ニューワールドアーカイブ

2009.11.23

白金にニューオープンの「AWキッチン」で

銀座の"V"de Bistro Vionysがこの夏閉店して、ソムリエの斉藤さんが白金高輪にニューオープンした「AWキッチン」に移られたと聞き、早速出掛けてみました。


「AWキッチン」は、オーナーシェフの渡邊明さんが契約農家の新鮮な野菜と手打ちパスタにこだわって展開しているお店。白金以外にも都内に4店舗あります。店名の由来は、お客様をシェフの台所に招いておもてなしをしているイメージから。

 

まずは、モエのシャンパーニュをグラスで。アミューズは、ヴェジタブルコルネ。

 

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カリフォルニア・ナパの「フレンチランドリー」の演出に似ていますね。

外側のパリパリの生地がセサミ風味で、ちょっと甘みがありました。

 

 

店のイチオシ定番メニュー、AW農園バーニャ・カウダ。プレゼンテーションが素敵です。


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前菜は、秋野菜と幻の「鮭児」のテリーヌ 柿のビネグレット。

 

09112203.jpg鮭児は、11月上旬から中旬にかけて主に知床から網走付近でとれる脂ののった若いシロザケ 。1万本に1-2本しか獲れないともいわれる貴重なお魚。

 


09112204.jpgオーナーがカリフォルニアワイン好きだそうで、白は、ナパのソーヴィニヨンブランをいただきました。
2008ターンブル ソーヴィニヨンブラン 

ナパのオークヴィル地区、「オーパス・ワン」の北側の一等地に1979年設立されたワイナリーで、オーナーはパトリック・オデル氏。93年にジョンソン・ターンブル・ヴィンヤードを購入し、「ターンブル・ワイン・セラーズ」という名称に。90年代後半からカベルネソーヴィニヨンの評価が高まり、人気ワイナリーになりました。


エチケットにも「エステート・グロウン」と記しているように、ブドウはすべて自社所有の畑からまかなっています。


このソーヴィニヨンブランは、ターンブル唯一の白ワイン。オレンジやレモン、それに白いバラの香り、すっきりした酸のまとまりに加えて、トロピカルフルーツのリッチなニュアンス、後味にわずかにほろ苦さが残り、カジュアルすぎないところが気に入りました。

 

 

パスタの種類が多いので、とても迷いましたが、青森の長イモとウニ、岩海苔のクリームソース・パッパルデッレを。

 

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長イモがパスタのように太く薄く長くなって、柔らかい味のクリームソースの中で出番を待っていました! 岩海苔のグリーンもとってもさわやか。ウニもたっぷり入っていて満足です。

 

 

お肉は、北海道から届いたばかりのとっても歯ごたえがやさしい蝦夷鹿です。ローズマリーの一枝が味わいにアクセントを加えてくれます。

 

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09112207.jpg赤ワインは、
2005ブラウン・ブラザーズ メルロー(オーストラリア)

19世紀末、ヴィクトリア州ミラワに創立したオーストラリアで最も古い家族経営のワイナリーの一つ。2代目のジョン・チャールズ・ブラウンの時代、豪州初のリースリングの貴腐ワインを造るなど、ワイナリーが発展する基盤を作りました。

 

現在では、ミラワ以外にも広大なブドウ畑を所有し、ピノノワールやシャルドネ、オーストラリアでは珍しいバルベーラやピノグリージョも栽培しています。


州北部の温暖なカンガルー湖畔には妻の名前にちなんで名付けられたパトリシアというプレミアムワインを生み出す畑があって、メルロはその畑から。ブラックベリーやチョコレートの香り、タンニンは柔らかでミディアムボディの味わいでした。

 

できれば、赤はブルゴーニュを飲みたかったなあ。フランスワインもこれから充実させていただければうれしいなって、思いました。

 

 

 

デザートは、栗のスフレとラムレーズンアイスクリームに、

 

09112208.jpgもう一つ、長野パープル、セトジャイアンツ、信濃スマイルの3種のブドウを使った寒天テリーヌ。


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ハーブティーも充実していました。葉っぱを小皿に載せてプレゼンテーション。私は、ユーカリやジャスミンフラワー、ペパーミントがブレンドされたデトックス効果のあるお茶を選びました。


 

プティフールの演出もユニークです。

 

09112210.jpg手前のアクセサリー入れのような木箱にかわいらしく収まっています。向こう側のスティックはギモーブの花畑。

演出につられて、たくさんいただいてしまいました。 

 

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2009.11.14

美味しいカリフォルニア その4(最終回)~はずせないB級(?)グルメ

カリフォルニアのワインカントリーを巡って、はずせないのはやはりB級グルメでした。
今回の旅で印象に残ったものをいくつかご紹介したいと思います。

 

まず、ナパの北、間欠泉がある街、カリストーガのカフェのパンケーキ。


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現在上映中の映画「サイドウェイズ」で、菊地凛子演じるところのミナが働く店「カフェ・サラフォルニア」は実在します。


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ⓒ2009 Twentieth Century Fox and Fuji Televesion 

 

店の奥にこんなサインも見つけたりして、かなりミーハーしてきました。


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このカフェ、100年以上の歴史をもつ古い店。

19世紀にニューヨーク州で人気のあったリゾート地、サラトガ・ホットスプリングスの噂を聞きつけた実業家のサム・ブラナン氏は、「西海岸にだってそれに匹敵する温泉地はあるぞ」と、この地に目をつけました。

カフェの名前は、サラトガ+カリフォルニア・・で、サラフォルニア!

