ブルゴーニュアーカイブ

2009.08.03

やっぱり和食には ムルソー?!

7月のある週末、仙台に出掛けました。


私、小学生のときからの年季の入ったジュリーのファンでして、時間の許す限り、地方のコンサートツアーもチェックします。


というわけで、久しぶりの仙台だったので、海を独り占めできる空間が気に入っている松島佐勘「松庵」に。
松林の奥にある、素敵な庵なんです。

 

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ワインは持ち込みました。


2004 ムルソー・デュ・シャトー (ドメーヌ・デュ・シャトー・ド・ムルソー )

 

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私に白ワインのおいしさを教えてくれたのが、フランス・ブルゴーニュのムルソーでした。


これ、生産者の名前もワインの名前も、なんだかややこしいのですけれど、ムルソーの村名ワイン。
ボトルの腹回りが"メタボ"気味で、持ち運ぶとき1本用のワインバッグにうまく収まらないのがたまに傷。

ではありますが、いや、そんなことはどうでもいい、と言いたくなるほど、わかりやすく、おいしいムルソーなんです。
穏やかな果実の香り、焦げたナッツの風味、ほんのり樽のニュアンス。

どれも私のムルソーのイメージを裏切りません!


シャトー・ド・ムルソーは、14世紀に設立され、1970年代、現在の所有者、ボーヌの大手ネゴシアン、パトリアルシュ社のアンドレ・ボワゾー氏が伯爵家から買い取りました。

ムルソーの8.9ヘクタールの畑のほか、コート・ド・ボーヌにも22ヘクタール畑を所有しており、ムルソー以外のお手ごろブルゴーニュも造っているんですね。

 

夜の献立は・・・


箸染=初夏の誘い(豚肉のタマネギ巻、ホタテ&ズッキーニのゴボウのせ、地元アナゴの梅肉ソース)

吸椀=松島の水面に映るおぼろ月(ジュンサイとミョウガがアクセント) 

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しのぎ=相生の宮城野米と伊達の牛

造り=待ち侘びて 一年過ぎて海の栗(海の栗とは、三陸産ムラサキウニ。旬のヒラメは黄身じょうゆと梅じょうゆで)

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 焼物=島陰で塩に隠れて片思い(塩釜の黒アワビ。ユバのズンダ和えと流行のコリンキーを添えて)

口直し=赤い茄子 誰もが頷く味香り(大好きなトマトがダイコンおろしと一緒に)

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温物=睦まやか 醍醐に浸る夏野菜(豆乳と生乳のブレンド醍醐に、加茂ナスや南京しんじょが夏を演出)

食事=お好み釜炊き御飯(油揚げと新ショウガの炊き込みご飯)

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椀=松庵特製「奇跡の味噌」仕立て(極上みそと揚げ麩の組み合わせ)

甘味=無花果(赤ワイン煮でした)

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さて、翌日のランチは、一度は予約したいと狙っていた、塩釜の「千松しま」へ。

「食べログ」という飲食店の口コミ評価サイトで、和食部門の全国一位にランクされたこともある店です。

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こちらの情報は、読売オンラインで連載中の「GINZA通信」に掲載しています(2ページ目でお料理を紹介しています!)ので、興味のある方はぜひチェックしてください!!

 

ところで、今回ご紹介したワインは村名のムルソーで、買ったときは確か6千円台だったと思うのですが・・・。

いま、同じドメーヌでプランタン銀座に在庫があるのは、1級畑の「2001ムルソー プルミエ・クリュ」。
1級畑の中でも、シャルムとペリエールというとってもゴージャスな組み合わせのブドウで造られているので、おそらく、さらに美味しさパワーアップ! でしょう。1万1130円。

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2009.06.26

私のおすすめ! サロンが入った至宝の4本セット

7月目前。

いよいよ夏のバーゲンの季節がやって来ました!

 

プランタン銀座でも、6月27日から全館あげての「ザ・バーゲン」が始まりますが、地下2階のワイン売場では、一足はやく、注目のワイン・バーゲンがスタートしています。


 

中でも注目は、あの「サロン」が入った「フランスワイン至宝の4本セット」(税込105,000円)です。 

 

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ブルゴーニュ3本との組み合わせで、限定3セットはあっという間に完売! 好評につき、輸入元さんに特別にお願いして、追加で3セットが入荷してきます。


 

セットの中身はというと・・・

 

まず、言わずと知れた、 
1997 サロン ブラン・ド・ブラン
 

09062602.jpgヴィンテージもの一種類しか造らず、リリースも10年ほど経ってからという特別な存在のシャンパーニュ。100%グラン・クリュの単一畑のシャルドネだけを使って造るブラン・ド・ブランは、シャンパーニュ好きなら、一度、いやできれば何度も経験したい繊細な味わいです。


最近お値段が上がって、「ああ、もう飲めないかなあ」ってため息をついていましたが、今回は思い切って・・・! 

 

造り手さんによれば、1997年ヴィンテージは「絹のような官能性」「究極でミステリアスな繊細さ」が特徴で、「確実に悦楽を感じさせるワイン」なのだそう。
うーん、いろいろ妄想(?)がふくらんで、わくわくしますねえ。

 


 
次に、
2006 シャルム・シャンベルタン(ドメーヌ・デュジャック)
 

09062603.jpgブルゴーニュファン憧れのデュジャックです。

デュジャックといえば、本拠地の「クロ・ド・ラ・ロッシュ」などが有名かもしれません。

でも、私は、凝縮したラズベリーなどの果実味が豊かで、ミネラル感もあって、それでいてスミレのようなやさしい香りで包んでくれる「シャルム・シャンベルタン」、大好きです。

私にとっては、このセットの2番目の注目ワイン。

 

 

 

 

 

まだまだあります!


