カンパーニア州アーカイブ

2012.09.11

南イタリアの旅から(11)~ナポリその2

13日目です。

午前中は、ナポリで、国立考古学博物館をじっくり見学しました。

いや、ここは、ファルネーゼ・コレクションと呼ばれるギリシャ・ローマ時代の模刻など大理石彫刻がすばらしいです。

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12070504.JPG 12070505.JPG 12070506.JPGローマのカラカラ浴場で発掘された紀元前4世紀の模刻「ファルネーゼのヘラクレス」

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こちらは、同じく「ファルネーゼの雄牛」

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中2階にあった、ポンペイの有力貴族、ファウヌス家で出土された、「踊る牧神」

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その奥には、「Gabinetto Segreto(秘密の小部屋)」があります。

予約制、子供は立ち入り禁止。

ディオニュソスを描いたこんな石板も。

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結構きわどいモチーフが多くて、掲載がはばかられました。

みたい方は、どうぞ現地で。

 

濃いブルーの上に白で描いたローマンガラスにも注目です。

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さて、ナポリの旧市街をぶらぶらと・・・。

市民の水くみ場もあります。

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サン・グレゴリオ・アルメーノ教会がある通りには、ミニチュア手工芸、プレセーピオの工房が並びます。かわいいですねえ。

12070510.JPG 12070511.JPGみんな、マラドーナが好きみたい!

12070512.JPG美しい中庭のあるサンタ・キアーラ教会です。

12070513.JPG教会内部で、こんなジオラマが見つけました。

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サン・ドメニコ・マッジョーレ教会です。

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このあたりが、スパッカ・ナポリと呼ばれる旧市街の下町です。

ひったくりも多いので、気をつけて歩きましょう。

ランチは、もちろん、ナポリ・ピッツァ。シンプルなマルガリータがおすすめ。

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ピカントリオ・・・唐辛子入りのオリーブオイルがアクセントに。

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あ、空中を舞っている、舞っている・・・

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オリーブがおいしいサラダと

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オリーブオイルのシンプルな味付けのニョッキ。

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絶品のアンチョビのパスタも。

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午後はイタリア本土最初のギリシャ植民都市のナポリ近郊、くーマなどを訪ねました。

旅の様子は、ヨミウリオンラインでチェックしてみてください。

http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120810-OYT8T00673.htm

 

ディナーは、やはりナポリで。

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ワインは、昨日と同じ造り手のフェウ・ディ・ディ・サングレゴリオ。

2011 Fiano di Avellino

2011 Ros'Aura

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料理は、魚介類中心です。

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12070527.JPG リゾットやらパスタやら・・・

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12070529.JPG陽気なご主人のおすすめは、この大きなエビです。

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12070531.JPGデザートは、酸味のしっかりした木イチゴです。

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今晩も、おいしくいただきました。グラッチェ!

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ホテルに戻ったら、ナポリ港から花火が上がるのが見えました。

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2012.09.10

南イタリアの旅から(10)~ナポリその1

12日目は、 サレルノ→ポンペイ→アマルフィ→ラヴェッロ→ナポリ

 

いよいよ旅も終盤です。

 

ポンペイ遺跡は、訪ねられた方もいらっしゃるでしょう。

とにかく広くて、全部回ろうと欲張ると、もう大変です。

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ここでは、市民生活の痕跡を見つけるのが、楽しいです。

たとえば、市場では、

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、魚の絵が壁面に描かれています。

古代から国際都市で、ギリシャ語、ラテン語など、いろいろな言葉を話す人がいたので、絵表示がとても多いのです。

大理石、よく残っています。

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ここから、商店街の入り口。ヴェルヴィオ山が見えます。

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これは、大浴場の中に刻まれたモチーフ。そう、テルマエロマエです。

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悲劇詩人の家と呼ばれる邸宅の玄関に刻まれた番犬のモチーフ。「猛犬に注意」と記されています。

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どこから現れたのか、わんちゃんが私たちのグループにくっついてきて、案内役を務めてくれました。

もちろん、猛犬ではない、おりこうなわんちゃんでした。 12070407.JPG

ちょっと離れた場所ですが、秘儀荘の壁画「ディオニュソスの秘儀」への入信の様子を描いたフレスコ画。背景には、ポンペイの赤と呼ばれる、美しい朱の色が使われています。中央の玉座に座っているのが、お酒の神様、ディオニュソス。ワイン好きの私は、ツアー中、川島先生から、「ディオニュッシア」と女性形で呼ばれていました。

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もう少し、ポンペイのことを知りたいなと思った方は、

ヨミウリオンラインのコラムをどうぞ。

http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120831-OYT8T00653.htm

 

