1)~シチリア・パレルモ

この夏、シチリア島を中心に南イタリアを旅しました。
旅の日記は、ヨミウリオンラインに連載しています。
 ↓
http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120720-OYT8T00697.htm

 

ここでは、その旅のワインや料理を中心にまとめておきます。
 

まずは、2日目のシチリア島・パレルモから。
旧市街のバッラロ市場は、まさに下町の活気あふれる市場でした。
 フレッシュな野菜、
 特産のカジキマグロ、

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ペコリーノにカッチョカヴァッロ、塩蔵のリコッタなどのチーズ・・・。

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ノルマン王宮からほど近いところ、ランチに寄ったバールでは、

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シチリア名物のアランチーナという揚げたおにぎり、ライスコロッケをいただきました。

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定番のチーズとハムの組み合わせ。ボリュームがあって、1個でお腹がいっぱいになります。ほかに、バジルソースやミートソースなど、中身はいろいろ。米を使った料理はシチリアにはいろいろありますが、アラブ人が持ち込んで食材です。

バールには、クスクスや、アーモンド生地(パスタ・レアーレ)で果物を模したマルトラーナも並んでいました。

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 この日のディナーは、やはり旧市街の'a cuccagna。

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 入り口を入ると、オリーブなどの前菜や新鮮な魚が迎えてくれます。

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 ミニチュアの人形もどこか趣がありますね。

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ワインは、シチリアの定番! ドンナ・フガータ(Donna Fugata)を。


 

白は、Darmarino 2011


シチリア土着品種のアンソニカ、カタラットを中心に、グレカニコとシャルドネをブレンド。レモンやオレンジの柑橘系の味わいに、カモミールのようなフローラルな香りも加わって、海風を感じさせる爽やかさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


12062416.JPG赤は、Sherazade 2010


ネロ・ダヴォラ。ブラックカラントやサワーチェリー、ミネラル感もあり、バルサミコなど凝縮された香りのニュアンスも。

 

 


生産者のジャコモ・ラロー氏は、150年以上の歴史あるマルサラ造りの家に生まれ、それを基盤に近代的なワイン醸造を発展させています。シチリアでは注目の生産者の一つ。
 「ドンナ・フガータ」は、「逃げた女性」という意味。18世紀末、ナポレオン戦争が始まり、ナポリを支配していたスペイン・ブルボン王朝のフェルナンデス4世の王妃マリア・カロリーナが、同社のブドウ畑に逃げてきたことから名付けられたのだとか。
 シチリア原産の品種、アンソニカやネロ・ダヴォラ、ジビッポなどにこだわりをもって造っているようです。印象的なエチケットは、米国人デザイナーが担当。世界中にコレクターがいるというのもうなづけます。

 


料理は、前菜に、パネッレというひよこ豆(エジプト豆)の粉でつくった平たい油揚げにカッチョカヴァッロのグリル。

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ほかに、魚介サラダ、牛肉ハムのブレザオラ、ムール貝の蒸し煮など。
パスタは、ナスとバジリコ入りトマトソースにリコッタチーズをたっぷりかけたペンネ・アッラ・ノルマ。それに、やはり一度は試したいイカスミのパスタ。

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魚のグリルは本当に種類が豊富。

メカジキのグリルもレモンを添えて、シチリアの定番中の定番。

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デザートに、セミフレッドという冷菓を。新鮮なリコッタで造ったクリームにアーモンド粉がミックスされ、ソフトな食感が楽しめました。

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2011.04.30

アンジェリーナで久しぶりのワイン講座

3か月に1回開催している、プランタン銀座本館2階「サロン・ド・テ アンジェリーナ」でのワインと料理のマリアージュを楽しむワイン講座。

3月は計画停電の影響で、営業時間を短縮していたので、開催を見送りましたが、4月、希望者が10人集まり、営業時間も通常に戻ったので、再開することにしました。


テーマは、「春のうららかな空気を楽しみながら・・・」にしました。心落ち着かない日々が続いていますが、ちょっとリラックスして元気になりましょうよ、という企画です。今回は初参加の方が3人いらっしゃいました。

 

ワインリストは次の通りです。


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2002 カドリーユ・クレマン・ド・ロワール ブリュット(ラングロワ・シャトー)
IGP ペイドック・トゥールーズ・ロゼ(ドメーヌ・ピッチニーニ)
2008 ブルゴーニュ・アリゴテ(ドメーヌ・ピエール・モレ)
2008 メルキュレイ・ラ・フランボワジエール(ドメーヌ・フェヴレイ)
2008 DOCボルゲリ ポッジォ・アル・ジネプリ(テヌータ・アルジェンティエーラ)

 

すべてのワインは、プランタン銀座地下2階のワイン売場でそろえました。

 


2011042102.JPG最初の泡は、ロワールの名門、ラングロワ・シャトーのヴァン・ムスー。現在、シャンパーニュのグランメゾン、ボランジェの傘下にある名醸蔵で、評価も高い!

 
「カドリーユ」とは、ロワール地方のソミュール地区にある陸軍乗馬学校主催の競技会の名前だそう。

 

収獲はすべて手摘み。シャンパーニュと同じ製法で造られ、4年間じっくり寝かせています。深い黄金色で、きめの細かな泡が繊細。ハチミツ、バタートースト、クレームブリュレ・・・。厚みのある味わいが魅力的でした。シュナンブラン50%、シャルドネ30%、カベルネフラン15%、カベルネソーヴィニヨン5%のブレンド。

 

 


合わせた料理は、プロシュートのオマールエビとカニの詰め物、プチサラダ添え。


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2011042104.JPG2番目は、春の季節に味わいたい色も華やかなロゼワイン。地中海沿岸・ラングドック地方の西、60キロほど内陸に入ったミネルヴォワの造り手です。

 

設立は1990年と比較的新しいのですが、シラーを使ったスパイシーで引き締まった味わいで人気上昇中のドメーヌ。


エチケットがショッキングピンクで、かわいらしいのも特徴です。

このロゼも、グルナッシュとシラーが主体。果実味が豊かで、スパイシーなニュアンスが楽しめました。

 

