先日ご紹介した西麻布の「ラ・ボンバンス」が、年明け、現在の場所から六本木通りを100メートルほど渋谷寄りに引っ越すことになりました。
13席でいっぱいになるちょっと手狭な旧店舗を惜しみつつ、再訪することにしました。
本日持ち込んだのは、先日プランタン銀座で購入した、
2002ルイ・ロデレール クリスタル
「世界最古の最もゴージャスなキュヴェ・プレステージュ」――そんな形容詞がぴったりな一品。キュヴェ・プレステージュとは、格付け100%のグラン・クリュで、しかも良作の年に収穫されたブドウのみで造るシャンパーニュをいいます。
1876年、ロシア皇帝アレクサンドル2世が専用シャンパーニュとしてルイ・ロデレールに特別に造らせたのが始まりといわれます。もちろん、ボトルも特別仕立ての美しい透明なクリスタル製。
当時、皇帝の暗殺を企てる者が爆薬などを忍ばせぬようにと、瓶底が平らになっているのが特徴ですね。
繰り返しになりますが、自社畑の中でも100%グラン・クリュから選ばれた最高のブドウで、しかもブドウの出来が良い年にだけ造られるシャンパーニュです。シャルドネ45%、ピノノワール55%。瓶詰め後の熟成は6年間にも及び、プレステージ・シャンパーニュの中でも長期熟成を誇るタイプ。澱とともに5年間熟成されることによって、旨みがふんだんに溶け込み、、より深い味わいに。
オレンジがかったグリーンの輝きの残る濃い目のイエロー。柑橘系やフランボワーズなどの香りに続き、豊かで柔らかなアタック、どこまでも繊細でクリーミーな泡が口の中で優雅にはじけます。バターで焼いたクロワッサンやココアのような味わいも。芳醇で骨格もしっかり、心地よい余韻が長続きします。
それにしても、正統派ヌーベル・ジャポネーズには、エレガントなシャンパーニュが合います!
さて、本日のお料理ですが、旬の素材を生かして、こんな具合・・・
近江蕪のすり流し すり柚子と炙り白子、キクラゲ、メカブの薄葛仕立て
じゅれっタイガー
(タイガーはトラフグにかけてあります! 揚げた皮の食感が楽しい)
しらす入りのチーズパン、金目鯛の炙り寿司、ワカサギのフライとバジルタルタル
茶碗蒸し三冠王
(フォアグラとフカヒレ、それに黒トリュフ。やり過ぎになりがちなメニューなのに、岡元シャフの手にかかると上品にまとまっちゃうから不思議)
焼き~すみSeikoリゾット
(せいこ蟹はメスの子持ちずわい蟹のこと。オスと比べて体は小さいけれど、内子と外子、それにとミソがたっぷり。自家製のカラスミも加わって、今日最高の美味!!!)
29料理 マロンゾーラ
(岩手の地鶏の肉料理、最近岡元シェフがお気に入りの栗とゴルゴンゾーラペーストの組み合わせ、そして早くも鹿児島産の焼きタケノコ添え。南北に長い日本列島の自然の恵みの豊かさに、改めて感謝ですね)
アラ鍋です。
(揚げた海老芋がアクセントになっています)
アラ鍋には、やはり日本酒、でしょうか。
十四代「特別本醸造」本丸生詰(山形県村山市、高木酒造)
「秘伝玉返し」とありますが、アルコール添加に自社の純米粕取り焼酎が使われることから付けられたといいます。
上質な甘味がふくよかに膨らみます。太陽の光をいっぱいに浴びた蜜柑のような芳醇さが味わえて、アラ鍋とベストマッチでした。
旬野菜の一皿。
今日は、キンジソウのお浸しが付きました。
このあと、フグ雑炊と、定番の白いコーヒーゼリー+黒ゴマシャーベットが付きました。
新店舗に移る「ラ・ボンバンス」にも、来年注目です。