ここから、険しい山道をバスはアマルフィへ向かいます。

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そして、アマルフィへ。

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今回は街の見学というより、ランチ休憩とショッピングタイム。

私は、ワインショップで、GAYAのバルバレスコをゲット。手作りの紙が有名なので、文房具も要チェックですよ。

ちなみに、アマルフィについては、ヨミウリオンラインで、2010年11月に書いてます。

http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/101112_01.htm

 

ラヴェッロという小さな街に到着。

12070411.JPG ヴィッラ・ルーフォロを見学します。

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ワーグナーが歌劇「パルシファル」のクリングゾルの魔法の花園を作曲した場所。

ワーグナーの家が、井戸の奥に残っています。

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花園はあちこちに。

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ここでは、ワーグナー音楽祭も開かれています。

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12070414.JPGレモンの木もたくさんありましたよ。

 

いざ、ナポリへ。

12070415.JPG ディナーに向かいます。

12070416.JPG ワインは、

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2011 Greco di Tufo

Terre degli Angeli

 

グレコ100%、豊かな酸味の白。

造り手は、テレドーラ。

1978年設立のワイナリーで、こちらも、アリアニコ、フィアーノ、グレコ、ファランギーナといったカンパーニャの地元品種の再発見に一役かったところ。

 

 

 

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2010 Rubrato Aglianico

 

アリアニコ100%。

濃いルビー色の外観ですが、フレッシュなベリーを感じさせて、飲み口は軽やかです。

熟成していないアリアニコの軽い感じは、魚介類中心の南イタリアの食事には、ちょうどいいです。

造り手は、フェウ・ディ・ディ・サングレゴリオ。

紀元1世紀に活躍した古代ローマのグレゴリオ教皇は、旧アッピア街道沿いに広がる丘陵地、サンニオ、イルピニア一帯にブドウ栽培を奨励して、ワイン造りの伝統を築いた人として知られています。フェウディ・ディ・サン・グレゴリオとは、「聖グレゴリオの領地」の意味だそうです。ミラノ大学やナポリ農業大学と共同で農学研究を行ったり、ジャック・セロスとカンパーニャ初のスパークリングワイン造りに挑んだり、カンパーニャワインの新潮流をつくりだしています。

 

 

わがままをいって、調理場に押しかけ、

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これちょうだい! とお願いした結果、

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今晩も、いろいろいただきました。

ピッツアも美味しい!!

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オリーブやルッコラがポイントです。

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トマトが入ったシンプルなアクアパッツア。この調理法がいいですね。

 

これも、調理場で見つけたデザート。

カスタードクリームが嫌みない甘さ。

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アイスクリームとスイカも食べて、もうお腹いっぱいです。

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2012.09.09

南イタリアの旅から(9)~サレルノ

11日目の行程は、ヴェリア→パエストゥム→サレルノ

 

パルメニデスが創設したギリシャ哲学エレア派の拠点、ヴェリア(エレア)。

すばらしい遺跡が残っています。

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ヨミウリオンラインのコラムをチェックしてみてください。

http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120810-OYT8T00675.htm

 

このころ、古代ギリシャ人は随分と活発に移動して、植民地をつくっています。

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ヴェリアで古代ギリシャ人が歩いた道を歩きました!

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お次のパエストゥムは、遺跡の保存状態がすばらしいところです。

まずは、ランチで腹ごしらえ。博物館隣りの評判のリストランテで。

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 ここの名物は、まず、フレッシュなトマトクリームソースのニョッキ

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それと、モッツァレラチーズ! ツアーリーダーの川島先生が太鼓判!!

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では、博物館に向かいます。

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 サレルノの「TSUNAMI」に関する特別展示がありました。

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博物館の目玉は、石棺の上蓋に描かれた絵です。

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ギリシャの大神殿がきれいに保存されています。

土に埋もれていて、発見が遅れたのがよかったようです。

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 では、この日の宿泊先、港町のサレルノへ。

街中の路地から、聖堂がみえます。

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この路地にあったリストランテへ。

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さあ、カンパーニャ州のワインを飲みましょう。

 

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2010 Fiano di Avellino Pietramara

 

フィアーノ種100%です。麦わらがかったイエローです。白桃やアーモンドの香りが広がり、ミネラル感も十分。繊細さが感じられる白です。

生産者はイ・ファヴァーティ。祖父が1915年に設立したワイナリーを、ピエールとジャンカルロ兄弟が復興、若手醸造家を迎えて、評価はめきめき上がっているそう。

2000年初リリースで、グレコ、フィアーノ、アリアニコといった地品種の単一品種で勝負しています。

 

 

 

 

 

12070316.JPG次に、大好きな品種、ファランギーナを。

2011 Guardia Sanframondi Falangina

 

