2012.09.01

南イタリアの旅から(7)~カタンツァーロ

9日目、メッシーナからフェリーでイタリア本土に渡りました。

長靴のつま先、カラブリア州の州都、レッジョ・ディ・カラブリア。

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 この街で見逃せないのは、「リアチェの青年戦士」といわれる青銅像2体。

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現在は博物館から移動して、ラボで解体点検中でした。

前5世紀のギリシャ時代の作。目は石灰石、歯は銀製。海底から引き上げられたそうで、保存状態良好です。

 

いざ、ランチへ。

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2種類のブルスケッタと、

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ライスサラダ。ハートのお皿で出てきました。

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午後は、素朴なビザンツ時代の教会が残るスティーロへ。

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貴重な壁画が残っています。

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このあたりのことは、ヨミウリオンラインにも書いています。

 http://www.yomiuri.co.jp/otona/pleasure/ginza/20120824-OYT8T00630.htm

 

この日の宿は、ビザンツ時代から栄えたカタンツァーロ。

海岸沿いのカジュアル過ぎないピッツェリア。

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ワインは、カラブリアを代表する「チロ」。

12070109.JPG2011 Ciro Rosato

カラブリア州で造られているDOCワインの90%がこのチロ。

まずは、冷やして軽めの若飲みタイプのロゼを。

古代ギリシャから伝わったガリオッポ主体。

チロが造られているのは、北東部丘陵の村チロと近隣の海岸沿いのチロ・マリーナ周辺。 

生産者は、リブランディ。1850年代から続く老舗で、ギリシャ時代の栽培法を復活、発展させるのに注力しています。

醸造家にドナ・ラナディ氏を迎えてから、品質が向上し、人気です。

 

 

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同じ生産者の白。

2011 Ciro Bianco

果実の香りときれいな酸の切れ味がよいワインです。

グレコ・ビアンコ85%が主体。

このあたり、古代ギリシャ人からエノトリア(ワインの大地)と呼ばれており、ブドウ栽培の歴史は古いのです。

火山灰土壌で、栽培面積はそれほど大きくありません。

 

 

 

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2010 Ciro Rosso Classico

ガリオッポで造る赤ワイン、これが3タイプの中でも一番知られているのでは。

というのも、古代ギリシャのオリンピックで、競技の勝利者に贈られたのが、このワインでした。

ちなみに、チロ・マリーナのあたりは、当時、ギリシャの植民都市クレミッサと呼ばれていました。

チロは、1968年のメキシコオリンピックで、オフィシャルワインにもなったそうです。

 

 

 

 

 もちろん、料理は、ピッツアも。

2種類のチーズを使ったピッツア。オリーブオイルをかけて。

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揚げ物は、ロゼワインで。

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12070117.JPG 12070118.JPGオリーブオイルやらアップルヴィネガーやら、好みで料理に加えられるようにテーブルに用意されていました。

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実はこの日、ユーロカップの決勝戦。イタリアとスペインの対戦で、普段「僕はあまりサッカー、興味ないんだ」と言っているイタリア人も、さすがにテレビの前にクギ付けでした。

でも、ピッツェリアの奥の部屋のテレビの前、歓声が上がらず、ため息が漏れるだけ。

そう、4対0で、完敗のイタリアでした。

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かわいい僕も呆然としていました・・・

レストランをあとに、海岸沿いを無言でうつむいて歩くイタリア人たち・・・。お通夜の帰りのようで、こんなイタリア人、初めて見ました。

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)