皆さま、お盆休みはいかが過ごされていらっしゃいますでしょうか?
しばらくブログ更新をご無沙汰しておりました。スイマセン。
私は、10日間ほど、南米の旅に出ておりました。
現地のアルゼンチンタンゴ観賞と、世界遺産のマチュピチュやクスコ、ナスカをこの目で見て、また、南米のワインをしっかり飲もう! という欲張りな旅行です。
実は、イタリア旅行記も未完のまま旅立ちまして・・・。
あと4回ほど書きたいこと、書きたい場所を残しております。全10回連載の予定です。
とはいえ、南米に行って、ラテン系の人々の文化や伝統、歴史など、共通性と相違性といいますか、また私なりに新たなる発見もしてきましたので、順々に書いていこうと思っております。
とその前に、どうしてもご紹介したい新作の映画とワインがあります!!
プランタン銀座のWEBでも「おすすめシネマ」(シネスイッチ銀座などで8月8日より上映中)として掲載しました「未来の食卓」です。
舞台は、ゴッホがひまわりを描いたフランス南部アルルの近く、ラングドック地方ガール県の山脈の麓にあるバルジャック村。
ラングドック地方といえば、1年を通して温暖で、古くから優れたワイン産地として知られています。
さんさんと降り注ぐ明るい太陽の光と地中海から吹く柔らかな風によって育まれるブドウからは、「太陽と風のワイン」とも呼ばれるカジュアルなテーブルワインが産出されています。
この小さな農村で、農薬や化学肥料による食物汚染から村人たちの、そして子どもたちの未来を守るために、学校給食と高齢者の宅配給食をすべてオーガニックにしようという試みが、エドゥワール・ショーレ村長の旗振りで始まりました。2006年からのことです。
監督のジャン=ポール・ジョーさんは、2004年、自らが結腸がんを患ったことを機に、食を通して生物、命を見つめなおそうと考え、製作を思いついたといいます。
そして、バルジャック村の取り組みを1年間追いつつ、子どもから教師、主婦、農民、お年寄りまで様々な人々の声を拾い、また研究者や医師、ジャーナリストらのデータや情報で裏づけしながら、1本のドキュメンタリー映画にまとめたのです。
「農薬を使っていたころは、自分では絶対に食べなかったものもある。水田に投入した大量の除草剤が川に流れ出て、ある時私は環境ホルモンに侵された。頭痛や吐き気、死ぬかと思ったよ」--農民たちの率直な振り返りが、胸を打ちます。
詳細は、映画「未来の食卓」の公式サイトでどうぞ。
ところで、この映画に登場するオーガニックワインの生産者、ルイ・ジュリアン氏のワインを、銀座屋酒店で入手して、飲んでみました。
ヴォルテックスというインポーターさんが惚れ込んで、数年前から日本にも輸入しているそうです。
ルイさんの家系は、この土地で400年以上に渡って農場を営んできた歴史をもちます。
ルイさん自身、ブドウの品種改良の研究者でもあり、アリカントなどの地元品種にグルナッシュを接木したり、カベルネを掛け合わせたりして、独自の改良に挑んでいます。
最近は、昨今の地球温暖化の気候変動に適応できるような品種を開発しているのだとか。
私が飲んだのは、ヴァン・ド・ターブルのロゼです。店頭価格は税込1,418円。
品種はグルナッシュ、シラー、サンソー、アラモン。
果実味を凝縮する方式で造られているので、ルビーのように美しい色です。
カシスやプラムの香りにやさしく包まれます。
彼の醸造についての考え方は、あくまでも自然の力を尊重するものです。
除草剤も化学肥料も殺虫剤も、人工酵母も一切使わない、天然酵母は保存料の亜硫酸に敏感だから、瓶詰めのときにも添加しないという徹底ぶりです。もちろん、ろ過もしていません。
その代わり、酸化を防ぐ目的で炭酸ガスを残して熟成させるので、抜栓すると少々発泡を感じます。
ブドウジュースがそのままワインに変化した果実味豊かな味わい。
「自然の恵みよ、天の贈り物よ、ありがとう!」と感謝の気持ちでいっぱい。
なんだか心があったかくなるワインでした。
リサイクル瓶を使用し、ラベルは再生紙、キャップはプラスチックでした。
さて、日本でも、最近は「食育」という言葉が広がってきました。
フランスでは、1970年代に、国際ワインアカデミー名誉教授で醸造学者のジャック・ピュイゼ氏の提唱で、本物の味や生産地を知る「味覚の教育」といわれる食の授業が小学校でいち早く始まっています。
三ツ星レストランのシェフたちもボランティアで授業に加わり、食環境を支援する活動は年々活発になっていると聞きます。
映画の最後の方で、村人がこんなことを語っていました。
