オーストラリアアーカイブ

2010.06.15

「魚のほね」とスパークリングワイン

こんにちは。


しばらく更新が滞っていましたが、ねたはいっぱいあるので、これから気合を入れ直して、少しずつご紹介していくことにします。ワールドカップで、日本も白星スタートしたことですし・・・(あっ、全然関係ありませんでしたね)。

 

 

まずは、最近感動したお店から。

東京・恵比寿にある「魚のほね」です。
入口がほんとにわかりづらいのですが、急な階段を上ると、驚くほど静寂な空間が広がっています。


 

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金髪店主の櫻庭基成さんが1人で料理作りからサービスまでこなしていました。だから、1日客は3組まで、とか。


ナプキン代わりにオリジナルの手ぬぐいがテーブルにありました(これ、持ち帰れました)。


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活きのいい魚料理が中心ですから、この日は泡で通すことにしました。

そう、蒸し暑くなってきましたから、すっきりスパークリングワインがますます美味しい季節!

 

 


10060703.jpg南オーストラリアのアデレーイド・ヒルズにある「Bird in hand」というワイナリーのピノノワールで造ったスパークリングワイン「ジョイ」です。

 

造り方はシャンパーニュと同じ方式。泡はきめ細かく、エレガントなスタイル。


 

店主は、このスパークリングにほれ込んで、結構な量を「買い占めた!」と聞きました。

 


 

10060704.jpg良質なブドウが収穫できた年だけ造るので、数量は限定。シリアルナンバー(赤字の部分。2桁のようだけど、よく読めない)付き。

 

「ジョイ」というのは、同ワイナリーのオーナー兼醸造家のアンドリュー・ナジェさんのお母様の名前。高齢者や身障者のケアに尽くすNPO活動に熱心なジョイさんは、アンドリューさんにとって「人生の師」でもあったようで、「ワイナリーの成功はコミュニティの成功」というのが彼の哲学です。


2007年は、熟した赤い果実の心地よい香りが十分ありながら、バターを塗ったブリオッシュのようなクリーミーなニュアンスも。脂ののった魚と相性ばっちりです。

 

 

 

まずは、沖縄の太もずく。北海道のミズダコとともに。歯ごたえがしっかりありました。

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淡路島のハモ。のり酢でいただきます。

 

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アユの季節ですね。島根県産です。お腹が上側になってサービスされました。

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北海道産イワシクジラの握り。トロよりも美味しいかも。

 

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このあと、絶品のシジミのお吸い物がありました。

2キロのシジミから1リットルのスープをとるそうです。

 

 

本日のメインは、お刺身盛り合わせ。アオリイカやカツオ、スズキ、アオダイなど。

白身は唐辛子酢でいただくと、ぴりりと引き締まった味わいに。

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千葉・銚子からはノドグロ。新鮮なので、骨離れが素晴らしい!

 

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追加で、石川県白山の純米生酒(車多酒造)をいただきました。


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最後は、漬け丼。もちろん、お茶をかけて〆に。


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デザートには、佐藤錦のサクランボ。

 

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肉食派の私は、どちらかといえば魚専門店に行かないのですが、

そんな私でも、大満足!でした。

 

                       

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2009.08.28

ルビー色に輝くロゼで中華を楽しむ

中国料理がやたら食べたくなるときって、ありませんか?


評判のいい東麻布の中華料理店「富麗華」で、週末のランチをいただきました。

名物の北京ダックの入ったコースです。

 

前菜盛り合わせと香港式点心三種盛り合わせ


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前菜のクラゲのコリコリ感が、「さあ、中華を食べるぞ!」という気分を盛り上げてくれます。

 

海鮮のとろみスープ、そして北京ダック

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豚挽肉とカボチャの炒め物、旬の野菜炒めは豆苗とマコモダケ

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干し肉とホウレンソウの炒飯、そしてこれも名物のタピオカとマンゴーのミルク

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ここはワインの持ち込みができるのですけれど、ワインリストにあったロゼワインを注文してみました。

 

2007「ロッシーノ・ロゼ」(ドミニク・ヴェルサーチ)

 

09082709.jpg深いルビー色の鮮やかな外観の印象通り、酸はやわらかく、チェリーの香りが広がります。

辛口ロゼは、オイスターソースやしょうゆベースの中華と相性いいですね。

 

このワイン、オーストラリア産(南オーストラリアのアデレード・プレインズ)なのに、品種はイタリアの「キャンティ」などに使われるサンジョヴェーゼです。

 

???

 

 

 

でも、理由がわかりました。


ドミニク・ヴェルサーチは、イタリアのファッションデザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチ氏のいとこ、カミルネ氏が2000年に創設したオーストラリアのブティックワイナリー。

カミルネ氏は、1950年にイタリアからオーストラリアに移民しています。

いまはその息子のドミニク氏が醸造責任者を務め、ブドウの手摘み、かなり厳格な有機栽培の導入、そしてイタリアの伝統的製法の継承にこだわって生産本数を限定し、年々評価が上昇しているようです。
サンジョヴェーゼでロゼを造る発想も、イタリア系ならでは・・・ですね。

 

中華も好きですが、ベトナム料理も大好きです。
とくに、胃腸が疲れると、とっても食べたくなるんです。

ロンドンに住んでいた20代のころ、レスタースクエアにベトナム難民の美しい姉妹が年中無休で開いていた小さな店があって、おなかの調子が悪いと、よくフォーを食べに行っていました。

 

というわけで、夏の疲れた胃腸を癒そうと、先日、六本木のベトナムレストランを訪ねたら、ベトナム産ワインに出合いました。

 

09082710.jpgダラットワインです。

 

ぼけぼけの写真で恥ずかしいのですが、店内がほんと暗かったんです(と言い訳させてください)。

 

輸入元のアルファ・エイティーンさんの資料によれば、ワイナリーがあるダラットは、ホーチミン市から北へ約300キロ、フランス統治下時代にフランス人により開かれた高原都市。現在も避暑地として美しい自然に囲まれ、ワイン造りには最適な環境といいます。


ブドウ畑があるのは、ダラットから車で2時間くらいのファンランという街。

品種はカルディナルとシラーが主体。隠し味に、特産のマルベリー(桑の実)が入っていて、味をまろやかにしているそうです。

やはり特産のストロベリーを加えたワインも、地元では人気のよう。

 


私はお店の人のおすすめに従い、ぎんぎんに冷やした赤にしました。

ワインというより、グレープジュース???

現地では、氷を入れてぐびぐび飲むそう。そういえば、台湾でも、そんな飲み方でしたっけ。

 


私の大好きな香菜の香りを邪魔することもなく、また、チリで口の中に広まった辛味も適度に中和してくれて、美味しい料理を引き立てるお役立ちワインでした。

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)