 

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いわゆるアメリカのダイナーのメニューです。

ストロベリーとバナナがたっぷりで、甘~いパンケーキ。


09111406.jpg野菜とチーズのペンネはオリーブオイルにニンニクが利いていて、驚くほどあっさり味。

地元のスパークリングウォーターがとても美味でした。

 

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ナパのオックスボウ・パブリックマーケットは、10月30日付けの「GINZA通信」でも取り上げましたが、ここは歩いているだけでも楽しいです。


オーガニックな地元野菜に、


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オリーブオイルの専門店ではテイスティングもできます。

 


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スパイス屋さん

 

09111410.jpgかわいいカップケーキの専門店


09111411.jpgチーズも地元産が中心で


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地ビールも充実


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もちろん、ワインコーナーも


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ほかに、古道具屋さんもありました。


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ここでご紹介するのは、テイラーズのバーガー。

ナパ発祥ですが、サンフランシスコにも進出しているバーガー専門店。

 

 

09111416.jpg7-10ドルもする高級ハンバーガーは、肉汁ジュワッでブルーチーズがとろり。セレブたちにも大人気だとか。
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私のおすすめは、マグロをさっと炙って、ハーブ味のコールスローサラダとともにはさみ、ジンジャー・ワサビマヨネーズを添えた「アヒ・バーガー」(左)。

東洋的な味わいが卵たっぷりトーストされたバンズとよく合うのです。

特産のスイートポテトを使ったフレンチフライがほくほくして、表面にアメなしの大学イモみたいでした。

 

 

ソノマのケンウッドにある小さなレストラン「Doce Lunas(ドセ・ルナス)」では、素敵な家庭料理に出合いました。

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スペイン系のアレックス氏と日系3世のジャッキーさん、仲良しのプロイ夫妻が営むお店です。

 

09111419.jpg 09111420.jpg有名ホテル勤務時代に出会った2人は、料理の武者修行で世界中を放浪しました。

なぜか世界中のチリソースのコレクションがずらり。


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最初は、蒸篭に載せた蓮華でフルーツのサービス。

 

09111422.jpgスパイシーシュリンプに小さな俵型のおにぎりライスが添えられた一皿や

 

09111423.jpgハチミツの甘みがやさしいポークチョップ

 

09111424.jpgは、ジャッキーさんのお母さんのレシピ。店でも一番人気のメニューだそうです。

ちなみに、店の名前は、アレックス氏がおばあちゃまに、「ハイウェイ12号線の月の谷のそばに店舗用の土地を購入した」と報告したところ、おばあちゃまが「12個のお月様(ドセ・ルナス)を買った」と勘違いしたところから付けたそうな。

「僕の下手なスペイン語のせいで、素敵な名前になった。グランマ、ありがとう!」と、アレックス氏はにこやかに説明してくれました。

 

 

最後は、サンフランシスコ・フェリービルディングにある「ホグアイランド」のオイスター。


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サンフランシスコの北西80キロにあるトマレス・ベイのオイスターを中心に、東海岸のロングアイランドやワシントン州のものなどが揃っていました。


6種類を選んで盛り合わせに。

 

09111427.jpgトマレス・ベイの「スイートウォーター」はミルキーでリッチな味わい。

「クマモト」は、小ぶりだけれど繊細で複雑な味わい。


たっぷりグリーンサラダとクラムチャウダーもいただきました。


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オイスターに合わせたのは、モントレー産のスパークリングワイン、Me Intyre L'homme qui ris Brut。

酸味すっきりの爽やかな味わいでした。

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2009.11.12

美味しいカリフォルニア その3~メンドシーノの街中で

北カリフォルニア・ワインカントリーの最北端にあるメンドシーノは、ニューイングランド地方からの移民によって建設された街です。


「その2」では、「マッカラム・ハウス・イン」のレストランをご紹介しましたが、

街のメインストリートには、美味しいスポットがいくつかあります。

このメインストリート、レトロな雰囲気を残しているためか、ハリウッド映画のロケ地としてよく利用されているそうです。古くは、「エデンの東」にも登場、ジェームズ・ディーンの宿泊したホテルの部屋は今も残されています。


 

「パターソンズ」は、アイリッシュ・パブ。

 

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80種類以上の地ビールが並びます。 

 

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ここのランチは地元でも美味しいと評判でした。
店のスタッフのおすすめで、Scrimshowというビールと、クラムチャウダー、

 

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それに好物のBLTサンドを食べました。

カリカリベーコンの脂がほどよく口に広がります。

 

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街には、中国移民が作ったお寺やら、


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ローズピンクの教会風建物は、オーガニック専門のマーケット。

 

 

09111206.jpg二階にはスパイスやハーブ、ティーなどが充実。買い物客は、スタッフのアドバイスを受けながら、自分で好みのブレンドを調合していました。
 

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ジェリー夫妻が営むオーガニック・コーヒー専門店は、街の人々の憩いの場。


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ニューマイヤー夫妻が経営する「メンドシーノ・マーケット」は、地産地消にこだわったサンドイッチが20種類近くも揃う人気店。

 

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ダンジョネスクラブミートと炙りサーモン、どちらもフレッシュな大地の恵みに感謝です。


 

09111212.jpgワインも、もちろんオーガニック。


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そして、KOMBUCHA BOTANICAというドリンクを発見。

 

09111214.jpg昆布茶ではありません。

 

アダム&エイシャー・グッドマン夫妻が造っているヘルシードリンク。カリフォルニアのオーガニック大好きピープルの間では、結構有名みだいです。

 

ラベルにデザインされているのは曼荼羅で、エネルギー、女性性、美、ミステリーなど様々な意味が込められているそう。

哲学的な飲み物?? 

漢方薬系ハーブにオレンジやザクロなどで自然な果実風味もつけてあります。

でも、私はちょっと苦手でしたけど。

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2009.11.07

美味しいカリフォルニア その2~メンドシーノ「マッカラム・ハウス・イン」

北カリフォルニアのワインカントリー最北端に位置するメンドシーノ郡。ニューイングランド地方の移民によって建設されたこの街は、古きよき時代のアメリカの空気が残っています。

 

メンドシーノの話題は、11月6日付けのヨミウリオンライン「GINZA通信」でも、詳しく取り上げていますので、合わせて読んでみてくださいね。

中心街にほど近い、ヴィクトリア調の建物「マッカラム・ハウス・イン」には、北カリフォルニアのオーガニックな地消地産にこだわった話題のレストランがあります。

 

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エグゼクティブ・シェフのアラン・カンター氏は、カリフォルニアのセレブリティにも大人気。