 

 


料理は、赤ピーマンのムース・ペルノー酒のジュレとウニ添え、桜のクリームチーズのパン詰め、タイの赤飯詰め・笹葉蒸しの3点盛り。


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2011042107.JPG3番目のアリゴテは、造り手に注目です。

 

ムルソーの名門、コント・ラフォンは、長年、メタヤージュといって、別の栽培家に畑を貸し、収穫したブドウを分け合ってワインを造っていました。その畑の多くを1980年代後半まで栽培していたのが、このピエール・モレ氏でした。最高峰モンラッシェを含む4ヘクタールの畑です。造り出されるワインの評判も高く、その腕をかって醸造長として迎えたのがドメーヌ・ルフレーヴでした(2007年まで)。

 


モレ氏が自らの畑で造るビオデナミ100%。酸味が先行しがちなアリゴテも、彼の手にかかると、こんなにも洗練され、豊かなミネラルと樽の香りと溶け合ってクリーンでエレガントな味わいになるのかと、ちょっと驚きでした。

 

料理は、ツブ貝のブルゴーニュ風、子海老のパスタ巻きとともに。

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2011042109.JPG 4番目は、ジョセフ・フェヴレイのコート・シャロネーズ地区のモノポール(単独畑)です。

 

老舗ドメーヌのクラシックなスタイルは、ピノノワールの繊細さを生かしつつ、熟成のポテンシャルを感じさせる安定感があります。

 

 

 

 

 

 

 

料理は、ウナギとタケノコのデュエット、フォアグラ添え。ウナギには赤ワインが合いますね。

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2011042111.JPG 5番目は、イタリア・トスカーナの赤を選びました。

 

トスカーナのボルゲリといえば、サッシカイアやオルネッライア? それと並んで、最近大注目がこのテヌータ・アルジェンティエーラです。


アンティノリが資本参加し、また、ボルドー・サンテミリオンのシンデレラワイン、ラ・モンドットで知られるステファノ・ドゥルノンクール氏もアドバイザーとして参加しています。

 

穏やかな果実味とやわらかな酸、こなれたタンニン、そして樽のニュアンスもバランスよく感じられ、スパイシーな肉料理が恋しくなりました。

 

 


合わせた料理は、仔牛のタラの芽・アンチョビ詰め焼き、カレーの香りを添えた古根(ショウガ)ソースで。

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デザートには、ハーフグレープフルーツとハチミツのパフェ。

 

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今回、参加した皆さんの一番人気は、最初の泡、カドリーユ クレマン・ド・ロワール。それから、ドメーヌ・ピエール・モレのアリゴテ、最後のボルゲリも評価が高かったです。
 

 

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2010.12.13

ロゼワイン尽くし~12月15日には試飲会も

クリスマス会の前哨戦(?)として、私のワイン講座では、先日、プランタン銀座の「サロン・ド・テ アンジェリーナ」で、ロゼワイン尽くしの会を開きました。


ロゼワインだけで、前菜からデザートまで通すのって、なかなか珍しいですよね。

果実の爽やかな味わい、華麗な香りの広がり、そして食事との相性の良さで、ロゼワインにはまっている私のスペシャル企画でした。


揃えたロゼワインは7種類。

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左から、

ラングロワ・シャトー クレマン・ド・ロワール ブリュットロゼ NV
ヴァンジーニ ピノネロ スプマンテ エクストラドライ・ロサート NV
シャトー・ド・フェル ロゼ・ダンジュ ル・ジャルダン 2009
レザマン・デュ・シャトー・モンペラ ロゼ 2008
E.ギガル タヴェル・ロゼ 2008
VDP・デュ・ヴァール・ロゼ・トリエンヌ 2008
シャトー・ド・ピバルノン バンドール・ロゼ 2007

 

その一つひとつに、例の如く、塩川健シェフが、相性の抜群の料理を作ってくれました。
 

最初の2本は、スパークリングワインです。1番目は仏ロワール地方で、カベルネフラン100%。2番目はイタリア・ロンバルディア州で、ピノネロ(ピノノワール)100%。どちらもすがすがしい味わいですが、後味もしっかり、ふくよかなボリューム感を楽しめます。

お料理は、


まず、柿のカプレーゼ

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次に、バイ貝のクリュー、タコの軽いスモークとシブレットのリース飾りでクリスマスを演出!

 

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2010121304.jpgロゼ・ダンジュは、やはりロワール地方で、カベルネフラン100%。

 

ほんのり甘さがやさしくて、アタックも穏やか。新鮮なエゾ鹿のマリネの酸味とよく合いました。

 


 

 

 

 

 

エゾ鹿もも肉のマリネのサラダ仕立て グリーンマスタードソース

 

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4番目は、仏ボルドー地方で、カベルネソーヴィニヨン90%、カベルネフラン10%。2007年が初ヴィンテージというこのシャトーのロゼは、赤ワイン用のブドウより15日も早く収穫したロゼ用区画のブドウを使っているそうです。心地よいイチゴの風味にハーブのニュアンスが加わり、実に軽やか。

料理は、手長エビのマツタケスープ煮


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タヴェル・ロゼは、仏ローヌ地方で、グルナッシュ、サンソー、クレレットなどが主体。赤ワインを思わせるような濃いルビー色で、スパイシーな印象は近江牛との相性抜群です。

近江牛の手まり寿司


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2010121308.jpg「ロゼ・トリエンヌ」は、南仏プロヴァンス地方から。サンソー、シラー、メルロが加わります。

 

淡いピンク色の軽やかなロゼは、気持ちをハッピーにさせてくれます。

私の大好きなロゼでもあります!!