「1年前は自然食に全然興味がなかったけれど、協力してやろうという気持ちではじめた。子どもたちは味を覚え始めている。すべて自然食にするのは難しいが、まずは気づくことだね」と。
私たちの国日本は食料自給率約40%。多くの輸入食料に依存して暮らしているのが現状です。
映画を見ながら、そして、オーガニックなワインを飲みながら、いろいろ考えることがありました。
はじめて投稿します。
ワインを趣味で飲み始めて14年になります。
ここで紹介している「ヴァン・ド・ターブルのロゼ」はプランタン銀座にいけば購入できるのですか? どこで購入できるのか教えていただければ幸いです。
今度のワイン講座やワイン会のときに持っていって、映画の紹介もかねて飲みたいと思っています。
コメント投稿するのははじめてでよくわかりませんが、メールアドレス等記入すると世の中に公開されてしまうのかなと思って未記入のままです。対応の仕方あればおしえてくださると幸いです。
またこのページを時々覗いてみますね。
昨日、有給とって新幹線乗って、渋谷で「未来の食卓」を見てきました。
帰りにルイジュリアンさんのワインを買いたかったのですが、プランタン銀座?に立寄る時間がなく、新幹線に乗る前に東京大丸のワイン売り場まで走っていって聞いてみました。
でも、「未来の食卓」といってもルイジュリアンといっても、分かる人はいなくて、そんなに忙しそうでもないのに「知らないな」で終わり、関心もしめされないのにはとても残念でした。
私はもっともっと多くの人に見てもらいたいと思いました。
特に私もそうですが、子供のいる親たちに見てもらって、日本でも地域ぐるみで動けないかなと思いました。
私はたまたま通販サイトでルイ・ジュリアンさんのウ゛ァン・ド・ターブル・ルージュを紹介する記事で、「未来の食卓」を知りました。
そして購入、自宅で仲間と飲みましたが、その際、映画のほうが気になってました。
『バイオダイナミックス(ビオディナミ)農法とは、農薬を一切使わず、土地の性質を最大限に引き出す農法で・・・』ということはわかっていたけど、そういう拘る作り手がいるという理解に留まってました。
この映画では、有機栽培30年の土地とそうでない土地を映像で示したり(前者はミミズ、後者は雨で土が流されるといった具合)、ぶどう畑への農薬散布と健康を害している農家の生の話(鼻血がでる、排尿がでない)や住民の幼子が癌に侵され悔いている映像があり、やはり映像ってすごい、百聞は一見に如かず。
今までオーガニックって流行であったり、それにこしたことはないけど位の感覚だったので、オーガニック野菜を暫く買っても虫がいたとかで長続きしてませんんでしたが、消費者だけでなく生産者やそこに住む人々にとって必要なんだと再認識できました。
私はこういう話が映画化され、日本にも伝わってきたことを嬉しく思います。
映画のなかで農家の方が『人々を守ることは重要だが、我々の財布を守るのも大切だ』は確かに思うものの、
ジュリアンさんは『死んだ土地で育った植物は不健康だから農薬がいる。すべてはそこから始まってる』、村長が『オーガニックには費用がかかるというが、人の命と代償はいくら? 費用のことは心配しなくてよい』と。
from. karma | 2009.08.21 21:37結局、給食のオーガニック化が実現できたところがすごい。
karmaさま
素敵なコメント、ありがとうございました。
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お問い合わせのルイ・ジュリアンのワインですが、残念ながら、現在プランタン銀座でのお取り扱いはありません。
私は、銀座の「銀座屋酒店」さんで購入しましたが、数量限定の入荷といっていました。
ご興味がありましたら、輸入元のヴォルテックスさん(03-5541-3223 )に問い合わせるのが一番確実だと思います。
ちなみに、ヴォルテックスさんのホームページは、http://vortex-wine.com/profile.html です。
私も、ドキュメンタリー映画での映像の力強い訴えは、説得力があってすごいな、と思いました。
オーガニックに対する軽い気持ちが少々深まったような気がして、ワイン仲間や友人たちに、映画をおすすめしています。
このブログは、今年5月にスタートさせたばかりです。
私なりに、プランタン銀座で取り扱いのあるワインだけでなく、様々な話題を幅広く取り上げていきたいなと考えています。
どうぞまたブログをのぞいていただき、コメント投稿お願いします。
ご自身のワイン会などで話題になった話なども教えていただければ、うれしいです。
from. Yoshimi NAGAMINE | 2009.08.22 07:30