もちろんワインは、メンドシーノをはじめ、ナパやソノマ産。

レストランの内装は白が基調で、肩の凝らない雰囲気です。

デザートを入れて5品目が並ぶ「テイスティング・メニュー」は、それぞれにセレクトされたワインが付いて、135ドル。 

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最初のお皿は、セサミシードをまぶしてさっとあぶった、レアなイエローテール。
アメリカではおなじみの魚です。ハマチと思わされているようですが、高級魚のヒラマサです。日本でいただくよりも脂ののりが少なめな感じはしますけど。sushi riceに海草サラダ、ポン酢ソースとワサビ・アイオリ(ニンニクが利いたアイオリーソースにワサビでアクセント)を添えて。日本の食材を意識してますねえ。

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0911060301.jpg アペリティフから飲み始めていたのは、

NVロデレール・エスエート ブリュット(アンダーソン・ヴァレー)

「フレンチランドリー」の項でもご紹介しましたが、フランスのルイ・ロデレール社がカリフォルニアで初めて造ったスパークリングワインです。

自社畑のブドウを使用。ピノノワール30%、シャルドネ70%。

3年ほどオーク樽で熟成されたリザーヴワインをブレンド。

明るいゴールドで、洋ナシのようなフレッシュさを残しながらも、ナッツやスパイスの香りに包まれてエレガント

 

2皿目は、コマンチェ・クリーク産昔ながらのトマトを使ったBLT。

ホームメイドのモツァレラチーズ、リンゴの木でスモークしたベーコン、バターレタスの大好きな黄金トリプル・コンビネーション。オリーブ油とバルサミコでアクセント。

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0911060401.jpg ワインは、
2006メアリー・エルク シャルドネ(アンダーソン・ヴァレー)

少量生産で一般的に入手が難しいエルク・ファミリーのシャルドネです。

ピノノワールが有名で、東海岸にもファンが多いそう。

 

オーク樽を使っていないので、果実のフレッシュさとしゃきっとした酸味が伝わってきます。

 

 

 

3皿目は、リバティ・ファームの鴨のコンフィ。
ウォルナッツ入りの焼いたパン・プディングを添えたアメリカ的な料理。

メンドシーノ産ブラックベリーを赤ワイン(シラー)で煮たソースがベストマッチでした。

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そうなるとワインは、
2007スパイスラック「パンチダウン」シラー (ソノマ・コースト)

深いルビー色で、カシスや黒コショウ、ローズマリーの香りが広がります。タンニンも柔らかで、エレガントなスタイルでした。

 

 

 

 

 

 

マンゴのソルベでお口直しをして、

4皿目はメインディッシュで、ニーマン・ランチのフィレ・ミニヨン・グリル。

ホースラディッシュを加えたフレッシュクリーム入りのマッシュポテト、チェリーとブラック2種類のペッパー入りのバター、赤ワイン(カベルネ)を加えたデミグラソースで。
 

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0911060601.jpg ワインは、
2003シャトー・モンテリーナ エステート・カベルネソーヴィニヨン (ナパ・ヴァレー)

カリフォルニアワインがボルドーを差し置いて高い評価を独占、ワイン史に残る事件として刻まれている1976年の米仏ブラインド対決「パリ・テイスティング」。その対決でも主役を演じたのが、このシャトーです。この時は、1973年のシャルドネがトップに。

設立は1882年とふるいのですが、禁酒法時代に長らく放置され、蘇ったのは、弁護士のジェームズ・パレット氏が買い取った1970年代以降です。

エステート・カベルネは、同社の最高峰カベルネ。果実味もリッチでボリューム感たっぷり。あと10年は熟成させたい、印象でした。

 

さて、デザート。チョコレート尽くしです。
ビタースイートチョコのbudino(イタリアンプディング)には、カラメル味のピーカンナーツ、そしてホイップクリームも。チョコレートプラリネのアイスクリーム、それに、トリュフ。

 

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0911060701.png ワインは、
2006ブルトカオ ポート(メンドシーノ)
ジンファンデルを使ったポートワイン。熟したプラム、そしてチョコレートのカカオ風味がいきいき。

 

 

 

 

 

 

 

このレストラン、朝食もとても美味しかったです。

エッグベネディクトの一皿。テラスからは太平洋を見渡せるし、窓から差し込む陽光もほどよくあったか。

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庭の向こうには離れもあります。
 

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食後の散歩をしながら、いつのまにか花の写真をたくさん撮っていました。

カリフォルニアを訪ねる機会があれば、ぜひメンドシーノまで足を伸ばしてみることをおすすめします。

のんびりゆったり、時の流れに身を任せるとはこういうことか・・・って、再発見がありますよ。

 

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2009.11.02

銀座にニューオープンした「シェ・トモ」で

大好きなフレンチレストラン、以前にもご紹介したことのある白金の「シェ・トモ」が、銀座に新しい店をオープンしました。


 

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銀座1丁目の新ポーラ銀座ビルの11-12階。プランタン銀座からも近いところ。

 

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銀座に進出すると、料金設定が上がるかまたは料理の量が控えめになるか、といった店が多い中、料金は、ランチコース2890円、ディナーコース5780円と、今まで展開していたリーゾナブル価格をキープ。オーナーシェフの市川知志さんの心意気が感じられます。


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11階は気軽にワインを楽しめるカウンターが中心。12階は落ち着いたダイニング・スペースです。おしゃれでかつ バランスのいいカラトリーは、イタリアブランドのサンボネでした。
 

ハウス・シャンパーニュには、アヤラを採用。

いきいきとした味わいの中にも、アーモンドのような香りのニュアンスが広がり、最初にいただく、豚のリエット(昔から大好物!)や定番の「ウニの貴婦人風」との相性もなかなか。バゲットは、プランタン銀座内に店舗があるビゴさんのを使っているそうです。

 

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今回の料理で一番感動したのは、森のキノコ三昧、セップ茸、ジロール茸、ムースロン茸、トランペット茸などの寄せ造り。

肉厚な歯ごたえ、フルーツのような香り、まろやかな味わい。これ、キノコの旬のうちにもう一度食べたいなあ。


 

お得意の野菜30種類の盛り合わせ。


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ワインは、特別に、カリフォルニアで買って来たものを持ち込ませていただきました。

2000アロウホ カベルネ・ソーヴィニヨン(アイズル・ヴィンヤード)


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久しぶりに飲みました!