 

 

 

 

 

 

料理は、真鱈の湯煮 フレッシュトマトとハーブのソースで、地中海の風を感じましょう。


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最後は、やはり南仏プロヴァンスから、バンドール・ロゼ。ムールヴェドル、サンソー主体。ブルゴーニュからこの地に移り住んだアンリ・ド・サン・ヴィクトール伯爵は、バンドールではいまやトップメーカーになりました。華やかな香り、きめ細かなタンニンのひろがりは、さすがに存在感を感じます。

フランス産マグレカナールとフォアグラのポワレ 五穀米のリゾット添え

 

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一口にロゼと言っても、実にさまざま。色の違い、味わいの広がり、香りの多様性。楽しむポイントには事欠きません。

ヨミウリオンラインの「GINZA通信」でも、ロゼワインの魅力を語っていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

さて、ここでお知らせです!!

ロゼワインの楽しさをもっと多くの方に知っていただきたいと思い、12月15日(水)午後6時から、プランタン銀座地下2階のワイン売場「ロゼワイン講習会」(無料)を開くことにしました。
「講習会」といっても堅苦しいものではなく、5種類のロゼワインを飲み比べて、そのヴァリエーションの豊さを楽しんでいただきたいとの企画です。

私が、ロゼワインを楽しむためのミニ知識をお話しします。塩川シェフ特製のロゼに合うフィンガーフードもご用意していますので、お気軽にご参加くださいね。

定員12名。予約優先で、Tel:03-3567-7885(売場直通)に「ロゼ講習会に参加」とお伝えください。

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2010.05.18

篠先生の撮影レッスンで

ブログの写真を撮りながら、いつも思うことがあります・・・。

カメラの性能が向上し、それなりの写真(ムカシ、そんなCMがありましたね)は撮れるのだけれど、もう少し味のある写真って、撮れないものだろうか、と。

 

今回は「上海の旅で」編はちょっとお休み。

週末、エコールプランタンの人気講座、篠利幸先生の「レストランメニュー&ドリンク撮影レッスン」に参加したので、そのご報告を。

フォトジャーナリスト、篠先生は、イタリア中心に多くの作品を発表、著作もいっぱいです。

美味しい料理とワインを飲みながら、プロの写真家の技に触れられるのだから、

一挙両得!!

 

場所は、広尾のおしゃれなイタリアンレストラン「ANGOLO(アンゴロ)」。

天現時橋の交差点にあります。車で通りかかるたびに、気になっていたレストランです。

 

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汗ばむような陽気の土曜日、まずは冷えた白ワインをいただきます。

2008 シャルドネ アルトキルシュ (Schreckbichl Colterezio)

イタリア最北端、オーストリアに接するアルト・アディジェの果実味豊かでさわやかな辛口白DOC。

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グラスを持ちながら、早速撮影レッスンです。

天井のステキな明かりを利用して・・・

 

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グラスの位置が悪くて、あまり上手に撮れません。

 

今度は、ガラス戸越しにみえるグリーンを写し込み。

 

10051704.jpg これは、なかなかいい感じ、ではありませんか!!

 

おしゃれなカゴに手作りフォカッチャが載ってきました。

 

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私は、サービスのイケメン君にレンズが向きます。

スカルパ・マッシミリアノさん。

イタリアの大学で日本映画を専攻、タケシの通訳もしたことがあるのだそう。

メニューを一生懸命日本語で説明してくれました。

 

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あれ、篠先生はどうしているのかな?

生徒さんの一眼レフカメラでパンを撮影中でした。

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「先生、私のカメラでも撮影してみてください!」とお願いして・・・

 

10051708.jpg う~ん、同じカメラを使っても、立体感が違う!

背景の工夫と、アングルがポイントです。

 

お料理、いただきましょう。

ソラマメとエンドウマメのスープなど、季節感いっぱいの前菜です。

 

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パスタは2種類。トマト・バジル味のシンプルなものとホワイトソース系のペンネ。

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「アップで撮影するだけでなく、お店のロゴなんかも上手に生かしてね」と、先生のアドバイスです。

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もう1種類、白をいただくことにしました。

 

レガレアリ・ビアンコ(コンテ・タスカ・ダルメリタ社)

 

こちらは、南のシチリアの土着品種、インツォリアを使った白ワインIGT。

インツォリア種は、古くからシチリア特産のマルサラに使われてきた品種だけれど、近年、単独もしくは少量のカタラットやシャルドネとブレンドするなどして、白ワイン品種としての価値が急上昇中。

アルザス・リースリングタイプのスマートなボトルでした。

ミネラル豊富で酸もすっきり、柑橘系の果実味も凝縮していて、好きな味わいです。

造り手のタスカ家は、ブルボン家のフェルナンド5世から爵位を受けた貴族だそう。

 

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メインは。岩手産の地鶏。

皮の焦げ目にもう少しフォーカスした方が美味しそうに撮れますね。

 

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同じテーブルにいた生徒さんが、ブラッドオレンジジュースを注文したので、パチリ!

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フルーツたっぷりのデザートです。

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篠先生はといえば・・・

撮影に夢中でした。10051717.jpg

料理をつくってくれた斉藤大滋シェフ。

登場と同時に、皆が一斉にカメラを向けたので、ちょっとビックリ(?)させてしまいました。

生徒さん皆熱心で、被写体への反応も早い、早い。

 

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私のお隣りのカメラ女子は、様々な撮影会やレッスンに参加していらっしゃる、と聞きました。

失礼ながら、彼女の小物を撮影させていただきました。

携帯ストラップもペンケースも、しっかりカメラグッズでまとめられています。

さ~すが、です。

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おなかもいっぱいになったので、先生と一緒に広尾の裏通りを散策。

 

広尾には、10年以上住んでいたことがあるのですが、変わる街並みの中で、こんな「変わらない」空間も残されています。

ほっとしますね。

 

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路地歩きをしながら、リラックスしたわんちゃん発見!

