2012.02.29

松嶋啓介シェフ&石田博ソムリエの素敵な晩餐

お久しぶりです!
まだまだ凍える日々(東京は今日雪でした!)が続いておりますが、皆さま、楽しいワインライフを送っていらっしゃることと思います。


さて、先日、日本ソムリエ協会の機関誌「ソムリエ」の佐藤編集長の音頭取りで、メディア分科会がスタートしました。マスコミ関係者の中には、ワイン好き(酒好き?)が多く、協会会員に名前を連ねる人も少なくないのです。特に何かの目的があるというわけではなく、ま、楽しく飲んで交流しましょうという気軽な食事会。当日は、月刊誌の締め切り日と重なって、雑誌関係者の出席がなかったことがやや寂しかったのですが、新聞社やテレビ関係者が集い、なごやかな会になりました。


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場所は、原宿の「レストラン・アイ」。ちょうどオーナーの松嶋啓介シェフがニースから帰国中。松嶋シェフのオリジナル料理それぞれにベテランソムリエの石田博さんがワインを合わせるという、ぜいたくな企画でした。


テーブルには、フランスの春を彩る黄色のミモザの花が・・・。今年は、ファッションの世界でも、ミモザ色が満開のようです。

 

 


本日のシャンパーニュは、「NVブルーノ・パイヤール・ブリュット・プルミエ・キュヴェ」。

ニースのKEISUKE MATSUSHIMAで、ハウスシャンパーニュとして出しているもの。

オーナーのパイヤール氏はプロヴァンスにも家があって、そうしたご縁もあるそうです。


ミネラル感もしっかり感じられ、口の中に広がる柔らかくきめ細かな泡は、いつまでも飲んでいたいと思わせるおいしさでした。

 

 

 


まずは、シャンパーニュのお供3品。

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続くアミューズは、カリフラワーのクリームとコンソメジュレ、生ウニの組み合わせ。カリフラワーの濃縮された自然の甘さが印象的でした。

 

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ここでサービスされたのは、シャトー・ペスキエの「2010 ヴィオニエ」。

 

アヴィニョンのはずれのヴァントゥー山にあるこのシャトーは、松嶋シェフが修業時代から世話になっているそうで、今では家族ぐるみのお付き合い。あの「情熱大陸」の撮影ロケもここが舞台でした。

 

自然が豊かで、大のお気に入りの場所で、松嶋シェフにとってはたくさんのインスピレーションがわく「デザイン工場」でもあるそうな。エチケットには桜がデザインされています。

 


1皿目の前菜は、帆立貝柱、ブロッコレッティ、キャヴィア、貝類のエミュルション。帆立貝柱のソテーと味わいのやさしいブロコレッティ(日本では茎ブロッコリーと呼ばれています)との組み合わせ。帆立のヒモからとった旨みいっぱいのスープをカプチーノ仕立てにして、キャヴィアの塩味とさわやかなレモン・オリーブオイルがアクセントです。


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次にサービスされたワインは、フランソワ・ヴィラールの「2009 サン・ジョセフ・ブラン フリュイ・ダヴィユラン」。

 

ローヌ地方屈指の作り手、フランソワ・ヴィラール。品種はマルサンヌとルーサンヌ。

 

ブドウをしっかり完熟させているので、ブドウ本来の味わいが楽しめて、白い花の香りも心地よいのです。複雑みも感じられ、それでいてフィニッシュは爽やか。丁寧に造られているなと感心させられた1本でした。

 

 

 


2皿目の前菜は、ランド産鴨のフォワグラのキューブ仕立て、栗のブイヨンを添えて。キューブ状のフォワグラは、フォワグラそのものを味わうテリーヌ・ナチュールと、黒トリュフ風味の濃厚なクリームで仕上げたクロケットの2種。栗のふくよかな甘さが広がります。


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3皿目の魚料理は、真鱈のローストとひよこ豆のピュレ。真鱈とひよこ豆は、地中海地域の定番の組み合わせ。ガーリック入りのパン粉をまぶして香ばしくローストした真鱈に滑らかなひよこ豆のピュレを添えて、レモンとセージの香りのソースで爽やかな風を演出です。

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ここで登場したワインは、ドメーヌ・ド・ラ・トゥール・デュ・ボンの「2010 バンドール・ロゼ」。

 

有機栽培の畑からエレガントなバンドールを造ることで知られる生産者です。

年間300日は目がくらむほどの晴天が続くという典型的な地中海性気候。ムールヴェドル、グルナッシュ、サンソーのブレンドです。典型的な従来のスタイルのバンドールとはちょっと違って、フレッシュでナチュラル、柔らかさも感じられます。

 

 

 

 

4皿目の肉料理は、プロヴァンス地方でもよく食べられる仔牛をローストで。リードヴォー(胸腺肉)はパン粉を軽くまぶして揚げ焼きにしたパネソテー。クルミと合えたジャガイモのニョッキは、イタリア・ピエモンテ州の定番の付け合わせだそうです。今でこそ、松嶋シェフの住むニースはフランス、ピエモンテ地方はイタリアですが、このあたり、13-16世紀、もともとはサヴォワ家が治めたサヴォワ公国(サルデーニャ王国の前身)という一つの領土だったのです。松嶋シェフは、サヴォワの食文化を表現することにも熱心だと聞きました。


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赤ワインは、イタリアワインの登場です。トリンケーロの「1999 バルベーラ・ダスティ ヴィーニャ・デル・ノーチェ」。

 

アグリコーラ・トリンケーロは、ピエモンテの著名なリストランテ・ダ・グィードの経営者一族。

バルベーラ100%。1929年に植えられた畑で、良年にのみ最上のブドウを選んで造られるもので、骨格がしっかりして、こなれたタンニンが上品、酸もいきいきしています。「アスティの宝石」と呼ばれるのも、納得です。

 

 

 

 

 

デザートは、冬場の食材として松嶋シェフがお気に入りという栗カボチャをさっくり焼き上げたビスキュイに。ビスキュイにナイフを入れると、ホワイトチョコのガナッシュと合わせた栗カボチャのクリームがとろり。マロンのアイスクリームも濃厚で大満足。

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デザートに合わせて、ドメーヌ・ジャンティーユの「2009 ミュスカ・デュ・カップ・コルス」をいただきました。

 

イタリア半島西のリグリア海に浮かぶフランス領コルシカ島のワイン。マスカットを使った甘口の白ワインで、柔らかな甘みはこの品種ならではの味わいでした。

 

 

 

 


最後に、待ってました!松嶋シェフ登場!! プライベートなこととか、フランスの情報とか、いろいろとぶしつけな質問もしてしまいました。ゴメンナサイ。でも、にこにこと、しかも率直に答えてくださって、うれしかったです。


12022015.JPG南仏の晴れた青空を思い浮かべながら楽しんだ晩餐でした。

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)