力強い色調でしっかりしたタンニンを感じますが、口に広がる味わいは、とってもエレガント。

ソムリエの大芦一人さんも一言クールに、「美味しいですね」。

 

ワイナリーは、ナパの最北部、温泉地としても有名なカリストーガ地区にあります。
醸造施設は木造でとてもシンプル。

 

 

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9月に訪問したときは、ちょうどブドウの収穫期。

ヒスパニックのブドウ摘みが、陽気に歌いながら一粒一粒手摘みしていました。

 

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オーナーは、1990年からバート&ダフネ・アロウホ夫妻。2000年から、ミシェル・ロランがコンサルタントとして参加し、自然界のリズムでブドウを育てるビオデナミを実践しているので、1990年代と2000年代のリリースで、比べてみるのも面白そうです。

 

次のメニューは、ムラサキイモのポタージュ。お芋のスイートパワーが広がります。
 

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メインのお肉のプレート。いつもながらおいしい!

 

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チーズもしっかりいただきます。

 


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それに合わせて、ボルドーのメドックとソーテルヌを勧められました。

 

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私は、左のメドックを選びましたが・・・

1996 シャトー・ラ・ゴルス

 

メドックのクリュ・ブルジョワですね。

シャトー・マルゴーやレオヴィル・ラスカーズなども手がけるエリック・ボワスノ氏が醸造コンサルタントを務めているそうです。

オーク樽18か月熟成で、結構樽の香りがしました。青カビチーズやウォッシュタイプの、おいしさが倍増です。

 

さて、デザートは、素材をテーブルまで見せに来てくれます。

 

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グレープフルーツやパイナップル、それに旬のフルーツがあるときにはその味を生かして作られる、市川シェフのオリジナリティ全開の「大地の恵デザート」なんですよ。果物を焼いたり焦がしたり、ジェリーやソルベとの組み合わせが楽しいのです。

ハーブティーは、ペパーミントとジャーマンカモミール、ベルベーヌをブレンド。 

ごちそうさまでした!

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2009.10.25

美味しいカリフォルニア その1~「フレンチ・ランドリー」

9月にカリフォルニア・ナパを久しぶりに旅して、ワインとともに楽しむ「美味しいカリフォルニア」を再発見しました。
そこで、現地報告を何回かに分けてお届けすることにしました。

 

1回目は、「全米一予約の取れないレストラン」といわれている、「フレンチ・ランドリー」

 

09102401.jpgカリフォルニア・ナパの隣り街、ヨントヴィルの閑静な住宅街にある石造りの2階建て、なんとも素朴な佇まいの店。 

 

6年前、サンフランシスコの対岸、バークレーに住んでいたころ、日本から家族や友人が訪ねてくるたびに予約を取ろうとトライしたのですが、いつも振られてばかり。

 

というのも、2か月前の10時きっかりに電話をかけるというユニークな予約システムがあるからなんです。今回はちょっと奥の手を使って、予約に成功! 

 

訪問したのは9月4日。午後7時45分からの1階のテーブルでした。

毎日メニューは変わります。

オーナーシェフのトーマス・ケラー氏から歓迎のレターが届いていました!

 

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レストランの建物は1880年代に造られ、最初は酒場として使われていましたが、1920年から始まる禁酒法の時代には一時売春宿に。

さらに、20年代後半、フランス人がスチームを使った洗濯屋を営むようになり、それが現在の店名の由来といいます。

 

74年にヨントヴィルの町長夫妻が買い取りレストランにリニューアル、そして、94年、現在のシェフでオーナーのトーマス・ケラー氏がフレンチ風のアメリカ料理を提供するレストランをオープンします。

ただし、7月のオープニングの日は散々の結果だったそう。しかし、スタッフの団結は逆に強まり、その後、地元の「サンフランシスコ・クロニクル」紙をはじめ、97年に「ニューヨーク・タイムズ」紙で絶賛されたのをきっかけに大ブレイク!
 

メニューは、240ドルのプリフィックスのみ。

「シェフのテイスティングメニュー」と「ベリタリアン向けのテイスティングマニュー」で、どちらも9品が並びます。

 

ベジタリアンメニューもとても美味しそうだったのですが、
ジェネラル・マネジャーのニコラス・ファヌチさんの「初めて召し上がるのであれば、そして食事の制限がないのであれば、シェフのメニューを選ばないと、後悔なさるのでは」との強力なるサジェスチョンがあって・・・もちろん、そちらを選びました。

 

洗濯バサミを模したナプキンホルダーがしゃれています。

   

 

 

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テーブルを飾る花もランプも大げさでなく、可憐なところが素敵です。


09102404.jpgまず、チーズ風味の小さなシューをつまみながら、アペリティフは泡ですね。

 

2002ロデレール・エステート キュヴェ・レルミタージュ

 

ナパの北、メンドシーノ郡・アンダーソンヴァレーにあるこのワイナリーは、シャンパーニュの名門、ルイ・ロデレールがスパークリングワイン専門に設立。100%自社畑のブドウを使用。

太平洋から吹く冷たい風と深い霧によって冷涼な気候が保たれ、気候条件がシャンパーニュ地方とよく似ているのです。


 

 「キュヴェ・レルミタージュ」は、ホワイトハウスの晩餐会でも使われる同社の最高級品。黄金色の輝き、酸の切れもよく、ヘーゼルナッツや洋ナシの豊かな味わいが広がります。


 

 

定番のサーモンのタルタル・クレープ包み。ケラー氏がアイスクリームショップでひらめいた仕立てだそうです。

 

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では、コースの始まり!


 

oysters and pears


 

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アイランドクリークのカキと真珠に見立てたタピオカ入りサバイヨンソース。

セブルーガのキャビアがたっぷり載って。お店の代表的なメニューです。

 

 

salad of lobster mushrooms 

 

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歯ごたえのあるロブスターマッシュルーム。キノコというより、魚介類系の味? 

