9日目、メッシーナからフェリーでイタリア本土に渡りました。
長靴のつま先、カラブリア州の州都、レッジョ・ディ・カラブリア。
この街で見逃せないのは、「リアチェの青年戦士」といわれる青銅像2体。
現在は博物館から移動して、ラボで解体点検中でした。
前5世紀のギリシャ時代の作。目は石灰石、歯は銀製。海底から引き上げられたそうで、保存状態良好です。
いざ、ランチへ。
2種類のブルスケッタと、
ライスサラダ。ハートのお皿で出てきました。
午後は、素朴なビザンツ時代の教会が残るスティーロへ。
貴重な壁画が残っています。
このあたりのことは、ヨミウリオンラインにも書いています。
http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120824-OYT8T00630.htm
この日の宿は、ビザンツ時代から栄えたカタンツァーロ。
海岸沿いのカジュアル過ぎないピッツェリア。
ワインは、カラブリアを代表する「チロ」。
2011 Ciro Rosato
カラブリア州で造られているDOCワインの90%がこのチロ。
まずは、冷やして軽めの若飲みタイプのロゼを。
古代ギリシャから伝わったガリオッポ主体。
チロが造られているのは、北東部丘陵の村チロと近隣の海岸沿いのチロ・マリーナ周辺。
生産者は、リブランディ。1850年代から続く老舗で、ギリシャ時代の栽培法を復活、発展させるのに注力しています。
醸造家にドナ・ラナディ氏を迎えてから、品質が向上し、人気です。
同じ生産者の白。
2011 Ciro Bianco
果実の香りときれいな酸の切れ味がよいワインです。
グレコ・ビアンコ85%が主体。
このあたり、古代ギリシャ人からエノトリア(ワインの大地)と呼ばれており、ブドウ栽培の歴史は古いのです。
火山灰土壌で、栽培面積はそれほど大きくありません。
2010 Ciro Rosso Classico
ガリオッポで造る赤ワイン、これが3タイプの中でも一番知られているのでは。
というのも、古代ギリシャのオリンピックで、競技の勝利者に贈られたのが、このワインでした。
ちなみに、チロ・マリーナのあたりは、当時、ギリシャの植民都市クレミッサと呼ばれていました。
チロは、1968年のメキシコオリンピックで、オフィシャルワインにもなったそうです。
もちろん、料理は、ピッツアも。
2種類のチーズを使ったピッツア。オリーブオイルをかけて。
揚げ物は、ロゼワインで。
オリーブオイルやらアップルヴィネガーやら、好みで料理に加えられるようにテーブルに用意されていました。
実はこの日、ユーロカップの決勝戦。イタリアとスペインの対戦で、普段「僕はあまりサッカー、興味ないんだ」と言っているイタリア人も、さすがにテレビの前にクギ付けでした。
でも、ピッツェリアの奥の部屋のテレビの前、歓声が上がらず、ため息が漏れるだけ。
そう、4対0で、完敗のイタリアでした。
かわいい僕も呆然としていました・・・
レストランをあとに、海岸沿いを無言でうつむいて歩くイタリア人たち・・・。お通夜の帰りのようで、こんなイタリア人、初めて見ました。