ファランギーナ100%。

外観は、上記のフィアーノ種100%のワインよりちょっと濃いめのイエロー。

熟し始めたリンゴの香りがします。後味の不思議な苦みが好きです。

 

生産者は、アイア・ディ・コロンビ。内陸部ベネヴェント県の山に囲まれたグアルディア・サンフラモンディにあるワイナリー。地中海からの温暖な風と山から吹き下ろす冷たい風が、ミクロクリマを作り出しているのです。

典型的な家族経営で、年間生産量4万5000本。以前は量産タイプで組合に売っていたところですが、2003年から自社瓶詰めをはじめ、質にこだわったワイン造りに切り替えています。

 

12070317.JPGもう1本は、日本でも知られる

2010 Lachryma Christi del Vesuvio Rosso

 

ピエディ・ロッソ100%。

ヴェスヴィーオ山のふもとで造られているワイン。

ヨミウリオンラインでは、ヴェスヴィーオ山登山のあと、休憩地点でこのワインの白を飲んだことを書いています。

http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120831-OYT8T00653.htm

 

カシスの香りがある、柔らかい口当たりの赤です。スパイシーなニュアンスがあります。

カンパーニャのリーダー的存在、マストロベラルディーノのものです。1878年創業の老舗。地元品種にこだわり続け、タウラージもフィアーノ・ディ・アヴェリーニョも、DOCGにまで上り詰めることができたのは、このワイナリーのお陰と、だれもが認めています。

リストランテのご主人も、「やっぱりうまいよ、ここのは」と言っていました。

イタリア政府から、ポンペイ遺跡から発掘されたブドウ畑でワインを造るプロジェクトを唯一委託されているところでもあります。

 

 料理は、タパスのように、いろいろ注文してみました。

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イワシのマリネは鉄板です。シラス入りの焼きリゾットが絶品でした。

 

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2009.07.06

イタリア縦断の旅から~その1

 6月初めのイタリアの旅からはや1か月。

ブログでもリポートすると予告していたにもかかわらず、帰国後もワインイベントが相次いで、なかなかご報告できずにいました。

来週には、旅の友との写真交換会+ワイン会も開催の予定・・・。

記憶が薄れないうちに、旅の連載を始めることにします。

 

5月31日。成田からまず向かったのは、南イタリアのナポリ。ローマ乗り換えの国内線が遅延したこともあって、ホテルに到着したのは真夜中でした。

風呂上がり、冷蔵庫から冷えた「ベローニ・ナストロアズーロ」を取り出してグビッ。

ぐっすり眠れました。

今回のワインの旅は、アカデミー・デュ・ヴァンで講師を務める遠藤誠先生の企画。

イタリアワインの第一人者、林茂さんが同行。なんとも心強いです。


最初の訪問ワイナリーは、テッレドーラ社。

ナポリのある南のカンパーニア州で、ワイン・ルネッサンスを常にリードしている名門ワイナリーです。テッレドーラとは、黄金の大地の意味。

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ナポリやサレルノ、アマルフィなどの海岸沿いの温暖な地域はリゾート地として有名だけれど、カンパーニア州全体でみると8割以上が山がちだそうです。

そう、ヴェスヴィオ火山だけではないんですね。

そして、ブドウ造りは寒暖差の大きい山間部で行われてきました。

 

ナポリから内陸に60キロほど、山を二つほど越えたアヴェッリーノ。

マロングラッセに使う栗の産地でもありますが、南イタリアを代表するDOCGの赤ワイン、タウラージで知られています。


タウラージといえば、16世紀ごろから続くマストロベラルディーノ社の存在が忘れられませんが、そこから分家したテッレドーラ社は同ファミリーの一員。1978年にタウラージをはじめとする畑を引き継ぎ、独自にワイン生産をスタートさせています。

ここでは、カンパーニアの伝統品種しか栽培・醸造されていないんです。

 

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タウラージのアリアニコ種をはじめ、フィアーノ種やグレコ種など。

ギリシャ伝来の良質な品種があるのだから、何も国際市場で人気だからといってシャルドネとかカベルネソーヴィニヨンとか外来品種を取り入れる必要はない、との発想。

土着品種の見直しは、地産地消の考え方につながります。

 

 

  

テッレドーラ社の国際部門の営業を担当するルーチョさんはマストロベラルディーノ家の10代目。

祈りの場としての教会跡が残る畑、そして醸造所内を案内していただいてから、 


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いよいよ試飲です。

 

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まずは、カンパーニア州で一番有名(?)な「ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ」(2008年)。

 

