2010.04.27

モニカやら、ファランギーナやら

プランタン銀座でも好評だった「イタリアワイン周遊フェア」。

その中から6本を選んで、私のワイン講座でも生徒さんにご紹介してみました。

 


ワインリストは次の通りです。

品種とアルコール度数、生産者についても記してみました。


10042701.JPG

左から、

2006 マクリーナ ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ
DOC クラシコ・スペリオーレ
品種 ヴェルディッキオ100% 13.0% 
ガロフォリ社(マルケ州)
2006 ルナータ ファランギーナ IGT
品種 ファランギーナ85% グレコ15% 12.0%
ムスティッリ社(カンパーニャ州)
2005 ヴァンナ ドルチェット・ダルバ  DOC 
品種 ドルチェット100% 12.5%
ヴァンナ・アンセルマ(ピエモンテ州)
2007 カザマッタ・ロッソ 
品種 サンジョヴェーゼ100% 12.5%
カンティーナ・マッタ(トスカーナ州)
2006 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ DOC
品種 モンテプルチアーノ100% 13.0%
マッシャレリ(アブルッツォ州)
2006 デュカ・ディ・マンダス モニカ・ディ・サルディーニヤ DOC
品種 モニカ90%、パスカーレ、カリニャーノ 13.0%
カンティーナ・トレセンタ(サルディーニヤ州)

 

白2種類と赤が4種類です。

生徒さんには、「どれが好みですか?」とお聞きするのですが、
白2種類は、ちょうど半々くらい。好みが分かれました。

 

 

10042702.JPGガロフォリ社は、1871年創業。トスカーナ州の東側、アドリア海に面したマルケ州の真ん中あたり、モンテカロット地区に畑があります。

この地方生まれの土着品種を使って素晴らしいDOCワインを造ることに尽力しているファミリー。白はヴェルディッキオ種、赤はモンテプルチアーノ種が中心。


名前のイェージは、古代ローマ時代から続く古い街です。


フレッシュな柑橘系の香りが広がります。まったく嫌味がなく、さわやか。「夏はぎんぎんに冷やして、ぐびぐび飲めそう!」と、頼もしいコメントをいただきました。

 

 

 

 

10042703.JPGファランギーナ種は、私のかなり好きな品種です。


ムスティッリ社というのは、マストロベラルディーノ、フェウディ・ディ・サングリゴリオと並ぶ、ナポリのあるカンパーニャ州の3大ファミリーメーカーの一つ。創業は16世紀初頭にさかのぼる老舗です。

特に、この土着品種を掘り起こし、単一品種で醸造したのはムスティッリが初めてとか。


醸造コンサルタントを務めるのは、キャンティの名門ルッフィーノのマオロ・オルソーニ氏。これも土着品種のグレコ種がブレンドされているタイプです。


酸のきれもよく、あと味にちょっとグレープフルーツの皮をかんだ時のような柔らかな苦味が残り、余韻を楽しめます。魚介類のカルパッチョやパスタなんかと合いそうです。

 

 

さて、赤4種類もそれぞれに美味しかったのですが・・・

票が集まったのは、モニカとカザマッタでした。

 

10042704.JPGサルディーニヤ州は、住民の独立心が強いことでも知られていますが、興味深い品種がたくさんあります。

 

白のヴェルメンティーノ、マンゾーニ・ビアンコ、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、赤のカンノナウ、カリニャーン、パスカーレ、そして、今回のモニカなどがあります。


プラム、ドライフルーツの果実味が豊かですが、酸は穏やかでどこまでも優しい印象。「ところを選ばず、飲みやすい!」との声が上がりました。 

 

 

 

 

10042705.JPGカザマッタは、人気コミック「神の雫」ですっかり有名になったワインです。

 

上級クラスのテスタマッタ(世界最大のワイン見本市2003年に、赤ワイン部門トップ受賞)にはちょっと手が出ないという人に、「僕のワインを少しでも知ってもらいたい」と、生産者のビービー・グラーツ氏がコストパフォーマンスを考えて造ったワイン。


新樽にブドウがを直接入れて発酵させる彼の手法は、いま、ボルドーでも話題になっているようです。


いきいきとした果実味、凝縮感もあり、酸とタンニンのバランスもいい。


2000円でお釣りがくるのだから、日常飲み用として重宝しそうです。

 

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)