ワンドリンクにサプリメント2粒
健康・美容は気になるけれど、やはりお酒はいつものペースで美味しく飲みたい――そんな愛飲家たちから、頼りにされているカフェがある。
名門バーが軒を連ねる東京・銀座6丁目に、今年の初めにオープンしたカフェ「Vita(ヴィタ)」。ガラス張りのファサードには、薬のような白いパッケージがディスプレーしてあり、一見薬局風。
それもそのはず、ここは、店長が薬剤師の資格をもつ「薬剤師カフェ」なのだ。
白が基調の店内のカウンターに腰を落ち着けると、店長の平井陽子さんが接客してくれる。平井さんは、大学卒業後、国立病院や大手ドラッグストアなどで経験を積んできた。
メニューには、ウコン茶や韃靼ソバ茶などのヘルシーティー、ザクロやブルーベリー、サボテンなどとからだにやさしい発酵酢をブレンドしたドリンクなどが並ぶ。ちょっと変わったところで、トマト&マンゴーの発酵酢ブレンドを炭酸で割ったものを頼んでみた。
トマトジュースのような赤のドリンクをイメージしていたのだが、ほんのり淡いイエローの色合い。トマトはエキス分を利用しているので、ほぼ透明に近い色なのだそうだ。思ったよりも甘みがあって、酸味はマイルド。飲みやすい。1杯500円。
「着色料も保存料も甘味料も使っていません。お酢の主成分の酢酸には、疲労回復やダイエット効果も期待できますよ」と、平井店長。
「よかったら、カウンセリングシートに記入してみませんか?」と促されて、一般的な健康状態、アルコールの摂取頻度や日常の運動状況、ダイエットに関してなどの設問に答えた。
同店では、ワンドリンクにサプリメントを2粒付けてくれるサービスがある。
「このところ残暑続きで、疲労感がたまってきた感じです」と相談したところ、即効性のある「メガBコンプレックス」を勧められた。
「ビタミンBの含有量は世界最高レベルの一粒。アルコールの分解を助ける役目もあって、二日酔いにも最適。銀座で人気ナンバーワンのサプリですね」と、教えられた。
相談に応じぴったりのサプリ
サプリメントはすべて米国医療用のもので、「美肌」「ダイエット」「ストレス」など目的別に6種類、平井さんが独自にパッケージを作った。
50代になると、からだのあちらこちらにガタが来る。テレビCMにつられて、いくつかサプリメントを購入したものの、これが自分にぴったり合ったものなのかどうか、疑問に思っていたところ。個人的な悩みも相談してみた。
私の場合、特に悩みは、頑固な便秘である。購入したサプリはあまり効果がなく、最終手段は、腸を刺激して便通を促す市販の下剤に頼るしかない。それも段々と使い続けているうちに効き目が悪くなってきて、薬の量を増やさざるを得ない。
「腸の動きがますます鈍くなって、悪循環に陥っています。腸内の善玉菌を増やして、腸の運動を活発化させるなど、腸内環境自体を根本的に改善する必要があります」
選んでくれたのが、一つのカプセルに40億個もの善玉菌を封じ込めているというプロバイオティックスーパーと、硬くなった便に水分を含ませて柔らかくする役目のマグネシウムラックスの組み合わせ。「TAMENAI-DE(ためないで)」というネーミングも、わかりやすい。
とりあえず試してみようと、30日分を購入。4000円。
「予防医学の概念が根付いているアメリカでは、薬剤師などの専門家がサプリメントを提供する体制が整っていますが、それに比べて日本は10年以上遅れています。もっと気軽に利用してほしい」と、平井さんはいう。
ランチ一番人気の薬膳カレー
さて、薬剤師が活躍しているのは、同店だけではない。
銀座2丁目にある「ウェルタス銀座クリニック」に併設された「銀座カフェ・ビストロ」は、クリニックの医師と薬剤師が、生薬やハーブを使用したアンチエイジングレシピを開発している。茨城県日立市に自社農園や水田を持ち、野菜をはじめ、黒米や玄米を直送している。
ランチ一番人気のメニューは、野菜のデトックス薬膳カレー。余分な油分や糖分、塩分を極力控え、16種以上の生薬を1時間以上煮出してスープをつくり、野菜は7種のハーブやビオ(有機)の赤ワインで3日間も煮込み、スパイスなど加えて2日間寝かせるという手の込んだもの。カボチャやニンジン、レンコンなど、繊維質もたっぷり摂れるように考えられている。
日替わりで、独自ブレンドのハーブティーがサービスされ、この日は、カモミールやラベンダー、アマチャヅルなど、東西のハーブ9種類がブレンドされたリラックス効果の高いお茶だった。
ちなみに、先のカフェで購入したサプリはその夜から早速飲み始めた。「まずは2週間様子をみて」といわれていたのだが、翌朝、早くも効果あり。この数日は、気持ちよく過ごせております。気分的な作用もあるのだろうか。
(プランタン銀座常務・永峰好美)