イエローコーン、ベビーリーキ、卵黄仕立てのベルナーズ・シロップを添えて。

 

 

白ワインをいただきました。

 

09102407.jpg2006レミィ シャルドネ(ハイド・ヴィンヤード)

 

ナパの玄関口、カーネロスの栽培家、ラリー・ハイド氏のワイナリー。

「キスラー」や「ポール・ホブス」、「フロッグス・リープ」などの生産者にブドウを提供していることで知られています。

 

「レミィ・ワイン・セラーズ」もその一つで、オーナーで醸造責任者のレミィ氏は、「ドミナス」や「シミ」で素晴らしいワインを生み出した実績を持つ人。フィルターをかけず、ブドウ本来のいきいきとした酸味やフルーティーさが伝わってきました。
 

 

パンも自家製。

 

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grilled pave of japanese toro

 

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軽く炙った日本産のトロに組み合わせたのは、秋田小町のお米、ネーブルオレンジ、アボカド、スプリングオニオン、コリアンダー。マツタケ風味のブイヨンで。

かなり日本の素材を意識しています。

 

 

cesar salad

 

 

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メーン州のロブスターテールにロメーン・レタスをほどよく焦がして。ニンニクとオリーブ風味のガーリックメルバとカラスミが添えられています。

へえ、これを米国名物「シーザース・サラダ」というの? 洗練されてます。

 

 

赤ワインをいただきます。


 

09102411.jpg2007ポーター・バス ピノノワール(ロシアン・ヴァレー)

写真ぼけぼけになってしまったので、ワイナリーのロゴを紹介します。

虫さんマークに象徴されるように、こちら、1980年に古いジンファンデルやパロミノが植えられていたブドウ畑を買い取り、土壌を改良、徹底した有機栽培でピノノワールを育てています。


干したプラムやブラックチェリーの香り、森の土のニュアンスも感じられ、エレガントなタンニンを楽しめ、余韻も十分。

 

ちなみに、この店のワインリストは、100ページ近くあります。

カルトな「スクリーミングイーグル」の1997年ヴィンテージは、なんと1万ドルを超えていました!!


 

marcho farms   cœur de veau

 

09102410.jpg仔牛の心臓です。内臓好きなので、うれしいメニュー。

ハックルベリーの実、シポリーニオニオン、ターニップ、コーンサラダのソービーズソース。タマネギの甘い味わいに酔えます。

 

elysian fields farm lamb saddle

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メインのラム肉です。サマースクワッシュ、オリーブ、そしてデミ・セックのトマト、タイムがアクセントに。

「常にゲストにサプライズを与える料理」が同店の哲学らしいのですが、メインはごく平凡な印象。

それにしても、アメリカ人には量が少ないのではないか、と心配でした。

 

 

andante dairy cavatina

 

09102413.jpg二重唱、「カヴァティーナ」にたとえたチーズのプレート。

ピーチ、ベルギー産アンディーブ、パンプキンシード、ウォータークレソン、バスク地方のピメント・・・。インターナショナルな味わいです。


 
honeydew melon sorbet


09102414.jpgホームメードのハニーデューメロンのソルベ。バジルでさっぱりと。

 

 

最後のデザート、二者択一なのですが、選びあぐねて、両方いただいちゃいました。


 
gateau saint nizier au manjari

濃厚なチョコレートケーキにマンゴの味わい、ライムとココナッツミルックのソルベが優しい味に。

lemon verbena vacherin

パンナコッタとレモンとバーベナを合わせたソルベ、地元シルヴァラード・トレイルの冷たいストロベリーコンソメと一緒に。 これ、絶品でした! 

 

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バーベナのハーブティーをいただきました。


 

 

プティフールやショコラも、全部食べてしまいたいくらい、美味しかった!

 

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最後に、キッチンに案内していただきました。

トーマス・ケラー氏の右腕としてキッチンを守るティモシー・ホリングスワース氏と。

2002年からケラー氏のもとで腕を磨き、ケラー氏がニューヨークにつくったレストランのオープンを任された方です。


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野菜は、店のすぐ近くにある自家農園で育てているそうです。

うーん、機会があれば、今度は野菜づくしのメニューに挑戦したいなあ。

 

 

 

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2009.10.18

ダリオッシュのテイスティングルームで

10月9日付けのブログに、「無類のダリオッシュ好き」というカタヤマ様から、素敵な情報がコメント欄に寄せられました。

 

初来日されたダン代表を迎えての他のイベントが報告されていますので、気になる方はぜひ10月9日付けのコメント欄もチェックしてくださいね。

 

というわけで、「ダリオッシュ」の話題をもう一つご紹介しておきましょう。

 

9月の初め、北カリフォルニア・ナパのシルヴァラードにあるダリオッシュのゲストセンターを訪ねたときのことです。

 

センターのオペレーション・マネジャーのライアンさんとグローバルセールス担当のドーンさんがまず案内してくれたのは、映画「サイドウェイズ」で、ワインアドバイザーとして活躍する鈴木京香が、顧客から結婚パーティーのワインセレクションを任され、やって来たセラーのある場所。


 

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とっても落ち着いた雰囲気。

美しく並べられた様々なワインに、ただただ感動、です。


樽を寝かせているセラーも、とってもゴージャス。

隅々まで手入れが行き届いていて、その場に立つだけで、清清しい気持ちにさせてくれます。


 

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「ダリオッシュ」のテイスティングルームには、いくつかのタイプがありました。(すべて有料。詳細はダリオッシュのWEBサイトの「unique experiences」で)

まず、ゲストセンター1階正面に広がるカウンター。

 


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それから、少人数のグループでプライベートルームを予約するタイプ。

 


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そして、私が体験したのは・・・
「The Quintessential Wine Experience」という、まさにダリオッシュの真髄を楽しむものでした。


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ダリオッシュの素敵なコレクションに囲まれた部屋で、

 

 

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ボルドースタイルの料理を得意とするシェフ、ケン・フランクさんのメニューでマリアージュ を味わいました。


オーナーのダリオッシュ氏については先のブログでもご紹介しましたが、ボルドー好きで、素晴らしいコレクターとしても知られています。
そこで、テーマは、「ボルドーとダリウスⅡ」です。

 

 

今回テイスティングしたのは、右から、
 2006 ダリウスⅡ
 2006 シグネチャー カベルネソーヴィニヨン
 1988 シャトー・オー・ブリヨン

 

 

 

 