1997 ピュリニー・モンラッシェ レ・ピュセル(ドメーヌ・ルフレーヴ) 


09062605.jpg透明感のある白ワイン、という印象があります。適度な樽のロースト香もあって、期待を裏切られたことがありません。飲み頃でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2005 コルトン・シャルルマーニュ(ドメーヌ・シモン・ビーズ)
 

09062604.jpg日本女性の千砂さんがマダムを務めていることでも有名なドメーヌですね。昨年、収穫直後に訪ねたときに、おいしい卵の赤ワイン煮などをごちそうになりましたっけ。
シモン・ビーズについては、機会を見て、改めて書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

お買い得セットは、ほかにもたくさん!

 

「ヨーロッパ赤ワイン12本セット」が税込10,500円、 「スパークリングワイン5本セット」が税込6,300円、「世界のフルボディ6本セット」が税込6,300円などなど。

 

さらに注目は、エチケットの多少の破れ、キャップシールの不良などで、店頭には並べられなかった「B級・ラベル不良品」のセール。本当にお得な値段でご用意してあります。

ご興味のある方は、「ブログで知った!」とおっしゃって、売場スタッフから説明を受けてください。数に限りがありますので、どうぞお早めに。
問い合わせ先 ワイン&リカー直通 03-3567-7885。

 

 

あなたの夏をステキに演出するワインが見つかりますように・・・。
 
 
 

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2009.06.01

1995サントネーがお手頃価格!

前回1995年のブルゴーニュ赤の飲み比べのことを書いたので、プランタン銀座のワイン売場で、お手頃なタイプを探してみました。

 

ベテランスタッフのTさんもおすすめ!
1995サントネイ (ルモワスネ・ペールエフィス)。 3885円。
 
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写真の背景、照明の具合も悪かったのでしょう。全体が青みがかってしまって、スイマセン。

 

ところで、ルモワスネは、19世紀後半に設立されたボーヌに拠点を置く有名ネゴシアン。


当主のロランさんは「フランス最後のブルジョア」といわれる大富豪。

豊富な財力で、1940年代から毎年、優れたキュヴェ(樽)をトップドメーヌから大量に買い続け、16世紀に造られた冷涼なカーヴで長年寝かせているそうです。その数は100万本を超すとも。


出荷前に1本ずつ澱引きし、リコルクしてから送り出すそうで、「ルモワスネは若々しい」との評価がある所以です。


1995年のサントネイは、実にきれいなピノノワールの熟成が楽しめるしなやかなワインでした。

ほどよい琥珀色、酸もタンニンも果実味もしっかりしていて、どんな料理にも合いそうです。

 

私は自宅で、エビとブロッコリーの中華風炒めもの、そして、白カビタイプのチーズといただきました。

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2009.05.28

1995ブルゴーニュ赤の飲み比べ

1995年のブルゴーニュ赤を中心にいただくという、知人が主催するワイン会に参加しました。

場所は、銀座1丁目のフレンチ「ル・シャボテ」です。

 

泡を含めると、9本のラインナップ!

 

 

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 1.NV アンリ・ビリオ グランクリュ・アンボネィ キュヴェ・トラディション
 2.1995 サントネー クロ・ド・マルト(ルイ・ジャド)
 3.1995 ポマール キュヴェ・ダム・ド・ラ・シャリテ (オスピス・ド・ボーヌ)
 4.1995 ヴォルネイ クロ・デ・デュック (マルキ・ダンジェルヴィーユ)
 5.1995 ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエクリュ レ・サン・ジョルジュ 

   (ドミニク・ローラン)
 6.1995 シャルム・シャンベルタン (J.C.ファゴ)
 7.1995 グラン・エシェゾー (グロ・フレールエスール)
 8.1995 シャンボール・ミュジニー プルミエクリュ

   (コント・ジョルジュ・ド・ボギュエ)
 9.1995 ミュジニー (ジョセフ・ドルーアン)

 

どれもある意味では、ブルゴーニュの王道をいくワイン。
こうやって何種類も飲み比べると、ピノノワールの限りない可能性を再認識!です。

 

私が特に気に入ったのは、2と7。

 

2のサントネーは、ブルゴーニュ有数のネゴシアン、ルイ・ジャドの7ヘクタールのモノポール(独占畑)「クロ・ド・マルト」で造られます。
繊細な赤いベリーの果実味、タンニンは中程度でとっても上品。王道ブルゴーニュの最初を飾るにふさわしいワインでした。主催者によると、価格も5千円台。見つけたら、迷わず買いたいです。
 
7のグラン・エシェゾー、グラスの中で香りが華やかに広がり、カシスやラズベリーの凝縮された豊かな味わい、森の土のニュアンスも感じさせます。
ジャン・グロの次男、ベルナール・グロが造るこのワイン、兄ミッシェル・グロのエレガントさ重視に比べると、発酵温度をあまり上げずに、より力強く仕上げているといわれています。
私はどちらも好きですが・・・。
 

 

さて、合わせた料理は・・・

 

①北海道ホタテのエスカベッシュ

②サクラマスの自家製スモークとフォアグラのジュレ

③和歌山産オコゼのポテト巻き、メヒカリ添え

④シャラン産カモの胸肉ロースト。


量もたっぷり。

ごちそうさまでした!!    
 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)