インドアーカイブ

2009.09.26

インド産ワイン~「SULA」(スーラ)

私が講師を務めるワインクラスの生徒さんの中には、とっても好奇心旺盛な紳士がいらして、

「世界中のいろんな国の様々な種類を飲んでみたい!」

と、いつも難しいお題をいだだきます。

 

先日のリクエストは「インドのワイン」でした。

私にとっても初体験!

そういえば、よく利用する東麻布のワインショップで見かけたような・・・。
それで、「世界のワイン」コーナーで見つけました!!


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2008スーラ・ヴィンヤーズ シュナンブラン =左
2008スーラ・ヴィンヤーズ シラーズ =右

 

太陽をデザインしたエチケットが結構キュートで、歌って踊り狂うインドのコメディ映画をつい思い描いてしまうワインです。

ほかにも、ソーヴィニヨンブラン、ジンファンデル、カベルネソーヴィニヨン、それにスパークリングワインなどがありました。

 

スラ・ヴィンヤーズは、インド西部の商業都市ムンバイ(ボンベイ)から180キロ北東にあるナシクの町にあります。

随分前になりますが、取材でボンベイを訪れたことがあります。

気温も高く湿気も多く、とてもブドウが育つ環境ではないと思っていましたけれど。

ところが、このナシクの町は海抜610メートルの高地で、カリフォルニアやスペインに似た気候なのだとか。

 

ワイナリーのオーナーのラジーブ・サマント氏は、米スタンフォード大学卒業後、シリコンバレーで金融の仕事で活躍、1997年、故郷のインドに戻ってワイン栽培を始めました。

カリフォルニアで、ワインの楽しさに魅せられちゃったのでしょうね。

そして、ソノマの有名ワイン・コンサルタント、ケリー・ダムスキー氏をインドに招聘し、空調システムを導入、また、環境保全型のブドウ栽培を実践しているといいます。

 

シュナンブランは、パイナップルやマンゴーなど南の果実味がいっぱいで、酸味はやわらかく、フレッシュな味わい。タンドリーチキンなど香辛料のきいた料理との相性もよさそうです。

なお、ワイナリー・オーナーからは、「夏の夕刻に飲むのが最適なワイン」とのアドバイス・メッセージが付いておりました。

 

シラーズは、ブルーベリーのような味わいとスパイスの香りが広がり、滑らかなタンニンが結構後をひきます。ちょっと冷やしてから出したのですが、あまり冷やさない方がよかったな、という印象でした。

 

いずれにしても、千円台前半で買えるコストパフォーマンスのよさは素晴らしいです。


インポーターさんの資料によれば、アラン・デュカス氏のモナコの三ツ星レストラン「ルイ・キャーンズ」のワインリストにも採用され、また、イタリアではアンジェロ・ガイア氏が、カリフォルニアではコッポラの「ルビコン・エステート」のシェフ・ソムリエ、ラリー・ストーン氏が惚れ込んでいるというのだから、やはり気になる存在ですね。

 

サマント氏が目指すのは、「世界に通用するアジア最高のワイン」。

日本の国産ワイナリーも負けられませんね。

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)