 

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写真モデル慣れしているのか、おとなしいのです。

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緑の垣根に、様々な色の花が咲いています。

ほんと、街歩き、路地歩きの楽しい季節です。

 

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同じ花を撮るのであれば、「路地の雰囲気と組み合わせて撮ると、一味違いますよ」と、先生のアドバイスを受けて、パチリ。

都会のど真ん中に残る水辺です。

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篠先生お気に入りのギャラリーに行きました。

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Quico Rivasさんの追悼展でした。

 

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ギャラリー内の撮影許可をいただいたので、パチリ。

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スペインのポップなカラーに魅せられます。

レモンイエローの画用紙を使うなんて、やはり太陽いっぱいの南の国ならでは。

 

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ふと、先生の手元を見たら、なんともポップな腕時計をしていらっしゃいました。

この春、フランス・コートダジュールで買われたそうです。

こちらも迷わず、パチリ。10051730.jpg  

 

カメラ好きの生徒さんたちの刺激をたっぷりいただいて、とっても楽しい講座でした。

 

篠先生のイタリアの旅紀行ブログでは、プロの技満載の美しいシーンが展開されていますよ。

見ているだけで、またイタリアに出掛けたくなります。

 

なお、エコールプランタンでの篠先生のフォト・ワークショップは、7月開講。まもなく6月1日から受付開始ですので、WEBチェックをお忘れなく。

 

 

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2010.04.27

モニカやら、ファランギーナやら

プランタン銀座でも好評だった「イタリアワイン周遊フェア」。

その中から6本を選んで、私のワイン講座でも生徒さんにご紹介してみました。

 


ワインリストは次の通りです。

品種とアルコール度数、生産者についても記してみました。


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左から、

2006 マクリーナ ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ
DOC クラシコ・スペリオーレ
品種 ヴェルディッキオ100% 13.0% 
ガロフォリ社(マルケ州)
2006 ルナータ ファランギーナ IGT
品種 ファランギーナ85% グレコ15% 12.0%
ムスティッリ社(カンパーニャ州)
2005 ヴァンナ ドルチェット・ダルバ  DOC 
品種 ドルチェット100% 12.5%
ヴァンナ・アンセルマ(ピエモンテ州)
2007 カザマッタ・ロッソ 
品種 サンジョヴェーゼ100% 12.5%
カンティーナ・マッタ(トスカーナ州)
2006 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC
品種 モンテプルチアーノ100% 13.0%
マッシャレリ(アブルッツォ州)
2006 デュカ・ディ・マンダス モニカ・ディ・サルディーニヤ DOC
品種 モニカ90%、パスカーレ、カリニャーノ 13.0%
カンティーナ・トレセンタ(サルディーニヤ州)

 

白2種類と赤が4種類です。

生徒さんには、「どれが好みですか?」とお聞きするのですが、
白2種類は、ちょうど半々くらい。好みが分かれました。

 

 

10042702.JPGガロフォリ社は、1871年創業。トスカーナ州の東側、アドリア海に面したマルケ州の真ん中あたり、モンテカロット地区に畑があります。

この地方生まれの土着品種を使って素晴らしいDOCワインを造ることに尽力しているファミリー。白はヴェルディッキオ種、赤はモンテプルチアーノ種が中心。


名前のイェージは、古代ローマ時代から続く古い街です。


フレッシュな柑橘系の香りが広がります。まったく嫌味がなく、さわやか。「夏はぎんぎんに冷やして、ぐびぐび飲めそう!」と、頼もしいコメントをいただきました。

 

 

 

 

10042703.JPGファランギーナ種は、私のかなり好きな品種です。


ムスティッリ社というのは、マストロベラルディーノ、フェウディ・ディ・サングリゴリオと並ぶ、ナポリのあるカンパーニャ州の3大ファミリーメーカーの一つ。創業は16世紀初頭にさかのぼる老舗です。

特に、この土着品種を掘り起こし、単一品種で醸造したのはムスティッリが初めてとか。


醸造コンサルタントを務めるのは、キャンティの名門ルッフィーノのマオロ・オルソーニ氏。これも土着品種のグレコ種がブレンドされているタイプです。


酸のきれもよく、あと味にちょっとグレープフルーツの皮をかんだ時のような柔らかな苦味が残り、余韻を楽しめます。魚介類のカルパッチョやパスタなんかと合いそうです。

 

 

さて、赤4種類もそれぞれに美味しかったのですが・・・

票が集まったのは、モニカとカザマッタでした。

 

10042704.JPGサルディーニヤ州は、住民の独立心が強いことでも知られていますが、興味深い品種がたくさんあります。

 

白のヴェルメンティーノ、マンゾーニ・ビアンコ、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、赤のカンノナウ、カリニャーン、パスカーレ、そして、今回のモニカなどがあります。


プラム、ドライフルーツの果実味が豊かですが、酸は穏やかでどこまでも優しい印象。「ところを選ばず、飲みやすい!」との声が上がりました。 

 

 

 

 

10042705.JPGカザマッタは、人気コミック「神の雫」ですっかり有名になったワインです。

 

上級クラスのテスタマッタ(世界最大のワイン見本市2003年に、赤ワイン部門トップ受賞)にはちょっと手が出ないという人に、「僕のワインを少しでも知ってもらいたい」と、生産者のビービー・グラーツ氏がコストパフォーマンスを考えて造ったワイン。


新樽にブドウがを直接入れて発酵させる彼の手法は、いま、ボルドーでも話題になっているようです。


いきいきとした果実味、凝縮感もあり、酸とタンニンのバランスもいい。


2000円でお釣りがくるのだから、日常飲み用として重宝しそうです。

 

 

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2010.04.24

イタリアは奥深い!

  ワイン通の友人と一緒に、西麻布にあるイタリアワインと料理のマリアージュが楽しめる「ヴィノ・デッラ・パーチェ」に行きました。「アカデミー・デュ・ヴァン」のイタリアワイン講座はあっという間に満席になってしまうという、人気講師の内藤和雄さんがソムリエを務めるお店です。


 もちろん、料理もワインも、内藤さんにすべてお任せです。

 

 

10042301.jpg まずは、泡!