09101812.jpgダリオッシュの珠玉の1品、「ダリウスⅡ」2006年は、

カベルネソーヴィニヨン95%、メルロ5%のブレンド。タランソー製フレンチオークの新樽100%で20か月熟成しています。

ダリオッシュの所有畑の中でも、古樹が残る2エーカー足らずの区画から手摘み、2度の選果で厳しくセレクトしたブドウのみを使用して造られます。わずか18樽しかリリースされていません。エチケットは伝統的なペルシャの文様で、どこかエキゾチック。

 


ブラックベリー、リコリス、濃厚なエスプレッソ、エキゾチックなハーブや土のニュアンス・・・。新樽率100%なので、甘いヴァニラの香りも心地よくて。そして、滑らかなタンニンが舌の上を転がります。

 

「シグネチャー カベルネソーヴィニヨン」2006年は、前にもご紹介しましたが、最初はよく熟れたブルーベリーなど果実味の印象が前面に出てくるのですが、味わいはまろやかでエレガント、シナモンやナツメグのスパイシーさがアクセントに。

 

さて、ダリオッシュ氏のプライベートセレクションから今回サービスされたのは、ボルドーのグラン・ヴァン、1988年の「オー・ブリヨン」。ジョン・ロックやトーマス・ジェファーソンも愛した伝統のグラン・ヴァンです。

 

それにしても、テイスティングに「オー・ブリヨン」とは、あまりにも太っ腹??

 

「ワイン・コレクターには2つのタイプがある。利殖のためという人と、分かち合うためという人と。私は後者のタイプ。素晴らしい友人と美しいボトルを開けて楽しい時間を過ごすことほどの喜びはない」というのが、ダリオッシュ氏の持論のようです。


とってもパワフルで、ミントやベリーの複雑な香り、そして洗練されたタンニンの味わいも。言うことありません・・・。
 

さて、こうして比べると、「ダリウスⅡ」を寝かせて、10年後、20年後がほんと楽しみになってきます。

 

 

そうそう、合わせた一口サイズのお料理は

 

09101813.jpg上から順に、


ブリオッッシュに載せた鴨とフォアグラのリエット


カルダモン風味のかりかりバナナ・チップスに載せた鴨胸肉、イチジクの赤ワイン・コンポート添え


ライ麦パンに載せたオーストラリア牛のたたき アイオリソースで味付けたトランペット茸とケネベック・ポテトの賽の目切りを飾って

 

 

私にとって、忘れられないテイスティングルーム体験になりそうです。

ちなみに、私は記念にと思い、奮発して2005年の「ダリウスⅡ」をプランタン銀座で購入しました。税抜き価格で35000円。ホームセラーで大事に寝かせてみます。
 

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2009.10.09

「ダリオッシュ」のダニエル・デ・ポロ代表を迎えて

 台風18号の影響が心配されましたけれど、午後には勢力も弱まり、

 

09100801.jpgカリフォルニアのワイナリー「ダリオッシュ」のダン代表がプランタン銀座に夕刻に来店、先日お知らせしたセミナーを無事終えることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 参加者の皆さんと、2種類のワインを試飲。

2006キャラバン カベルネソーヴィニヨン
2006ダリオッシュ シグネチャー カベルネソーヴィニヨン

 

「キャラヴァン」は、カベルネソーヴィニヨン76%、メルロ15%、カベルネフラン5%、プティヴェルド2%、マルベック2%のブレンド。「ダリオッシュ」は、カベルネソーヴィニヨン85%、メルロ9%、カベルネフラン3%、マルベック3%のブレンド。

 

「2つを比べると、キャラヴァンは果実味が前面に出た丸みのあるエレガントなワイン。ある意味では、ナパの典型的なカベルネの特徴が出ています。ダリオッシュは、ボルドーとカリフォルニアの架け橋にという思いを込めて造ったワイン。長い余韻を十二分に楽しんでほしい」と言います。

 

お買い上げのボトルにサインをプレゼントするなど、サービス精神がとっても旺盛なダン代表。

 

米国の大手百貨店、ノードストロームで働いた経験を持つそうで、どこに旅行しても、デパートは必ずのぞくそう。9月は、パリのプランタンで奥様とショッピングを楽しまれたとか。

 

ちなみに、オーナーのダリオッシュ氏がワイナリーを築くまでのストーリーを、「ヨミウリオンライン」の10月9日付け「GINZA通信」にまとめていますので、ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

 

最後に、売場スタッフと記念撮影・・・

 

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 いつも笑顔が素敵なダン代表でした。

 

さて、先立つ10月6日、マンダリンオリエンタル東京のフレンチダイニング「シグネチャー」で、ダンさんを囲んで「ダリオッシュ」のワインを楽しみました。


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ワインリストは次の通り。
ポー・ラ・ヴィ スパークリングワイン グラン・キュヴェ
2008ダリオッシュ シグネチャー ヴィオニエ
2007ダリオッシュ シグネチャー シャルドネ
2006ダリオッシュ シグネチャー メルロ
2006ダリオッシュ シグネチャー カベルネソーヴィニヨン

 

まずは、アミューズ。


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09100804.jpg「ダリオッシュ」はスパークリングワインを造っていません。

なので、最初のワインは、マボロシ・ワイナリーの私市(さきいち)友宏さんの奥様、レベッカさんが醸造家を務める、サイモン・レヴィ・セラーズのもの(インポーターさんが同じでした)。

シャルドネ100%使用のフレッシュでふくよかなタイプです。アールヌーボー調のエチケットがおしゃれですね。


マボロシ・ワインは、大阪生まれの私市さんが、「ラ・ターシュ」にあこがれて、米国人の妻とフランスに飛び出し、アルマン・ルソーで修行、その後、カリフォルニア・ソノマに渡って1999年に初リリースしたワインです。

渡仏した時には、周囲から「そんな夢まぼろしみたいなことを言って」と猛反対されたそう。日本的な響きが気に入って、そのままワイナリーの名前にいただいちゃったというわけです。

 

 

ヴィオニエを合わせたのは、

 

09100807.jpgウニのブラマンジェ カリフラワーのムースとサラダ、サフランの香るニンニクバジルソース添え

白い花の香りがとっても華やか。

完熟した白桃のとろける甘みとレモンのような酸味のバランスがいい感じでした。

 

