ヨミウリオンラインで連載している「GINZA通信」の取材を兼ねて、先日、東京・大塚の「なべ家」さんに、初秋の味覚を味わいに出掛けました。
10月2日付けの「GINZA通信」では、銀座8丁目にある江戸スローフードのセレクトショップ「銀座・三河屋」の話題をご紹介しましたが、
ここで扱う江戸食の料理監修をなさっているのが、「なべ家」のご主人、福田浩さんなんです。
福田さんは、古い料理書の研究や江戸料理の再現者としても有名な方。
銀座三河屋本店の神谷修社長が、江戸食の店に挑戦するきっかけになったのも、福田さんがまとめた「江戸料理百選」がきっかけだったそうです。
さて、初秋の味覚は、松茸・落ち鮎・秋鯖のデラックスなコース。
まずは、名物の玉子焼き。
酒だしで甘辛~く焼き込んだ江戸の味です。
旬の素材で白和え、
そして、今日は日本酒をいただきましょう。
宇都宮酒造の「四季桜 秋」を冷酒で。まろやかな芳香が秋の気配を運んでくれます。
大根をからっと素揚げして大根おろしでいただきます。
なかなか見かけない一品。
江戸っ子が昔から大好きだった豆腐とナメコのお吸い物。
「豆腐百珍」は、江戸・天明期にベストセラーになりました。
旬まっさかりの松輪の鯖を和がらしで。
三浦半島の南端、剱崎灯台の袂にあるのが松輪地区。
江戸料理には欠かせません。
大根おろしにアサツキ、ミョウガ。
薬味が脂ののった秋鯖の味をさらにおいしく演出してくれます。
焼き松茸(岩手産)が登場。
そばは、池波正太郎も愛した神田「まつや」から。
辛味大根がアクセントに。
落ち鮎の煮びたしは、頭からかぶりつきます。
あふれんばかりの卵を味わいます。
またまた、松茸がご飯と一緒に登場。
レディスフィンガーというブドウとおろしたナシの組み合わせ。
最後は、これも人気の江戸のデザート、玲瓏(こうり)とうふ。
黒蜜でいただきましたが、練り辛子と酢醤油でも。
このデザートの説明は「GINZA通信」をご参照ください。
からだにやさしく、季節の旬にこだわった江戸のスローフード。
ちょっと江戸にタイムスリップして、初秋を楽しむのも粋なものではないでしょうか。