NVフランチャコルタ「カヴァッレーリ」ブラン・ド・ブラン ブリュット


自社畑のシャルドネ100%、シャンパーニュ方式で造られたスプマンテ。酸がしっかりしていて、ふくよかさもあり、お気に入りの一つでもあります。


 

 

 

10042302.jpg甘みのあるハムのペースト入りシューをいただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、手の部分がお皿をはみ出すくらい立派なエビのお料理。


 

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ジェノヴァがあるリグーリア州、ポッジョ・バラコーネのロゼワインを合わせました。

かなり濃いオレンジ色がかったルビー色。カンパリ・オレンジに近い色は強烈。単体で飲むのというよりも、やはり料理の引き立て役といった印象のロゼです。フレッシュな味わいは、魚介類との相性バッチリですね。


 

パスタ料理です。ソラ豆と白魚が旬!ですね。


 

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白ワインはといえば、

2006 ローラ(プラヴィス)


イタリア最北部、トレンティーノの白です。

「ローラ」は「l'Ora」と書きます。ガルーダという名の湖から吹く黄金のそよ風をAura Aureaと呼び、名前の由来だそうです。

品種はノジオーラ。麦わら色を帯びた黄色で、上品で、ヘーゼルナッツのような独特な香りがあり、あと味にほろ苦さが残り、気に入りました。

 

 

 

 

詰め物入りの名物パスタをいただき、


 

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お口直しのグラニテのあとは、赤ワインに。

 


10042309.jpg1999 アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ リゼルヴァ (テヌータ・デル・ポルターレ) 

南部のバジリカータ州産、古代にギリシアから伝えられたアリアニコを使ったワイン。

10年経っているのに、まだまだ若々しい!

プラムやラズベリー、スパイシーな香りがとっても豊か。

 

 

 

 

 

 

 

お料理は、ウズラです。

 

 

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そして、もう1杯、赤をいただきました。気分を変えて、サンジョヴェーゼ!


 

10042311.jpg2006 モンテクッコ・サンジョヴェーゼ リゼルヴァ (ポッジョ・レオーネ)

トスカーナ州のモンタルチーノのお隣の小さなワイナリーから。

スミレの花、というよりも、土っぽさ、森の下草・・・。タンニンも心地よく、骨格のしっかりした辛口。サンジョヴェーゼ100%。

 

 

 

 

 

 

 

 

デザートは、ピスタッチオのクレームブリュレ。

 

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最後は、デザートワインではなく、やはり泡で締めたい!

と、フランチャコルタをもう1杯いただいた私たちでした。  

 

イタリアワインは、本当に奥深い!

古来からある地元品種の見直しが進むイタリアワインから目が離せません。  

 

なお、プランタン銀座のワイン売場でも、4月26日(月)まで、

大好評のイタリアワイン周遊フェアを開催しています!

フランチャコルタをはじめ、多様なワインがそろっていますから、要チェックですよ。

 

 

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2009.09.28

「サロン・ド・テ アンジェリーナ」で楽しくマリアージュ

私のワイン講座では、3か月に1回、レストランで料理とのおいしいマリアージュを体験していただいています。


場所は、プランタン銀座の本館2階「サロン・ド・テ アンジェリーナ」

9月25日の回は私を含めて12人参加なので、ワインは6本プラスデザートワイン1本そろえました。


フランス料理出身の塩川シェフが、それぞれのワインに合わせた料理を作ってくれる、自分で言うのもなんですが、ちょっとぜいたくで、とっても楽しい講座です。(だいたい私自身がとっても楽しんでいるのです!)


「アンジェリーナ」は、モンブランだけじゃない! 

本格派フランス料理もお手ごろなんですよ。

 

今回は、講座の生徒さんのリクエストに応えてワインを選びました。

 

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左から、

シャンパーニュ・ブリュット ブラン・ド・ブランNV(ドゥラモット)
ソーヴィニヨン・ブラン 2009(シレーニ セラーセレクション)
ロエロ・アルネイス ベルドゥーディン DOCG 2006(ネグロ・アンジェロ・エ・フィリ・ディ・ジョヴァンニ・ネグロ)
レッド・ローズ2005(デヴィッド・フランツ)
メルロ オーディネール2006(小布施ワイナリー ソガペールエフィス)
シャンボール・ミュジニー2007(ドメーヌ・デュジャック)


 

09092702.jpg最初のシャンパーニュは、先日もご紹介したドゥラモットの「ブラン・ド・ブラン」。「サロン」の妹分といわれているシャンパーニュ、シャルドネ100%です。


カリカリに焼いたプロシュートとイチゴのミルフィーユ仕立てと合わせます。プロシュートのほどよい脂分とクリームチーズの酸味、イチゴのフレッシュな味わいが、繊細な「ブラン・ド・ブラン」を引き立てます。

 

 

 

09092703.jpg2つめのソーヴィニヨン・ブランは、人気が定着してきたニュージーランド南島のマールボロ地区で造られるドライでフレッシュな白ワイン。ほのかなやさしい甘みが残ります。


毛ガニのロワイヤル・蕪詰め。シャキッとした蕪の歯ごたえがよかったです。カニのような甲殻類、合いますねえ。

 

 

 

09092704.jpg3つめのロエロ・アルネイスは、イタリア・ピエモンテ州のDOCG白ワイン。1960年代に復活したアルネイスという土着品種100%。タナロ川をはさんで、有名なバローロ生産地域の反対側で作っています。

いささか濃い目の麦わら色で、アカシアのような花の香りととろりとした口当たり。個性的な味わいです。

ワイナリーの歴史は、1670年にジョヴァンニ・ドメリニ・ネグロ氏にまでさかのぼれるようです。


ナスのキッシュ仕立てにのっているのが、ホロホロ鶏のローストです。ソースは、タマネギのみじん切りを炒めてブイヨン、バター、小麦粉、牛乳などで煮詰めたスービーズソース。ミルク系の味わいがこの白ワインとはよくマッチしていました。

 

 

09092705.jpg4つめのレッド・ローズは、南オーストラリアのロゼワイン。名前の通り、華やかなローズ色。味わいは、チェリーというかプラムというか。

この生産者、デヴィッド・フランツ氏のウェブサイトはなかなかユニークでした。オーナー氏と妻とが赤ワインを掛け合ってワインまみれになっている姿がトップページに現れるので・・・。