 

シャルドネを合わせたのは、

 

09100808.jpgヒラメのヘーゼルナッツ・グラチネ ワイルドマッシュルームと秋トリュフを添えて 

果実の凝縮感とミネラルの豊かさは、さすが骨太のカリフォルニア・シャルドネ(と私は思っています)。香ばしいヘーゼルナッツの余韻が、料理とうまく融合していました。


 

 

メルロを合わせたのは、

 

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シャラン産鴨胸肉のローストと山栗のリゾット ジュニパーベリーの赤ワインソース


09100810.jpgいやいや、驚くばかりの強烈なメルロでした。スパイシーで濃厚で。メルロ独特の香りがあるのですが、タンニンも結構しっかり。

「これ、カベルネですか?」と尋ねていた方も。その気持ち、わかります。カベルネフラン5%ブレンド。

 

 

 

 

 

 

 

 

カベルネを合わせたのは、

 

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栃木県産牛フィレのロースト ポロねぎとピクルスを合わせた腎臓のタルト マスタード風味のムースリーヌソース

熟したプラムやチョコレート、土っぽさ、シナモンの香り、長い余韻・・。キーワードがいくらでも挙げられそうな複雑な味わいでした。


「ナパとボルドーの架け橋に」と言うボルドー好きオーナーならではの力強いカベルネは、やはり「ダリオッシュ」の真骨頂なのでしょう。ブレンドは先に記したとおりです。アルコール度数約15%。若さ、硬さがあって、あと数年は置いておきたいです。

 

 

さて、お口直し

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デザートは、ローヌ=アルプ地方の銘菓、ヌガー・ド・モンテリマールのムース仕立て リンゴのソルベとカルヴァドスのサバイヨン


09100813.jpg白いメレンゲの中に、ナッツやドライフルーツが宝石のように散りばめられたヌガーは、絶品でした!

 

 

09100814.jpg甘口のデザートワインは、

2006ダリオッシュ シャーパー レイトハーベスト。

セミヨン64%、ソービニヨンブラン36%。

 美しい黄金色で、軽い苦味がアクセントになり、ナッツ系デザートと相性がいいですね。
 

 

 

 

 

 

 

かわいらしいプティフールです。

 

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シェフのオリヴィエ・ロドリゲスさんと一緒に。右端は映画「サイドウェイズ」のチェリン・グラック監督、左端はマンダリンオリエンタル東京のデニス・リクター副総支配人。楽しい仲間で食卓を囲むと、本当に時間が経つのを忘れてしまいます。

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2009.10.02

カリフォルニア・ウルトラプレミアムワインのセミナーを8日に開催!

第77回オスカー受賞などで注目された米映画「Sideways(日本語タイトル「サイドウェイ)」。

鈴木京香、菊池凛子、小日向文世(こひなた・ふみよ)、生瀬勝久ら日本人キャストを迎えてリメイクされた、日本版「サイドウェイズ」(20世紀フォックス映画配給)が、10月31日から、いよいよ全国ロードショーされます。

 

 

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ⓒ2009 Twentieth Century Fox and Fuji Televesion 

 

主な舞台は米カリフォルニア州ナパ・ヴァレー(Napa Valley)。

そう、カリフォルニアワインの聖地なのです。


劇中には、ナパの美しい景観とともに、フロッグス・リープ、ニュートン、ベリンジャーなど、バラエティに富む11のワイナリーが登場します。
色、味、香りなど千差万別なキャラクターをもつワインをテイスティングしながら、主人公たちは自らを重ね合わせ人生を振り返る・・・ちょっと胸キュン、コメディタッチの大人の青春ドラマです。

 

映画の公開を記念して、プランタン銀座でも、10月1日から20日まで、本館地下2階のワイン売場で「カリフォルニアワイン・フェア」を開催中。

 

09100102.jpg予告編のビデオ上映をはじめ、映画に登場するワイナリーからのワインを集積。

映画のノベルティグッズなどのプレゼントもご用意しています。

 

今回お知らせするのは、

09100106.jpg「ナパのウルトラプレミアムワイン」として話題になっているワイナリー「ダリオッシュ」の特別試飲セミナー(無料)。「ダリオッシュ」のワインは、映画のストーリーのカギを握るワインとして描かれているんですよ。

セミナーでは、映画の完成披露プレミアに合わせて来日するダニエル・デ・ポロ代表が自ら、プランタン銀座のワイン売場でお話くださることになりました。

 

10月8日(木)午後5時45分から約30分を予定しています。

試飲するのは、
 2006Caravan Cabernet Sauvignon Napa Valley
 2006Darioush Signature Cabernet Sauvignon Napa Valley
 
 

09100104.jpgワイナリーのオーナーのダリオッシュ氏は、1970年代、イランの政情不安がささやかれる中、南カリフォルニアに移住。故郷のシーラーズは、昔からのワイン産地で、イスラム革命までは良質のワインを造っていました。

氏は、幼いころから、趣味でワイン造りをしていた父親のそばでこっそり"テイスティング"をしていたそうな。

 

米国に移住後は、義理の兄弟とロサンゼルスを拠点にスーパーマーケットを経営、カリフォルニア全体に事業を拡大し、成功を遂げたアメリカン・ドリーマーの一人として知られています。
1997年、念願だったワインビジネスに進出、土壌や気候を徹底的に調査したうえで、ナパなどの95エーカーのブドウ畑を手に入れました。ワインコレクターとしても著名で、無類のボルドー好き。

 

09100105.jpg今回来日するダン代表は、ダリオッシュ氏の右腕といわれている方です。

 

 

 

 

2004年、ナパに完成した新しいゲストセンターは、ペルシャ様式で美しい宮殿のよう。映画でもかなり目立っています。

 

 

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セラーもゴージャス、様々なテイスティングルームがあって、とても楽しいんです。

 

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なかなか目にする機会のないカリフォルニアのウルトラプレミアムワインのセミナー、

ぜひご参加ください。

セミナーのご予約は、ワイン売場(03-3567-7885)へ。

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2009.09.28

「サロン・ド・テ アンジェリーナ」で楽しくマリアージュ

私のワイン講座では、3か月に1回、レストランで料理とのおいしいマリアージュを体験していただいています。


場所は、プランタン銀座の本館2階「サロン・ド・テ アンジェリーナ」

9月25日の回は私を含めて12人参加なので、ワインは6本プラスデザートワイン1本そろえました。


フランス料理出身の塩川シェフが、それぞれのワインに合わせた料理を作ってくれる、自分で言うのもなんですが、ちょっとぜいたくで、とっても楽しい講座です。(だいたい私自身がとっても楽しんでいるのです!)


