2011.04.30

アンジェリーナで久しぶりのワイン講座

3か月に1回開催している、プランタン銀座本館2階「サロン・ド・テ アンジェリーナ」でのワインと料理のマリアージュを楽しむワイン講座。

3月は計画停電の影響で、営業時間を短縮していたので、開催を見送りましたが、4月、希望者が10人集まり、営業時間も通常に戻ったので、再開することにしました。


テーマは、「春のうららかな空気を楽しみながら・・・」にしました。心落ち着かない日々が続いていますが、ちょっとリラックスして元気になりましょうよ、という企画です。今回は初参加の方が3人いらっしゃいました。

 

ワインリストは次の通りです。


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2002 カドリーユ・クレマン・ド・ロワール ブリュット(ラングロワ・シャトー)
IGP ペイドック・トゥールーズ・ロゼ(ドメーヌ・ピッチニーニ)
2008 ブルゴーニュ・アリゴテ(ドメーヌ・ピエール・モレ)
2008 メルキュレイ・ラ・フランボワジエール(ドメーヌ・フェヴレイ)
2008 DOCボルゲリ ポッジォ・アル・ジネプリ(テヌータ・アルジェンティエーラ)

 

すべてのワインは、プランタン銀座地下2階のワイン売場でそろえました。

 


2011042102.JPG最初の泡は、ロワールの名門、ラングロワ・シャトーのヴァン・ムスー。現在、シャンパーニュのグランメゾン、ボランジェの傘下にある名醸蔵で、評価も高い!

 
「カドリーユ」とは、ロワール地方のソミュール地区にある陸軍乗馬学校主催の競技会の名前だそう。

 

収獲はすべて手摘み。シャンパーニュと同じ製法で造られ、4年間じっくり寝かせています。深い黄金色で、きめの細かな泡が繊細。ハチミツ、バタートースト、クレームブリュレ・・・。厚みのある味わいが魅力的でした。シュナンブラン50%、シャルドネ30%、カベルネフラン15%、カベルネソーヴィニヨン5%のブレンド。

 

 


合わせた料理は、プロシュートのオマールエビとカニの詰め物、プチサラダ添え。


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2011042104.JPG2番目は、春の季節に味わいたい色も華やかなロゼワイン。地中海沿岸・ラングドック地方の西、60キロほど内陸に入ったミネルヴォワの造り手です。

 

設立は1990年と比較的新しいのですが、シラーを使ったスパイシーで引き締まった味わいで人気上昇中のドメーヌ。


エチケットがショッキングピンクで、かわいらしいのも特徴です。

このロゼも、グルナッシュとシラーが主体。果実味が豊かで、スパイシーなニュアンスが楽しめました。

 

 

 


料理は、赤ピーマンのムース・ペルノー酒のジュレとウニ添え、桜のクリームチーズのパン詰め、タイの赤飯詰め・笹葉蒸しの3点盛り。


2011042105.JPG 2011042106.JPG 
 

 

2011042107.JPG3番目のアリゴテは、造り手に注目です。

 

ムルソーの名門、コント・ラフォンは、長年、メタヤージュといって、別の栽培家に畑を貸し、収穫したブドウを分け合ってワインを造っていました。その畑の多くを1980年代後半まで栽培していたのが、このピエール・モレ氏でした。最高峰モンラッシェを含む4ヘクタールの畑です。造り出されるワインの評判も高く、その腕をかって醸造長として迎えたのがドメーヌ・ルフレーヴでした(2007年まで)。

 


モレ氏が自らの畑で造るビオデナミ100%。酸味が先行しがちなアリゴテも、彼の手にかかると、こんなにも洗練され、豊かなミネラルと樽の香りと溶け合ってクリーンでエレガントな味わいになるのかと、ちょっと驚きでした。

 

料理は、ツブ貝のブルゴーニュ風、子海老のパスタ巻きとともに。

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2011042109.JPG 4番目は、ジョセフ・フェヴレイのコート・シャロネーズ地区のモノポール(単独畑)です。

 

老舗ドメーヌのクラシックなスタイルは、ピノノワールの繊細さを生かしつつ、熟成のポテンシャルを感じさせる安定感があります。

 

 

 

 

 

 

 

料理は、ウナギとタケノコのデュエット、フォアグラ添え。ウナギには赤ワインが合いますね。

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2011042111.JPG 5番目は、イタリア・トスカーナの赤を選びました。

 

トスカーナのボルゲリといえば、サッシカイアやオルネッライア? それと並んで、最近大注目がこのテヌータ・アルジェンティエーラです。


アンティノリが資本参加し、また、ボルドー・サンテミリオンのシンデレラワイン、ラ・モンドットで知られるステファノ・ドゥルノンクール氏もアドバイザーとして参加しています。

 

穏やかな果実味とやわらかな酸、こなれたタンニン、そして樽のニュアンスもバランスよく感じられ、スパイシーな肉料理が恋しくなりました。

 

 


合わせた料理は、仔牛のタラの芽・アンチョビ詰め焼き、カレーの香りを添えた古根(ショウガ)ソースで。

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デザートには、ハーフグレープフルーツとハチミツのパフェ。

 

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今回、参加した皆さんの一番人気は、最初の泡、カドリーユ クレマン・ド・ロワール。それから、ドメーヌ・ピエール・モレのアリゴテ、最後のボルゲリも評価が高かったです。
 

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)