料理は、キングサーモンのフリットと蒸した有機野菜の組み合わせ。レモンの酸味がきいたオランデーズソースでいただきました。

 


 

09092706.jpg5つめは、赤ワインで、長野県志賀高原山麓の小布施ワイナリーから「メルロ」を。

メルロ主体でカベルネソーヴィニヨンがブレンドされています。「ソガペールエフィス」ブランドは、自社農場ブドウと国内の優良農家のワイン専用ブドウを選んで造っているそう。国産果実100%使用なのですね。


ワイナリーの歴史は100年以上さかのぼりますが、欧州系のワイン用ブドウの畑を本格的に拡大したのは、1990年代初め。一般消費者から、ワインの樹1本1万5千円で購入してもらうワインの樹オーナー制度を設けています。

また、「ドメーヌソガ カベルネソーヴィニヨン プライベートリザーブ」は、全日空欧州線のファーストクラスにも採用されているといいます。


さて、今回飲んだ「メルロ」のボトルの裏には、こんな説明がありました。

「樽貯蔵など時代遅れと笑うがいいのです。小布施では、日本産ボルドー系品種は樽貯蔵して初めて真価を発揮するという強い信念のもと、100%樽貯蔵にこだわっています」。

 

09092707.jpgなるほど、熟したプラムの香り、ほんのり柔らかな樽の香りがして、味わいは複雑、滑らかなタンニンも心地よく感じられました。

 

リンゴとフォアグラのソテーにベリーソースを添えて。言うことありませんね。国産ワインの進化が頼もしく思える一品でした。

 

 

 

 

09092708.jpg最後の赤ワインは、やはり先日ご紹介した、ドメーヌ・デュジャックの「シャンボール・ミュジニー」です。デュジャックがシャンボールに持っている畑は、わずか0.53ヘクタールといいますから、貴重ですよね。


可憐な淡いルビー色ながら、ミネラルたっぷり、果実味豊かで、味わいはふくよか。

「エレガントですね!」と、最近ワイン用語を上手に使い始めた生徒さんの一言に、このワインの真髄が表されているような気がします。
茸のクリーム煮を詰めた仔羊のローストで締めくくりです。

 

そうそう、デザートも忘れられません。

モスカート・ドルチェ2008(ガイエルホーフ)

 

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 用意したモスカート・ドルチェは、私がイタリアの旅で最後に訪れたミラノのレストランで、店のご主人からプレゼントされたデザートワイン。北イタリア・トレンティーノの甘口白ワインです。

 

マロンの入ったティラミスと、キウィとピーチのジェリー。真ん中のジェラートは、なんとヨーグルトにオリーブオイルを合わせたもの。デザートワインとの相性、楽しくいただきました。

 

自宅で合わせるときの参考になりますよね。

最初のシャンパーニュとの組み合わせ、早速サンデーブランチで実践して、好評でした!

 

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2009.09.08

イタリア縦断の旅から~その8(最終回)

イタリアの旅6日目。

最後の目的地ロンバルディア州のミラノに到着したのは夕刻でした。


大都会に来ると、どこで夕食を食べようか、迷いますね。
「最後の夜だから、ちょっといいレストランに行こうよ」「ワインをがんがん飲めるワインバー的なお店を選ばない?」・・・。

結局、私たち女性3人+紳士1人のグループは、「料理もがっちり、ワインも気軽にそれでいていっぱい」のミラノっ子が日常使いするお店に出掛けました。

モンテ・ネロ通りの「パスコーネ」です。

 

その前に、「世界で一番美しい鉄道駅」といわれるミラノ中央駅、

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ドゥオーモ、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリアなどをぶらついて、

 

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お店には午後8時過ぎに到着。
でも、だーれもいない!


それでも、お腹がプルンプルンの太っちょのおじ様(実はオーナー)が、陽気に迎えてくれました。

席も、お店の真ん中のいい感じの場所でした。


まずは、イタリア定番の前菜をリクエスト!

 

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泡は、地元の辛口スプマンテ、フランチャコルタ。

1997年にロンバルディア州初のDOCGに認められました。

「神の雫」にも登場したモンテ・ロッサのNVです。

 

 

 

 

09090229.jpgピノビアンコ、シャルドネ、ピノネロのブレンド。麦わら色で、白い花を感じさせる繊細な味わいです。


とってもカジュアルでリーゾナブルなワインリスト!

 

 

 

 

 

 

 

タコとかムール貝とか、魚介類系料理もあったので、

 

 

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09090209.jpg白ワインも・・・。


2007サンニオ・フランギーナ(マストロベラルディーノ)

ナポリのあるカンパーニャ州の白です。

古代から伝えられるフランギーナ種。

麦わら色でとってもさわやか。

 

 

 

 

 

お次はパスタ。
 
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パスタはイタリアの南と北で大きく違います。南ではデュラム小麦粉を使う乾麺、一方の北は卵を使う生麺です。

 

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パスタの起源に関する説は様々あるようですが、イタリアの食に詳しい林茂さんのお話によると、12世紀初め、当時アラブの支配下にあったシチリア島にクスクスのような形で乾燥パスタが伝えられました。

その後、ナポリ南のヴェスヴィオ火山とソレント半島の真ん中あたりにあるグランニァーノで本格的な製造がスタート。地中海の強い日差しと適度な海風が、乾燥パスタづくりに適していたのでしょう。

 

長期保存が可能になり使い勝手がよくなって、14世紀、アペニン山脈を越えてイタリア北部にも伝えられ、全土に広まりました。

当時の著作「デカメロン」には、エミリア・ロマーニャ地方の人々がスープ仕立てのマッケローニやラヴィオリにパルメザンチーズをかけて食べている様が記されています。


とはいえ、内陸では生パスタづくりが続いており、ここミラノは、もちろん手打ちパスタでした!