09060110.jpgこのワインにまつわる逸話も有名です。

天国の土地の一部を持って逃げようとしたサターンがヴェスヴィオ火山の麓で落としてしまい、そこにナポリの街ができました。

ところが、街の人々が悪の限りを尽くすので、天から見ていたキリストが涙を流し、そこにブドウの木が生えたそう。

そこから「ラクリマ・クリスティ」(キリストの涙)と名付けられました。

 

コーダ・ディ・ヴォルベ(キツネの尻尾の意味)種から造られる白はフルーティーでミネラル感を感じるスタイル。

ピエディ・ロッソ(ハトの赤い脚の意味)種主体の赤は、とっても果実味豊かでした。

 

続いて、DOCG3本です。


09060111.jpg古代ローマ時代からあったという白ワイン、「グレコ・ディ・トゥーフォ」(2007年)は、2003年からDOCGに昇格。

名前から推測できるようにギリシャ伝来種で、トゥーフォという軟らかい凝灰岩の土壌で育ちます。

濃い目の麦わら色で、ピーチやマンゴーなど南国のフルーツのフレッシュな香りがしました。


「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」(2008年)も、2003年からDOCGに昇格した白ワイン。

フィアーノ種は、古代ローマ時代、アピ(ハチ)がよって来ることからラテン語でヴィティス・アピチアと呼ばれ、変化していったのだとか。

マスカット、ヘーゼルナッツの香りに、若干苦味がアクセント。

 

最後に、赤ワインの「タウラージ」(2003年)。

1993年に、南イタリアでは初めてDOCGに認められたワインです。

主品種のアリアニコ種は、古代ローマ時代にフェニキア人がギリシャから持ち込んだ品種。2003年の「タウラージ」は、100%アリアニコ、2年間の樽熟と聞きました。

濃いルビー色で、スパイス香、タンニンもしっかりした力強いワインでした。ピエモンテの長熟ワイン、バローロやバルバレスコの弟分ともいわれています。


お昼は、テッレドーラ社の招待ランチをいただきました。


09060112.jpgモッツアレッラにオリーブ、生ハム、パスタなど、当たり前だけれど、思った通りの"イタリアづくし"。 

 

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  09060120.jpgワインは「アリアニコ」(2007年)。

あまり日本ではお目にかかりませんが、果実味と木の香りがやさしく、トマト味のパスタや肉料理との相性が抜群。

 


 

さて、閑話休題。ミニ知識をいくつか・・・


ボンペイ遺跡の貴族別荘跡からは、ワインの貯蔵などに使われた壷、アンフォラが大量に発見されています。ワインの歴史を紐解くには欠かせない場所です。

そこで、マストロベラルディーノ社は、国の遺跡管理局からの依頼で、古代の品種を8種類実験的に栽培・醸造しており、販売も始まっているそう。

売り上げは、発掘現場の修復作業に当てられているといいます。

貯蔵や運搬に使われたアンフォラは、高さ50センチほどで、表面には美しく装飾されているものもあったようです。

古代ローマでは単位としても用いられ、1アンフォラ=25.79リットルと定められていました。
ちなみに、現在メールアドレスなどに使う「@(アットマーク)」はアンフォラに由来するともいわれています。アンフォラの形を記号で「@」と記したというわけです。


また、キッスの習慣はワインから? というエピソードも残っています。

古代ローマ時代、ワインは超貴重な飲み物で、財産と考えられていました。

そして、女性はワインを飲むことを禁じられていました。ある時、「主人が外出したあと、妻たちはこっそりとワインを楽しんでいるようだ」とのウワサが広がりました。

夫たちは一計を考え、帰宅したときに妻の口の周りをチェックするために、キッスを試みたというのです。挨拶としてのキッスはここから始まったという、イタリアらしいお話でした。


夕刻、ホテルに戻ると、大雨に降られました。


それでも、クリントン元大統領ら熱烈なるファンが多いといわれる老舗ネクタイ店マリネッラ(MARINELLA)をのぞきに、街に繰り出しました。店内は大雨にもかかわらず、満員御礼状態でした。

09060124.jpg90ユーロ、さすがイタリア、発色が素晴らしい! 旦那に紫色のを1本買いました。


近くのバールでしばし雨宿り。レモンチェッロをいただきました。

雨が上がってきたので、サンタルチア港に向かって、海岸沿いをぶらぶら。

空はどんよりしていましたが、雨上がりの歩道と潮風が心地よかったです。

 

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夜はピッツェリアで、カリカリのブルスケッタと本場もちもちのマルガリータをいただきました。

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ピッツアの向こうのお茶目顔は、旅のリーダー、遠藤誠先生、です!

ワインはもちろん、地元の「アリアニコ」で。


伝統品種の味わいに、発見、発見! の1日でした。

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)