2009.09.28

「サロン・ド・テ アンジェリーナ」で楽しくマリアージュ

私のワイン講座では、3か月に1回、レストランで料理とのおいしいマリアージュを体験していただいています。


場所は、プランタン銀座の本館2階「サロン・ド・テ アンジェリーナ」

9月25日の回は私を含めて12人参加なので、ワインは6本プラスデザートワイン1本そろえました。


フランス料理出身の塩川シェフが、それぞれのワインに合わせた料理を作ってくれる、自分で言うのもなんですが、ちょっとぜいたくで、とっても楽しい講座です。(だいたい私自身がとっても楽しんでいるのです!)


「アンジェリーナ」は、モンブランだけじゃない! 

本格派フランス料理もお手ごろなんですよ。

 

今回は、講座の生徒さんのリクエストに応えてワインを選びました。

 

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左から、

シャンパーニュ・ブリュット ブラン・ド・ブランNV(ドゥラモット)
ソーヴィニヨン・ブラン 2009(シレーニ セラーセレクション)
ロエロ・アルネイス ベルドゥーディン DOCG 2006(ネグロ・アンジェロ・エ・フィリ・ディ・ジョヴァンニ・ネグロ)
レッド・ローズ2005(デヴィッド・フランツ)
メルロ オーディネール2006(小布施ワイナリー ソガペールエフィス)
シャンボール・ミュジニー2007(ドメーヌ・デュジャック)


 

09092702.jpg最初のシャンパーニュは、先日もご紹介したドゥラモットの「ブラン・ド・ブラン」。「サロン」の妹分といわれているシャンパーニュ、シャルドネ100%です。


カリカリに焼いたプロシュートとイチゴのミルフィーユ仕立てと合わせます。プロシュートのほどよい脂分とクリームチーズの酸味、イチゴのフレッシュな味わいが、繊細な「ブラン・ド・ブラン」を引き立てます。

 

 

 

09092703.jpg2つめのソーヴィニヨン・ブランは、人気が定着してきたニュージーランド南島のマールボロ地区で造られるドライでフレッシュな白ワイン。ほのかなやさしい甘みが残ります。


毛ガニのロワイヤル・蕪詰め。シャキッとした蕪の歯ごたえがよかったです。カニのような甲殻類、合いますねえ。

 

 

 

09092704.jpg3つめのロエロ・アルネイスは、イタリア・ピエモンテ州のDOCG白ワイン。1960年代に復活したアルネイスという土着品種100%。タナロ川をはさんで、有名なバローロ生産地域の反対側で作っています。

いささか濃い目の麦わら色で、アカシアのような花の香りととろりとした口当たり。個性的な味わいです。

ワイナリーの歴史は、1670年にジョヴァンニ・ドメリニ・ネグロ氏にまでさかのぼれるようです。


ナスのキッシュ仕立てにのっているのが、ホロホロ鶏のローストです。ソースは、タマネギのみじん切りを炒めてブイヨン、バター、小麦粉、牛乳などで煮詰めたスービーズソース。ミルク系の味わいがこの白ワインとはよくマッチしていました。

 

 

09092705.jpg4つめのレッド・ローズは、南オーストラリアのロゼワイン。名前の通り、華やかなローズ色。味わいは、チェリーというかプラムというか。

この生産者、デヴィッド・フランツ氏のウェブサイトはなかなかユニークでした。オーナー氏と妻とが赤ワインを掛け合ってワインまみれになっている姿がトップページに現れるので・・・。

料理は、キングサーモンのフリットと蒸した有機野菜の組み合わせ。レモンの酸味がきいたオランデーズソースでいただきました。

 


 

09092706.jpg5つめは、赤ワインで、長野県志賀高原山麓の小布施ワイナリーから「メルロ」を。

メルロ主体でカベルネソーヴィニヨンがブレンドされています。「ソガペールエフィス」ブランドは、自社農場ブドウと国内の優良農家のワイン専用ブドウを選んで造っているそう。国産果実100%使用なのですね。


ワイナリーの歴史は100年以上さかのぼりますが、欧州系のワイン用ブドウの畑を本格的に拡大したのは、1990年代初め。一般消費者から、ワインの樹1本1万5千円で購入してもらうワインの樹オーナー制度を設けています。

また、「ドメーヌソガ カベルネソーヴィニヨン プライベートリザーブ」は、全日空欧州線のファーストクラスにも採用されているといいます。


さて、今回飲んだ「メルロ」のボトルの裏には、こんな説明がありました。

「樽貯蔵など時代遅れと笑うがいいのです。小布施では、日本産ボルドー系品種は樽貯蔵して初めて真価を発揮するという強い信念のもと、100%樽貯蔵にこだわっています」。

 

09092707.jpgなるほど、熟したプラムの香り、ほんのり柔らかな樽の香りがして、味わいは複雑、滑らかなタンニンも心地よく感じられました。

 

リンゴとフォアグラのソテーにベリーソースを添えて。言うことありませんね。国産ワインの進化が頼もしく思える一品でした。

 

 

 

 

09092708.jpg最後の赤ワインは、やはり先日ご紹介した、ドメーヌ・デュジャックの「シャンボール・ミュジニー」です。デュジャックがシャンボールに持っている畑は、わずか0.53ヘクタールといいますから、貴重ですよね。


可憐な淡いルビー色ながら、ミネラルたっぷり、果実味豊かで、味わいはふくよか。

「エレガントですね!」と、最近ワイン用語を上手に使い始めた生徒さんの一言に、このワインの真髄が表されているような気がします。
茸のクリーム煮を詰めた仔羊のローストで締めくくりです。

 

そうそう、デザートも忘れられません。

モスカート・ドルチェ2008(ガイエルホーフ)

 

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 用意したモスカート・ドルチェは、私がイタリアの旅で最後に訪れたミラノのレストランで、店のご主人からプレゼントされたデザートワイン。北イタリア・トレンティーノの甘口白ワインです。

 

マロンの入ったティラミスと、キウィとピーチのジェリー。真ん中のジェラートは、なんとヨーグルトにオリーブオイルを合わせたもの。デザートワインとの相性、楽しくいただきました。

 

自宅で合わせるときの参考になりますよね。

最初のシャンパーニュとの組み合わせ、早速サンデーブランチで実践して、好評でした!

 

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永峰好美のワインのある生活

<Profile> 永峰 好美 日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。プランタン銀座常務取締役を経て、読売新聞編集委員。『ソムリエ』誌で、「ワインビジネスを支える淑女たち」好評連載中。近著に『スペインワイン』(早川書房)