09090212.jpg午後9時半を過ぎたら、いつの間にか店の中は満席。

やはり人気店だったのですね。

 

そろそろ赤ワインも・・・。

「北イタリアに来たのだから」とリクエストしたら、

主人のおすすめが、

2007ラグレイン(J.ホーフシュテッター)

イタリアの最北、トレンティーノ・アルト・アディジェ州の赤です。

かつてはオーストリア領だったので、今でもドイツ語が使われる地域もあり、「南チロル」とも呼ばれています。

ずばり、ラグレインという品種です。

ブドウの果実味がそのまま生きている感じでした。

 

お口直しのソルベをいただいて、

 

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お待ちかねのミラノ風カツレツです。

 

09090216.jpg焼き野菜をつけました。

 

  09090217.jpgカツレツは、さくっと、イメージ通りのおいしさ!!

 

ミラノに来たのだから、本場のチーズも食べなくっちゃ!


09090218.jpg三大ブルーチーズの一つ、ゴルゴンゾーラです。もともとブルー好きですが、塩気がマイルドでクリーミー。食べやすいです。


 

ご主人が、チーズに合わせるように、トレンティーノの「モスカート・ドルチェ」(ガイエルホーフ)を持って来ました。

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もう一つ、「これも合うよ」と、サルディーニャ特産のミルトを一杯。コケモモのリキュールですが、やさしい甘さです。
 

帰りがけ、ショップカードをもらったら、ご主人そっくり、つまりお腹でっぷりのイラストがポイントになっていました。

 


最近日本ではスリムでイケメンのシェフやオーナーが増えていますけれど、イタリア料理はこれでなきゃ、ね。こういうご主人の店だと、「毎日おいしいもの作って食べているんだろうな」と想像できますね。体重は気になりますけれど。


 
翌日は、夜の出発まで、ミラノの街中をショッピングしながらぶらぶら。

 

実はプランタン銀座と提携関係にあるパリのプランタンはいま、ミラノに本店があるイタリアの百貨店ラ・リナシャンテグループの傘下にあります。


ドゥオモの隣りにある同百貨店は、十年ほど前訪ねたときより、随分高級感が増した印象です。

 

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 中2階はイタリアを中心に高級ブランドがずらり。地下には雑貨を中心にイタリアンデザインのアンテナショップがあって、オリジナリティを感じます。店のショッピングバッグも垢抜けた感じです。

 

最上階はテラスが開放されていて、イタリア食材コーナーも充実しています。

 

 

 

回転ずしも大人気。
サーモンやマグロに合わせて、「イキ」というブランドのビールを飲みました。

 

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「ユズと煎茶を使ったのどごし爽快な生きビール」との説明がありました。

やや濁りを感じるフルーティーなビール。ユズの香りは、よくわかりませんでした。

 

このビール、オランダのビール会社「イキ・ビール」がベルギーの醸造所で造らせているそうで、ヨーロッパのアジア系料理店では最近見かけるようになったとか。

「イキ・ビール」の創業者は日本滞在経験もある日本びいきな人のようです。

 

昼下がり、ドゥオモの見えるワインバーでベッラ・ヴィスタのフランチャコルタのロザートを注文。


   

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09090228.jpgグラスを1杯頼むと、

パニーニやらオリーブやらポテトチップスやらフルーツカクテルやらが一緒に付いてきました。

デパートだったのでちょっと高め、12ユーロでしたけど。

 

 

いわゆる「ハッピーアワー」の時間帯にグラス一杯でいろいろつまみというか前菜が楽しめるイタリアで人気の「アペリティーボ」。その雰囲気が、ちょっと味わえました。

 

 

旅の締めくくりが、ロゼの泡。

ハッピーな気分で空港に向かいました。

 

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2009.09.01

初登場が続々「イタリアワイン100選」~無料セミナーも開催!!

プランタン銀座でご好評をいただいている「イタリアワイン100選」が、本日9月1日から本館地下2階のワイン売場で始まりました。


今回は3割が初登場の新着ワイン。

そして、北のトレンティーノ・アルト・アディジェから南のシチリアに至るまで、変化に富むイタリアワインの魅力をお伝えしようと、前回にも増して、売場スタッフの力が入った企画に仕上がりました! 


選定の中心になったKさんに、あえておすすめ5点を挙げてもらうと、

 

09083101.jpg右から・・・
1)2001バローロ ピアンタ・ディ・カステリオーネ・ファレット(カーサ・ヴェッキア) 税込7350円
2)2005インフェリ モンテプルチャーノ・ダブルッツォ(マラミエーロ) 税込5250円
3)2006プンタ・ディ・コッレ シャルドネ(マラミエーロ) 税込5250円
4)2005トレッビアーノ・ダブルッツォ(エミディオ・ペペ) 税込10290円
5)2005ドン・アントニオ(モルガンテ) 税込5040円

 

入社3年目のKさんは、若手ながらとっても勉強熱心。最近は、「わかりやすさとコストパフォーマンスのよさ」で、すっかりイタリアワインにはまっているそうです。
「初心者から上級者まで、絶対に楽しめるワイン!」としてすすめてくれたのが、2)と3)です。


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マラミエーロは、美しい山並みの広がるアブルッツォ州の最近注目の生産者。

 

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3)のシャルドネは、ブリュッセルのコンクールで「世界一おいしいシャルドネ」に選ばれた人気ワイン。新樽で18か月醗酵させていて、「樽のバニラ香がかなり濃厚。エレガントな果実味と酸味のバランスが取れています」。

2)は「地獄」というインパクトのある名前のワイン。「濃厚でタンニンもしっかり、どっしり風格があって余韻も長めです」。

 

09083105.jpg1)の「バローロ」の造り手カーサ・ヴェッキアは、1700年代から続く老舗ワイナリー。

カステリオーネ・ファレット村に畑があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

09083106.jpg4)は、こだわりのワイン哲学を持ち、「幻のワイン」とも称されるエミディオ・ペペの見逃せない一品。

エミディオ・ペペは、2008年7月の洞爺湖サミットでサービスされて、話題になりました。

 

有機栽培で育てたブドウを自然酵母で醗酵させ、酸化防止剤は使用せず、ラベル貼りまですべてが手作業。果実の圧搾はいまだに足踏みで行っているのだそう。

 

品種はトレッビアーノ100%。まったりとした旨味が感動ものです。

 

 

09083107.jpg5)は、ネロ・ダヴォラ種のシチリア産ワイン。

 

熟したダークチェリーの風味、ふくらみのあるタンニン。

繊細な南のワインのお手本といってもいいでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

「イタリア100選」は9月21日(月)まで。

特別企画として、参加型のセミナー企画にも注目です!!