「アンジェリーナ」は、モンブランだけじゃない! 

本格派フランス料理もお手ごろなんですよ。

 

今回は、講座の生徒さんのリクエストに応えてワインを選びました。

 

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左から、

シャンパーニュ・ブリュット ブラン・ド・ブランNV(ドゥラモット)
ソーヴィニヨン・ブラン 2009(シレーニ セラーセレクション)
ロエロ・アルネイス ベルドゥーディン DOCG 2006(ネグロ・アンジェロ・エ・フィリ・ディ・ジョヴァンニ・ネグロ)
レッド・ローズ2005(デヴィッド・フランツ)
メルロ オーディネール2006(小布施ワイナリー ソガペールエフィス)
シャンボール・ミュジニー2007(ドメーヌ・デュジャック)


 

09092702.jpg最初のシャンパーニュは、先日もご紹介したドゥラモットの「ブラン・ド・ブラン」。「サロン」の妹分といわれているシャンパーニュ、シャルドネ100%です。


カリカリに焼いたプロシュートとイチゴのミルフィーユ仕立てと合わせます。プロシュートのほどよい脂分とクリームチーズの酸味、イチゴのフレッシュな味わいが、繊細な「ブラン・ド・ブラン」を引き立てます。

 

 

 

09092703.jpg2つめのソーヴィニヨン・ブランは、人気が定着してきたニュージーランド南島のマールボロ地区で造られるドライでフレッシュな白ワイン。ほのかなやさしい甘みが残ります。


毛ガニのロワイヤル・蕪詰め。シャキッとした蕪の歯ごたえがよかったです。カニのような甲殻類、合いますねえ。

 

 

 

09092704.jpg3つめのロエロ・アルネイスは、イタリア・ピエモンテ州のDOCG白ワイン。1960年代に復活したアルネイスという土着品種100%。タナロ川をはさんで、有名なバローロ生産地域の反対側で作っています。

いささか濃い目の麦わら色で、アカシアのような花の香りととろりとした口当たり。個性的な味わいです。

ワイナリーの歴史は、1670年にジョヴァンニ・ドメリニ・ネグロ氏にまでさかのぼれるようです。


ナスのキッシュ仕立てにのっているのが、ホロホロ鶏のローストです。ソースは、タマネギのみじん切りを炒めてブイヨン、バター、小麦粉、牛乳などで煮詰めたスービーズソース。ミルク系の味わいがこの白ワインとはよくマッチしていました。

 

 

09092705.jpg4つめのレッド・ローズは、南オーストラリアのロゼワイン。名前の通り、華やかなローズ色。味わいは、チェリーというかプラムというか。

この生産者、デヴィッド・フランツ氏のウェブサイトはなかなかユニークでした。オーナー氏と妻とが赤ワインを掛け合ってワインまみれになっている姿がトップページに現れるので・・・。

料理は、キングサーモンのフリットと蒸した有機野菜の組み合わせ。レモンの酸味がきいたオランデーズソースでいただきました。

 


 

09092706.jpg5つめは、赤ワインで、長野県志賀高原山麓の小布施ワイナリーから「メルロ」を。

メルロ主体でカベルネソーヴィニヨンがブレンドされています。「ソガペールエフィス」ブランドは、自社農場ブドウと国内の優良農家のワイン専用ブドウを選んで造っているそう。国産果実100%使用なのですね。


ワイナリーの歴史は100年以上さかのぼりますが、欧州系のワイン用ブドウの畑を本格的に拡大したのは、1990年代初め。一般消費者から、ワインの樹1本1万5千円で購入してもらうワインの樹オーナー制度を設けています。

また、「ドメーヌソガ カベルネソーヴィニヨン プライベートリザーブ」は、全日空欧州線のファーストクラスにも採用されているといいます。


さて、今回飲んだ「メルロ」のボトルの裏には、こんな説明がありました。

「樽貯蔵など時代遅れと笑うがいいのです。小布施では、日本産ボルドー系品種は樽貯蔵して初めて真価を発揮するという強い信念のもと、100%樽貯蔵にこだわっています」。

 

09092707.jpgなるほど、熟したプラムの香り、ほんのり柔らかな樽の香りがして、味わいは複雑、滑らかなタンニンも心地よく感じられました。

 

リンゴとフォアグラのソテーにベリーソースを添えて。言うことありませんね。国産ワインの進化が頼もしく思える一品でした。

 

 

 

 

09092708.jpg最後の赤ワインは、やはり先日ご紹介した、ドメーヌ・デュジャックの「シャンボール・ミュジニー」です。デュジャックがシャンボールに持っている畑は、わずか0.53ヘクタールといいますから、貴重ですよね。


可憐な淡いルビー色ながら、ミネラルたっぷり、果実味豊かで、味わいはふくよか。

「エレガントですね!」と、最近ワイン用語を上手に使い始めた生徒さんの一言に、このワインの真髄が表されているような気がします。
茸のクリーム煮を詰めた仔羊のローストで締めくくりです。

 

そうそう、デザートも忘れられません。

モスカート・ドルチェ2008(ガイエルホーフ)

 

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 用意したモスカート・ドルチェは、私がイタリアの旅で最後に訪れたミラノのレストランで、店のご主人からプレゼントされたデザートワイン。北イタリア・トレンティーノの甘口白ワインです。

 

マロンの入ったティラミスと、キウィとピーチのジェリー。真ん中のジェラートは、なんとヨーグルトにオリーブオイルを合わせたもの。デザートワインとの相性、楽しくいただきました。

 

自宅で合わせるときの参考になりますよね。

最初のシャンパーニュとの組み合わせ、早速サンデーブランチで実践して、好評でした!

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)