 

9月4日(金)午後6時から プーリア州のオリーブオイル・セミナー(無料、定員10名)

 

9月10日(木)午後5時半から イタリアを代表するスプマンテ「フェラーリ」試飲セミナー(フェラーリ社社長によるレクチャーあり、無料、定員10名)
 

9月18日(金)午後6時から 優良生産者のバローロ、バルバレスコ、ブルネッロを飲み比べるワインセミナー(無料、定員10名)

 

セミナーの予約は、ワイン売場(03-3567-7885)へ。

定員に達した場合はお断りすることもございますので、ご了承ください。

 

また、9月19日(土)と20日(日)の2日間、サッシカイアやレ・ペルゴレトルテなど、一度は飲んでみたい!著名ワインの有料試飲会も実施予定です。価格に関してはスタッフにお問い合わせください。

 

盛りだくさんの内容!
100選のワインリストを前に、何を選ぼうか、私も頭を悩ませています

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2009.08.31

イタリア縦断の旅から~その7 「食の安全」を考えた日

先日小欄でご紹介した映画「未来の食卓」の評判がすこぶるよいと聞きました。


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決して派手ではないドキュメンタリー映画なのですが、命にかかわる内容なだけに、小さな子どものいるお母さん世代をはじめ幅広い年齢層に支持されているようです。

 

このブログを読んだkarmaさんは、新幹線で東京の映画館に駆けつけ、「もっともっと多くの人に観てほしい」と、素敵な感想をコメント欄に寄せてくださいました。
いわく、「今までオーガニックって流行であったり、それにこしたことはないけど位の感覚だったので、オーガニック野菜を暫く買っても虫がいたとかで長続きしてませんでしたが、消費者だけでなく生産者やそこに住む人々にとって必要なんだと再認識できました」・・・。

 

映画の舞台は南フランスでしたが、6月のイタリアの旅では、トリノにある「食の安全・安心」をテーマにした食のテーマパーク「Eataly(イータリー)」を訪ねました。

09090102.jpg日本でも東京・代官山に初上陸して話題になった、あのお店の本家です。

 

7月31日までブログで連載していた「イタリア縦断の旅」の続編として、お読みください。
 
それでは、気を取り直して・・・


「縦断の旅」も終盤、旅の6日目です。
午前中はピエモンテ州アルバに近い、マローロ社のグラッパ工場を訪問(グラッパについては、また改めて紹介します)。
そのあと、州都トリノへ。

トリノは、チョコレートやパンナコッタなどで知られるグルメの街ですが、フィアットの企業城下町として発展したところです。

「世界最大の工場」といわれたリンゴット工場があり、2006年のトリノ・オリンピックを機に、ショッピングモールやコンサートホール、ホテルなどを含むヨーロッパで最大規模の複合施設へと生まれ変わったのでした。


イータリーがあるのは、この複合施設に隣接したところで、ヴェルモットを製造するカルパーノ社の工場跡地。

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ヴェルモットは、カクテルのマティーニのベースとして知られていますよね。

18世紀に、アントニオ・カルパーノ氏が、白ワインをベースにwermut(ヴェルムート=独語でニガヨモギ)など数十種類のハーブやスパイスを配合して造ったお酒。

カルパーノ氏が造ったのは甘口で、フランスでは辛口が造られたので、甘口を「イタリアン」、辛口を「フレンチ」と呼んでいます。


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イータリーの2階には、「カルパーノ」の博物館がありました。


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さて、入口を入りましょう。

 

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イータリーのコンセプトは、高品質な食品をサステイナブル(持続可能)な価格で提供すること。

その内容については、あのスローフード協会が監修しています。


スローフード協会は、ピエモンテ州の小さな村ブラで始まった消費者運動が設立のきっかけです。

 

ファストフードに象徴される食のグローバル化に疑問を投げかけた運動でした。
種の多様性の保護、小規模でも良質な食材の生産者の支援、食育や食選力の育成などを掲げています。

 

1階の物販ゾーンでは、スローフード協会が「プレジディオ」(保護すべきスローフード食材)に指定したものを含め、野菜、果物、お肉にお魚、チーズやオリーブ油、パスタ、ハムやサラミ、チョコレート、ジェラートなどが、マルシェ感覚でずらり。


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気軽にスローフードが食べられるレストランカウンターも充実です。一つ星レストラン「GUIDO」監修のお惣菜もありました。

 

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また、ワイン製造について学べるコーナーや食に関する数千冊の書物を閲覧できる「図書館」も。

 

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有名シェフによる調理講習会を開くなど、まさに消費者参加型の「食育」が実践されています。

 

地下には、世界のワインとビールのコーナー。

 

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量り売りで樽からワインが買えるサービスも。

 

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お腹が空いたので、私たちのグループも、お店の一角でランチタイム。

 

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パンもグリッシーニも

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コーンとポテトなどヘルシーでイタリアンな前菜もチーズも、美味しい!


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09090129.jpg大好きなお肉のタルタルに興奮して、ピンボケ写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 ワインは、「ローサ・ヴィットリア」。サーモンピンクのきれいなロゼでした。

 

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ハムにサラミ。パルマのランチがよみがえり、売場に直行!
 

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半日ではとってもまわり切れない、楽しく、しかもお勉強になる空間でした。
 

さて、これから目指すはミラノです。

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)